オンライン面接(Web面接)のお悩み8選【ビズリーチ ユーザー会レポート】


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新型コロナウイルス感染症の拡大によって、採用や選考のプロセスのオンライン化が進み、企業の採用活動のあり方は大きく変化し始めています。オンライン面接のメリットを実感している企業が増えてきている一方で、はじめての取り組みに戸惑いや不安を抱えている企業も少なくありません。

そこでビズリーチは、オンライン面接に関心を持つ企業向けに、2020年4月17日、22日、23日の3日間にわたってオンラインでユーザー会を開催。以前より、海外の候補者の方や遠方に居住しているため来社が難しい方と面接を実施するために、積極的にオンライン面接を取り入れてきたビズリーチのノウハウを共有しました。

この記事では、ビズリーチのユーザー会で実施したQ&Aセッションで参加者から寄せられた、オンライン面接にまつわるお悩みをご紹介。株式会社ビズリーチの人財採用部で部長を務める今村慎太郎が質問に回答しました。

回答者のプロフィール
今村 慎太郎 株式会社ビズリーチ 人財採用本部 人財採用部 部長
2013年にビズリーチへ入社。ビジネス開発部門にてセールスに従事し、社内表彰制度で全社MVPを受賞するなど、セールス職として活躍した後、ビズリーチ事業におけるセールス部門の部門長に就任。その後、新卒採用部の部長やキャリア採用グループのマネージャーなどを経て、現在は部長として人財採用部を統括。

オンライン面接の「見極め」「入社意欲の向上」に関するQ&A

「本当にこの候補者が自社にマッチするのか、見極めの難度が上がった」「入社意欲が向上しているのか、対面よりも読み取りづらくなった」という方も多いのではないでしょうか。まずは、従来の対面での面接との違いを把握し、工夫できるポイントを押さえておきましょう。

Q1.オンライン面接を行う際、「見極め」で気を付けていることはありますか?

当社ではオンライン面接を実施するに当たって、オンラインとオフラインの面接の「違い」を詳細に分析しました。オンライン面接では何ができて、何ができないのかといった点です。

そこで気づいたのは、その方の過去の経験に基づくスキルや志向性が自社の要件定義に合っているかどうかの見極め方は、対面での面接と変わらないということ。また、ストレス耐性に関しても、過去の業務経験でどう対応したのかを聞くことで見極められると判断しました。

ただ、面接においては表情やしぐさ、体の動きから、候補者の心理や芯の強さなどを読み取ることが多々あります。対面であれば、同じ空間にいることで感じ取れていた細かい体の動きが、画面越しでは確認しにくくなったため、オンライン面接では画面越しに表情や目の動かし方といったところを注視するようにしています。

また、1回のオンライン面接では候補者の心理や芯の強さを十分に把握できないので、面接機会も増やしています。複数名が多面的に候補者と接点を持つことで、本当に自社に合っているかどうかの見極めに役立てています。

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Q2.「入社意欲」を上げるという観点で工夫していることはありますか?

大きく2つあります。

1.面接回数を増やす

「見極め」の部分でも触れていますが、面接回数を増やすことは候補者に「会社や社員の雰囲気」を伝える意味でも非常に有効だと考えています。

当社の場合、リモートワークによって時間的拘束が少なくなったことで、経営層との面接をセットしやすくなり、「ぜひ当社でご活躍いただきたい」という熱意を、経営層が候補者の方に直接お伝えする機会を増やせるようになりました。また、配属予定のチームの雰囲気を伝えるため、チームメンバーをオンライン面接に呼んで、そろって参加してもらう面接も実施。チームの雰囲気を伝え、歓迎しているムードを感じ取ってもらうという工夫も行っています。

これまで一対一で向き合う面接が多かったですが、部門長とマネージャー、マネージャーとメンバーなど、チーム内の普段のやりとりや自然な姿を見せることができる点は、オンラインならではの魅力だと感じています。

