インタビュー
2020/09/02

候補者一人一人との出会いを大切にする企業として。人事と現場の連携強化により、ダイレクトリクルーティングが加速

候補者一人一人との出会いを大切にする企業として。人事と現場の連携強化により、ダイレクトリクルーティングが加速

<HR SUCCESS SUMMIT アワードとは>

即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」、採用管理クラウド 「HRMOS(ハーモス)採用」の利用企業のなかから、企業成長のために人事・採用を変革させ、先進的な取り組みを行った企業を表彰するものです。2020年度のHR SUCCESS SUMMITアワードにて受賞された、株式会社資生堂様にインタビューさせていただきました。

 

<受賞理由>

部門の採用責任者を巻き込み、全社でダイレクトリクルーティングを実施

 

<受賞企業 ご担当者様プロフィール>

人事部ビジネスパートナー・採用室 室長 辻田英俊

辻田 英俊 様
株式会社資生堂 人事部ビジネスパートナー・採用室 室長

 

人事部ビジネスパートナー 坪根雅史

坪根 雅史 様
株式会社資生堂 人事部ビジネスパートナー

1. 海外の売上比率が増加。HR体制を刷新する必要があった

――資生堂の2019年度の採用活動について、その背景と併せて教えてください。

辻田:この数年で、毎年かなりのペースでキャリア採用の人数が増えており、2019年度の採用数は前年度の2倍に達しました。その背景にあるのが、海外売上比率の増加にともなう、専門性をもった経験者採用のニーズでした。

Head Quarter(以下、HQ)機能を中心として、研究開発、マーケティング、経営企画、法務、IT、ファイナンス、HRなど、社外特にグローバルビジネスにおける経験と実績を備えた専門的な人材を迎え入れる必要があったのです。

――採用人数の増加と人材の質の変化。その対応には人事の組織改編が重要ですね。

辻田:表計算ソフトやメールでの候補者管理では進捗漏れや情報共有に手間やロスが発生することが懸念され、体制強化として「担当者を増やす」だけでは限界がありました。

そこで、まず採用管理システム(ATS:Applicant Tracking System)の導入を検討し、複数企業の提案のなかから、2017年秋に株式会社ビズリーチが提供する「HRMOS採用」の利用を開始しました。HRMOS採用により、外部パートナーさんから紹介される候補者情報の管理・運用上の煩雑さが格段に減りました。

加えて、戦略的に採用マーケティングを進めていくには、役割分担が重要です。もともと採用は人事部の仕事という要素が強かったように思えるのですが、採用ポジションの責任者をHiring Manager(以下、HM)として採用要件を確実にして、選考プロセスに一貫して関わってもらうように変化しました。

2019年からは、HQにおいてHRビジネスパートナー(以下、HRBP)といわれる経営幹部と共に、組織や事業に合わせながら人事戦略を設計し、ビジネス目標達成を人事の側面からリードする役割を設置し、HRBPが採用業務を兼務する体制へ。さらに、前後して採用活動をサポートするCoordination & Sourcing(以下、COSO)の役割を置いています。

2020年からは、HRBPが兼任していた採用業務を、Talent Partner(以下、TP)として切り離し、募集から入社、定着まで、候補者体験の向上に取り組む体制へと変更。また、コーディネーターは候補者およびHM、それから人材紹介会社との日程調整、加えて進捗管理を通じた効果的なコミュニケーションでプロセス全般のバックアップを行い、TPがCandidate Managementに専念できる体制を担保しています。

これは、TPがコーディネーション業務まで担ってしまうと、どうしても時間がとられるため、結果として候補者のケアができなくなり、候補者体験の質が下がってしまうからです。この体制にしたことで、COSOと現場のHMの連携が加速し、より成果につながるようになりました。

弊社では、採用活動において「リクルーター」という言葉は意図的に使っていません。これは「リクルートする」という行為には一般的に「候補者をたくさん集めてくる」というイメージがあるためです。われわれは、候補者と2~3年かけて関係構築し採用に至るケースも少なくないため、「Talent Partner(TP)」という表現の方が適切だろうと考え、変えていきました。

2. キックオフミーティングの実施で、現場のマインドチェンジを進めていった

――現場との連携を強めるにあたり、どんなことをしましたか。

辻田:まずは、採用活動に対し、「ともに取り組んでいこう」と思ってもらうために、「キックオフミーティング」を必ず実施し、まずはHMに細かくヒアリングしながら、ジョブディスクリプション(職務記述書・求人)を作成してもらう流れを作りました。

HMにはどんな経験・スキルのある人をどれくらいのレイヤーで採用したいのか、どういう経路で誰が採用決定するのかを決めてもらい、キックオフまでにジョブディスクリプションのベースを共有してもらいます。人事部側はその内容に応じて、ビズリーチ・ダイレクトなどからざっくりとサーチをかけた「候補者リスト」を持参し、HMにより具体的なイメージを持ってもらいニーズのすり合わせを進めていきました。

