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2020/02/06
エージェントなしで年間200名以上の採用を実現 〜日本オラクル株式会社のダイレクトリクルーティングの取り組み【採用強者の流儀イベントレポート】〜
2009年より、キャリア採用をすべてダイレクトリクルーティングに切り替え、年間200名以上の営業・エンジニア職採用を進めている日本オラクル株式会社。当初の目的はエージェントゼロ採用によるコスト削減でしたが、ダイレクトリクルーティングを進めることでさまざまな社内変化が生まれているといいます。リクルーターとして、日本オラクルの人事はどんな働き方をしているのか。同社で約5年間採用を担当している西村航氏が「採用強者の流儀」イベントに登壇しました。


西村 航氏
プロフィール
西村 航 日本オラクル株式会社 タレントアドバイザー
前職では、人材紹介会社を立ち上げ、SNSを使った母集団形成を行っていた。2015年に日本オラクル入社。新卒採用を2年経験し、現在は中途採用を担当し3年目を迎える。

もともと、前職の人材紹介会社でSNSを通じて候補者にコンタクトをとっていたという西村氏。「SNSを使って直接コミュニケーションがとれる時代に、人材紹介会社の介在価値はあるのか」と疑問を感じていたといいます。企業と候補者が直接やりとりできれば、情報連携もよりスムーズになるだろうと、日本オラクルの採用手法変革にもすっと入っていけたそうです。

「ダイレクトリクルーティングへのシフトにより、社内リクルーター8名で、候補者を探して母集団を集め、入社まで担当することになりました。スピード感をもって対応できるようにまず行ったことは、部門トップを変えること。人事畑出身者ではなく、外資系エージェントを歴任していたマネージャーをトップに置き、エージェントの考え方でリクルーティングできるようにしました。候補者を自ら探してきて動機づけし、部門のハイヤリングマネージャー(採用責任者)をコントロールしてクロージングまでできる。そんな人材が活躍できるよう、体制を変えていきました」

西村 航氏

ダイレクトリクルーティングが行える組織にするために、リクルーターができることは、
  • 1. 候補者のコントロールができること
  • 2. 部門のコントロールができること
  • 3. オファーを出したあとの、候補者のコントロールができること
の3つだと西村氏は話します。「採用をスムーズに進めるためには、トップはもちろん、部門の理解も重要です。候補者は主にLinkedInやビズリーチ・ダイレクト、リファーラル経由でコンタクトをとり、面談はすべて電話で行います。電話で基本的なスキルや経験の確認、当社でどう活躍できるかといった動機づけを行い、フィットすると考えれば部門に紹介します。

部門とのコミュニケーションで大切なのは、市場感を共有することです。部門は理想の採用人材像を描きがちですが、期待値が高すぎると、そもそもマーケットに候補者がいないということになりかねない。部門に交渉して、どのスキルが必須なのか、ターゲット層を広げるとしたらどこを妥協できるのか、すり合わせることは欠かせません。

最終的には、競合他社から当社が選ばれるよう、リクルーターがクロージングをしていきます。入社時期や希望年収など情報収集に時間をかけ、交渉の余地を残すことが大切。とくに給与は採用決定を左右します。候補者の希望年収が分かった段階で、部門責任者に『この方を採用したいのなら、年収は○○万円まで上げないと難しい』と伝えています。あらかじめ市場感を理解してもらえていないと、年収を上げる必然性が伝わらない。だからこそ、部門との情報共有は非常に重視しています」

西村 航氏

ダイレクトリクルーティングに大きくシフトチェンジしたことで、コスト削減以外のどんなメリットがあったのか。西村氏は、3つのポイントを挙げています。

「まずは、採用スピードの向上です。例えば、『3カ月後までに40名の営業を採用したい』という求人ニーズが急遽発生しても、『3週間以内にクロージングしよう』などと、リクルーター側でスケジュールをコントロールできます。部門との連携がうまくいっていれば、面接回数を調整するなど時間短縮も図れます。また、当社の魅力を一番よくわかっている自分が動機づけできるので、オファー後の辞退率が減少。さらに、入社後のミスマッチの減少にもつながっています」

ただ、入社後の教育体制、研修強化などはまだ途上段階であり、「リクルーティングだけではなく、入社後の活躍までを追える部門横断の取り組みが必要」と話していました。

セミナー会場には、人事・採用担当者約30名が集まり、さまざまな質問が飛び交いました。そのうち、いくつかをご紹介します。

西村 航氏

Q. 確実なクロージングのために工夫していることは?

A. スカウトを送る段階から「あなたのサポーターである」というスタンスで接するようにしています。初回の電話面談でも、転職アドバイザーとして客観的な情報提供を心がけます。信頼関係を構築することで、クロージングで「ぶっちゃけ、どうですか?」という会話ができるようになるのだと思います。

Q. 部門との調整、とくに年収交渉は難しい問題だと思います。スムーズに進めるために行っていることとは?

A. その採用ポジションに対して、採用期間がどれくらいかかっているかを数字で示し、採用の難易度を伝えます。見つからない期間が長いほど、現場に負担がかかる。見つからないのだから年収を上げるべきだというロジックを、エビデンスベースで構築しています。「採用の責任は部門にあり、リクルーターは採用できるようサポートする役割である」という価値観を社内に共有することが大切だと思います。

Q. SNSを使ったダイレクトリクルーティングのコツとは?

A. LinkedInでは「あなたのプロフィールを読んでいますよ」というカスタマイズしたメッセージを送っています。これはビズリーチ・ダイレクトでももちろんそうで、経験を読み込んだ内容を送ることは、シニア層にはとくに有効だなと感じています。Twitterも使いますが、こちらはスカウトという認識ではなく、直接応募への流入を増やすマーケティングツールとして使っています。前提として、SNSにおける人脈はタレントプールだと考えています。将来何らかのポジションにフィットする可能性を見越して、ゆるくつながっておきたい。会社の魅力を知るリクルーターとして、転職潜在層には説得すればいいと思います。

Q. 採用部門のニーズの変化はどう把握していますか?

A. 新しい採用ニーズが決まったら部門責任者ともキックオフミーティングを行い、部門の組織構成の現状、人材流出があるかどうか、今後の動きなど情報収集を密に行っています。出社は月に数回なので、基本はオンライン会議です。働き方は個々の自由に任されているので、オンライン・オフラインどちらでも構わないスタンスはやりやすいですね。同時に、市場環境は絶えずチェックし、競合他社がどれだけ人材流出しているかなどを部門にもフィードバックできるようにしています。

ダイレクトリクルーティングのみの採用、電話での面談、リクルーターへのインセンティブ制度などの新しい取り組みの数々に、セミナー参加者も熱心に話を聞き入り、最後まで多くの質問や相談が寄せられていました。

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