2.「オフィスツアー」をオンライン面接内でも実施

候補者の方にとって、一度もオフィスを訪れずに入社を決めるのは勇気のいることだと思います。そこで当社は、Web会議ツールの背景画像に、会社のエントランスや社内風景、社員が実際に働いている様子、候補者がエンジニアの場合は、支給するPCやチェアといった設備など、オフィスの写真を複数用意し、オンライン面接の時間を使って「疑似的なオフィスツアー」を実施しています。写真は簡単に用意できますし、候補者が不安に感じていることをリアルタイムにくみ取ることができ、候補者の入社意欲の向上につながっています。

オンライン面接での「面接官」に関するQ&A

面接官がオンライン面接に慣れていない場合に大切なのが、面接における社内ルールの整備などの事前準備です。質問項目や評価基準を事前に社内で統一することで、オンライン面接の経験が少なく、それ自体に「抵抗感がある面接官」も対応できるでしょう。

Q3.面接官側の振る舞いや伝え方で気を付けていることは何ですか?

できる限りゆっくり話すようにしています。また、ゆっくり話すだけでなく、一言一句聞き取りやすいように滑舌よく話し、伝えることも意識していますね。

立ち居振る舞いについては、なるべくリアクションを大きくする、そしていつもよりリアクションの頻度を増やすことを大事にしています。候補者に表情の変化で反応しているつもりでも、画面越しだと分かりづらいということが多々あるので、「あなたの言っていることは伝わっていますよ」と丁寧にリアクションするようにしています。

Q4.面接をオンライン化したことで、面接官向けにトレーニングはしていますか?

特に「オンライン向け」という意味でトレーニングを増やしてはいませんが、ベースとして「構造化面接法」「コンピテンシー面接」といった面接手法を共有しています。面接の場では、自社に合う・合わないを雰囲気で判断するのではなく、なぜ自社に合うのかを具体的な事実に基づいて判断できなければなりません。

これまで「見極める」うえで感覚的にしていたことを言語化し、質問項目を社内でそろえる。そして要件を共有することで、誰が面接しても同じ評価ができる状況にしています。これはもともと対面での面接でもできていなければならないことですが、オンライン化によって、より属人的な解釈の余地がないような質問方法やテキストの記載の仕方を見直すきっかけになっていると感じています。


Q5.オンライン面接に抵抗を感じる面接官がいたら、どう説得すればいいのでしょうか?

当社では昨今の情勢から、「候補者の心証や会社に対する印象を下げることにつながるので、このタイミングではできる限りオフライン採用はしない」という判断で採用活動を進めています。ただ、そうはいっても全ての採用をオンラインに置き換えるのはなかなか難しいことです。そこで大切になるのは、人事として「オンラインで実施する意義」を正しく理解し、それを社員に認識してもらうことでしょう。

採用のオンライン化は、募集ポジションを改めて見直す機会にもなります。たとえば、今このタイミングで採用機会を逃し、時期をずらしてオフラインで面接しても間に合うポジションなのか。それとも、オンライン面接を設定してスピーディーに採用すべきポジションなのか。事業長や経営チームと合意して必要性が高いのであれば、「待っている時間はないので、オンライン面接で対応しましょう」と説得できます。この機会に、採用ポジションの重要度や緊急性について見直してみてはいかがでしょうか。

選考プロセスのオンライン化による「変化」に関するQ&A

「来社」という制約がないオンライン面接は、企業と候補者の双方に新たな付加価値や機会創出をもたらしています。オンライン化によって得られるメリットをうまく活用し、採用成功につなげましょう。

Q6.オンライン化してから質問するようになったこと、オンライン面接だからこそできる会話などはありますか?

