採用課題
2020/10/08

内定辞退を防ぐには? 中途採用における内定辞退対策をデータに基づき解説

内定辞退を防ぐには? 中途採用における内定辞退対策をデータに基づき解説

採用市場が売り手市場になってきているなかで、企業から候補者に内定を出した後に、内定辞退をいただくことも少なくないと思います。内定辞退は、優秀な人材を逃してしまうだけでなく、時間やコスト面でも大きな問題となります。この記事では、転職者への調査やアンケートの結果から内定辞退を防ぐにはどうすればよいのかを解説し、採用活動で大切にしたいことについても解説していきます。

1. 中途採用の内定辞退率はどのくらい?

マイナビが発表した「マイナビ 中途採⽤状況調査2020年版」によれば、中途採用における内定辞退率は22.1%となっています。業種ではサービス・レジャーの辞退率が33.5%と一番高く、エリアでは首都圏の辞退率が24.2%と一番高い結果となりました。エリア別で首都圏の内定辞退率が高くなったことに関しては、首都圏は求人数が多く、求職者が内定を多く得やすいことが影響していると考えられます。

出典:マイナビ「マイナビ 中途採⽤状況調査2020年版」

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2. なぜ内定を辞退するのか?

応募者はなぜ内定を辞退するのでしょうかを考えてみましょう。エン・ジャパンの「辞退の心理[増補改訂版]」によると、内定後に辞退した理由は以下のようになっています。

出典:エン・ジャパンの「辞退の心理[増補改訂版]」

2-1. 勤務地・給与など条件の折り合いがつかなかった

内定辞退の理由で一番多かった回答は、「勤務地・給与など条件の折り合いがつかなかった」です。応募段階では複数の勤務地候補があって実際の勤務地がはっきりしなかったり、大まかな目安となる給与レンジのみを提示した状態で選考を進めていたりして、実際に話が具体的になった際に折り合いがつかず、内定辞退となるケースが見受けられます。

2-2. 社風が自分に合わないと判断した

選考が進むうちに「社風が合わない」と感じ、内定辞退に至るケースもあります。会社説明会や選考での担当者の雰囲気やエピソードから、ある程度の社風は感じ取れるものです。また、第三者から社風に関する情報を得て、合わないと感じた可能性もあります。

2-3. 他社での選考が通過した・内定が決まった

自社よりも志望順位の高い他社で考通過・内定したことや、自社よりも早く他社の内定が出たことによる内定辞退のケースです。選考のスピードを速くしたり、自社をうまくプレゼンしたりして理解を深めてもらうことで内定辞退が防げる可能性もあるため、もったいない事例だといえるでしょう。

3. 反対に、入社の決め手は何だったのか?

内定を辞退せずに、そのまま入社した方は何が決め手だったのか。リクルートエージェントの転職決定者アンケートやマイナビの転職先を選んだ理由ランキングで、入社の決め手として回答者数が多かった項目について見ていきましょう。

3-1. 経験やスキルが生かせる

現職にて培ってきた経験やスキルが生かせることは、リクルートエージェントの転職決定者アンケートで入社の決め手として一番回答者数の多い項目でした。中途採用市場ではこれまでの経験やスキルを評価されて転職するケースが多いので、納得の結果です。

出典:リクルートエージェント「【転職者調査】転職の「決め手」となるポイントとは?」

3-2. 勤務時間・休日休暇

リクルートエージェントの転職決定者アンケートを男女別で見たところ、女性の62.3%は入社の決め手として「勤務時間、休暇休日等が希望に合っている」と回答しており、男性の38.6%より23.7ポイント高い結果となりました。特に女性は結婚、出産、育児などのライフステージに合わせて勤務時間や休日休暇等を重視する傾向が強いことがわかります。

3-3. 配属される職場の職場長・責任者

また、リクルートエージェントの転職決定者アンケートによれば、「入社を決めるにあたって誰からの影響があったか」という質問に対して44.9%の人が「配属される職場の職場長・責任者」と回答しています。配属先の上司と直接話すことで必要となるスキルや技術を確認したり、すぐなじめる環境かどうかを判断することで入社を決断できたという人が多いようです。

3-4. 前職より給与が上がったから

さらに、マイナビの転職先を選んだ理由ランキングでは、「前職より給与が上がったから」と21.8%の人が回答し、1位となりました。給与が高いとモチベーションが上がることや、結婚・育児・自宅購入などで生活のためにより高い給与が必要となり、転職したという人が多いようです。

出典:マイナビ転職「転職先を選んだ理由&転職後の満足度 徹底調査」

4. データから導き出される、内定辞退を防ぐ方法 

この記事では複数の調査やアンケートから、内定辞退の理由や入社の決め手として多くの人に選ばれた項目を紹介しています。これらの結果から、内定辞退を防ぐ方法を考えてみましょう。たとえどんな対策をしても自社が選ばれないケースだったとしても、選考段階で辞退してもらうことができれば人数の調整がしやすく、採用計画を立てやすくなります。