これにより、採用活動の初期の段階で候補者リストを見ながら「こんな人がいるので、アプローチしていきましょう」と具体的な人物像を作っていけましたし、ジョブディスクリプションの内容によって、検索結果の精度や候補者数は変わることが可視化されました。こうしたサイクルを重ねることで、「人材要件が詳しければ詳しいほど、求める人材にたどり着ける」という手触り感を現場と共有できたのではないかと思います。

坪根:ほかにも、ビズリーチの担当の方に求める人材の定義の詳細を話すために、ポジションや組織の情報を現場にヒアリングする機会が増えました。それによって、人事と現場のコミュニケーションが増加し、その積み重ねで現場側のマインドセットが生まれてきたと思います。

3. 面接でのキャッチボール、フィードバックを繰り返し、HMのスキル向上へ

――選考プロセスでの現場との連携はどう進めていきましたか。

辻田:HRMOS採用の導入により、HMがオーナーシップをより強く持ってくれるようになった、と感じます。HRMOS採用では、「自分が担当した候補者データ」がたまっていきます。つまり採用活動の実績が残るようになります。それぞれが「自分ごと」として動くようになりますし、何か確認したいときに「HRMOS採用を見てください」の一言で情報共有できるのは、すべての面においてではありませんが、現場との連携を深めるうえで非常に有効でした。

面接担当者のスキル向上も課題でしたが、ビズリーチからいただいた面接マニュアルをさらに自分たちでカスタマイズして現場に配るなど、少しずつレベルアップを図ってきました。

HMが積極的に動けば採用できる――。その体制を数年かけて作ってきたことで、「候補者の入社意欲を高めるのは自分たち面接官」という意識が現場にも広がり、能動的に取り組むカルチャーができていきました。今も面接マニュアルは、管理職になりたてで初めて面接を行う社員には渡しています。

坪根:面接においては「習うより慣れよ」というスタンスも大事にしています。人事部やHMが面接に同席する際は、最初の20~30分ほどは人事部側で面接を進行し、見本を見せるようにします。一緒に成長していくイメージですね。

辻田:初めて同席するHMからは「かなり細かく質問するんですね」と驚かれるのですが、「聞かないとわからない」ことはたくさんありますし、きちんと聞くことでスキル面についてはしっかり理解できます。そういった説明をすると、「確かにそうですね」と納得して、次の面接に取り組んでもらえるため、質問の精度向上にもつながります。

――現場を巻き込んだことで、採用成功以外にどんなメリットを感じていますか。

辻田:HMが「自分たちの仲間を自分たちで選ぶ」というオーナーシップを感じてくれることで、入社後の受け入れ体制にもかなり影響してくるでしょう。実際に入社者のサーベイ結果から「適切な人材を適切なポジションに迎える」ことの重要性を、会社全体がより認識してきていることが数字に出ています。

また、効果のあらわれとして、もともと少なくはなかったのですがリファーラル採用が自発的に増えていることが挙げられます。当社の採用は、2016年度までは人材紹介会社経由の割合が大半を占めていましたが、その後スカウト型サービスを含めた企業から直接アプローチする採用の割合が30%前後と年々増えています。

2019年度には、人材紹介会社や媒体を活用しない採用活動のうち30~40%がリファーラル採用となり、入社者がまた新たに紹介してくれるケースもあります。特にインセンティブなどを設けていないにもかかわらず、これだけ増えている背景には、現場の「自分たちで採用していく」というマインドの変化があると思います。

4. 「この採用プロジェクトに携わっている」という意識の醸成がもっとも重要

――今後の採用課題で取り組んでいきたいことはありますか。

坪根:今後組織がもっとグローバル化していけば、役員候補や部門長候補のポジション専門のダイレクトリクルーティングチームを作ってもいいのかと思っています。

辻田:ただ、そうした採用ニーズに対してすぐに採用することが難しいポジションも多いので、後追いにならないように、タレントプールのデータベース化が重要になってきます。

TP同士は日頃から「この職種の経験者を採用したい。以前、アプローチした方がいたよね」「あの人にもう一度連絡してみよう」といったやりとりを重ねています。それぞれが持つ候補者の情報をデータ上で確認できるようになれば、今後のスペシャリスト採用をよりスムーズに進められるのではないかと考えています。

――資生堂のように現場との連携を進めたい、という企業や人事採用担当者に対して、動き方のポイントやアドバイスがあれば教えてください。

辻田:採用部門と一緒になって「採りにいく姿勢」を示すことが大事だと思います。候補者になり得る方にはどこへでも会いに行く、という姿勢で対応していますし、業務理解が浅いと思えば「候補者にこういう情報を伝えたいので教えてください」と、現場にすぐにヒアリングに行きます。採用成功のために人事がそこまで落とし込んでいきたいというメッセージにもなりますから、採用をHMと共に進めるTPのフットワークの軽さは候補者のみならず現場にも見せていきたいと思っています。

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関連情報(https://bizreach.biz/media/17913)

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