冒頭の10分、15分は、アイスブレークとして必ず雑談の時間を設けるようにしています。最近ですと、新型コロナウイルス感染症の拡大によって職場や家庭環境が変わってしまった方も多くいらっしゃるので、これまでと今の働き方、ご家族の状況、現状の不安など、従来、話題にしにくかったテーマについても、意見を交わす機会が増えています。

また、刻々と状況が変化している今だからこそ、候補者がどんな情報にアンテナを張っているのか、どんな領域に興味を持っているのかについても尋ねるようにしています。深い質問ができるようになったことで、スキル面の判断をすることが大きかった従来の面接より、候補者の人柄を把握しやすくなっているように感じています。

Q7.採用をオンライン化して良かった点はどこだと思いますか?

これまでオフラインで工夫してこなかったことを、オンラインで工夫するようになったのは良い点だと思います。たとえば、Q2で紹介したチームメンバーとの面接や疑似的なオフィスツアーなどは、実は対面での面接でもやろうと思えばできた施策です。しかし、採用がオンラインに切り替わったことで、これまでできていたことができなくなり、「候補者に十分に情報が届いていないのではないか」「自社をもっと理解してもらうにはどうしたらいいか」と、改めて採用のあり方を見直すきっかけとなりました。工夫すべき点を洗い出すチャンスとなったことは間違いないでしょう。

また、オンライン化に伴い、時間的制約が軽減されたことで、面接設定できる幅や選択肢が増えたことは大きなインパクトとなっています。当社の場合、これまでは候補者が仕事を終える夜の時間帯に面接を設定することが多かったのですが、今は従来だと通勤時間に充てられていた朝や、ランチの時間を使えるようになり、互いに柔軟に対応できるようになっています。

「構造化面接法」や「コンピテンシー面接」を活用し、質問項目や評価基準をあらかじめ決めておけば、30分という短時間の面接であっても見極めは十分に可能ですし、効率的に選考を進めるうえで、オンライン面接は今後、非常に有効な手段となっていくと実感しています。

Q8.「アフターコロナ」の採用はどうなっていくと考えますか?

今後、会社の魅力を伝える手段がオンライン化していくのは避けられないことでしょう。実際、新卒採用においてはすでに、多くのオフラインイベントがオンラインに移行するなど、その流れは加速しています。

オフラインだと100名ほどしか集客できなかったイベントが、1,000名の視聴者を獲得できる。地方や海外の学生も含めて接点を創出できる。そうした、これまでになかった新たな体験・価値が、採用のあり方を変えていくと感じています。

一方で、オンライン化するからといってこれまでのやり方を丸ごと変える必要はないと考えています。どう伝えれば候補者に理解してもらえるのか、求められる情報に応えられるのか。そして、候補者が自社に合うかどうかをどう見極めるのか。そのベースは、対面での面接や採用手法と変わりはありません。変化の激しい今の時代に採用力をいかに高めていくべきか、ビズリーチとしてこれからも企業様と一緒に考えていきたいと思っています。

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オンライン面接を「採用のあり方」を見直すチャンスに

採用のオンライン化が進むにつれて、企業にとってはもちろん、候補者にとっても新たな付加価値が続々と生まれ始めています。自社の採用のあり方や課題を見直す一つのきっかけとして、オンライン面接を活用してみてはいかがでしょうか。

<オンライン面接で工夫できるポイント>
・候補者の心理や芯の強さを読み取るためには、画面越しの表情や目の動かし方をチェックする
・チームメンバーをオンライン面接に呼んだり、疑似的なオフィスツアーを開催したりして「入社意欲」を上げる
・面接官はリアクションを大きく、そしていつもより頻度を増やす
・感覚的に実施していたことを言語化し、質問項目や評価基準を社内でそろえる
・募集ポジションが、オンラインでスピーディーに採用すべきなのか見直す
・アイスブレークは10分から15分ほど設け、候補者の人柄をつかむ
・通勤時間に充てられていた朝やランチの時間も使って、柔軟に面接を設定する

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著者プロフィールBizReach withHR編集部

先進企業の人事担当者へのインタビューや登壇イベントなどを中心に執筆。企業成長に役立つ「先進企業の人事・採用関連の事例」や、 事業を加速させる「採用などの現場ですぐに活用できる具体策」など、価値ある多様なコンテンツをお届けしていきます。