4-1. 内定辞退の理由として挙げられているものをできる限り排除する

4-1-1. 勤務地や条件面

勤務地や条件面での折り合いがつかないことが理由となる内定辞退は、ある程度避けられない側面もあります。しかし、勤務地や給与などの話を選考中に一切せず、内定後の面談時に初めて開示することは避けた方がよいでしょう。可能性のある勤務地や、具体的な給与の目安を選考中のできるだけ早い段階で提示できれば、応募者としても早めに判断することができます。

4-1-2. 社風のミスマッチ

社風のミスマッチによる内定辞退は、未然に防ぐことができる辞退理由のひとつです。面接で好感度を高めるとともに、説明会や選考で自社の社風が伝わるようなエピソードを盛り込むことで、応募者に自社を理解してもらうよう努めましょう。その際、複数名の現場の社員に話をしてもらうと、より社風が伝わります。ふとした瞬間の社員の表情や、社員同士の気軽な会話など、日常が透けて見えるような場面から応募者は社風を感じ取っているからです。

4-1-3. 他社との比較

他社での選考に通過したり、他社から内定が出たことを理由に辞退されるのを防ぐには、スピーディーな選考で他社に先手をとっていくとともに、自社の魅力をアピールすることが大切です。面接は人材を選ぶ場であるとともに、応募者から選ばれる場でもあります。応募者がどのような基準で企業を選んでいるかを把握して、自社への志望順位が上がるようにPRする必要があります。

4-2. 入社の決め手となる要素をフォローする

経験やスキルが生かせることを実感してもらうには、面接や内定者フォローの場で配属される部門の職場長・責任者と話してもらうことが一番です。配属先の上司は、リクルートエージェントの転職決定者アンケートでも「入社を決めるにあたって影響があった人物の第1位」に挙がっています。

また、勤務時間や休日休暇等についての情報は、こちらから積極的に開示しましょう。定時や定休だけでなく、残業について、有給休暇や連休の取得しやすさについて、産休育休の取得率や復職率、時短勤務についてなど詳細に伝えることが大切です。その際、できる限り内定者の配属される部門の現実に即した情報を提供することで、内定承諾の決め手となる情報を増やしましょう。給与についても同様で、できる限り早いタイミングで詳細な情報を伝えることが大切です。入社後に、役職や年齢に応じて給与がどのように変化するかも伝えられるとなおよいでしょう。

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5. スムーズに内定承諾に至らない理由は何か?

内定を出しても内定承諾を即決せず、承諾までに時間をかける応募者もいます。その間に他社への入社を決められてしまうこともあるため、いかにスムーズに内定承諾を得られるかは採用担当の課題のひとつです。

内定承諾を即決できないのは、「この会社に入ることが正しいのかどうか」という問いに対して、どこか確信がもてないことが理由になっています。確信がもてない理由は「待遇が希望通りではない」、「社風に違和感がある」、「本当に望む仕事ができるのかが不明」、「他社の選考結果を待ちたい」、「このまま転職活動を終えてしまってもいいのか」など、応募者によって異なります。即決できない理由を解決していくためには、細やかなフォローが必要です。

6. 内定辞退を防ぐために、採用活動で大切にしたいこと 

内定辞退を防ぐためには、採用活動中に応募者にどうアプローチするかがとくに重要となります。応募者にアピールし、自社の志望順位を上げてもらうための施策や、内定者フォローについて解説します。

6-1. 採用面接は「誰を採用するかを選ぶだけではない」

採用面接を行う目的は、誰を採用するかを選ぶことと、応募者の自社に対する志望順位を上げてもらうことの2つです。面接の場で企業側が「この人は自社で活躍できるだろうか」と見極めているとき、応募者もまた「この会社で自分は活躍できるだろうか」と見極めています。面接官は、応募者にとって一番記憶に残る存在です。自社をアピールするには、このうえない適任者というわけです。

面接官は、「この人は自社で活躍できるか」を見極める役と、応募者に自社をアピールし、内定の決め手を作る役の最低2名が必要です。見極め役は人事の採用担当者など、面接スキルのある人間が行い、自社をアピールする役は応募者と共通点のある社員や、配属予定の部門長をセレクトして同席してもらいます。

応募者の話を掘り下げるときは、その内容が自社の業務で役立つものか、再現性があるかを確認するとともに、「あなたに興味がある、理解したいと思っている」から掘り下げるのだということをアピールするようにしましょう。

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6-2. 入社を迷っている内定者にはどう接するか?

入社を迷っている内定者には、面接の段階から内定者フォローが必要です。その際、どうにか内定承諾を得ようと強引に話を進めるのではなく、損得勘定を抜きにしてフラットに相談に乗るほうがよい結果を生みます。自社と他社のどちらがいいかを一緒に考えるくらいの姿勢のほうが、本音で相談ができる雰囲気を作り出すことができます。話を聞く人間は内定者と共通点(職歴や持っているスキルなど)がある人を選び、内定者と同じ年齢のころに考えていたことや失敗談などを語ってもらい、心を開いてもらうようにしましょう。

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■参考にした書籍
『採用学』服部泰宏著
『いい人財が集まる会社の採用の思考法』酒井利昌著
『人事と採用のセオリー』曽和利光著

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