採用課題
人事課題
2020/10/06

HRとは?HR業務の領域や求められる能力、キャリアプランについて

HRとは?HR業務の領域や求められる能力、キャリアプランについて

転職サイトや企業サイトなどでよく見かけるHRという言葉は、日本では人事部と近い意味で用いられています。今回の記事では、HRと人事部との違い、HRの業務、求められる能力やHRへの転職、キャリアプランなどについて解説します。

1. HRとは

HRのイメージ

「HR」という言葉は「Human Resources」を略したものです。「Human」は人、「Resources」は資源なので、直訳すると「人的資源」となりますが、意訳すると「人材」となります。転職サイトなどで見かけるHRは、基本的には「人事部」のことを指している場合が多いです。

2. HRと人事部/人事とは何が違う?

日本企業ではHRという言葉を使うときに「人事部」を指していることが多いのですが、その言葉の成り立ちを考えると、HRと人事部には大きな違いがあります。

HRという言葉には従業員を単純な労働力ではなく、会社の資源ととらえているという意味が含まれています。企業が健全な運営をするために必要な人的資源(HR)をどう確保し、整備し、育成し、活用するか、というミッションをもつ部署がHRです。

一方、人事部は採用活動や人事評価、労務管理などをするという業務によって定義されています。

HRはそのミッションによって定義されている部署で、人事部はその業務の機能によって定義されている部署なのです。そのため、HRの業務はとても幅広いものとなっており、ミッションを遂行するために企業全体を巻き混んで包括的な施策を実施することが役割となっています。

3. HR業務の領域

HRが行う業務の領域はとても幅広く、人的資源にかかわることであればどんなことも領域の範囲に入ります。ここからは具体的にHRにどのような業務があるか解説していきます。

3-1. 人事戦略の策定・実行

従業員の力を最大限に引き出し、事業を推進していくためには、人事面での戦略を策定する必要があります。この戦略にはどのような人材をどのくらい採用するかという採用計画や、事業の統廃合の予定とすりあわせながら各部門の人員調整をする配置転換、幹部候補生を長期的な視点で育成していく人材開発計画などが含まれます。

これらの戦略は企業の事業計画や中長期計画、そしてビジョンや企業理念といった企業戦略と連動して策定・遂行されます。企業戦略を細分化して事業戦略や事業を動かすための部門別の戦略に落とし込み、そのために人的資源の観点からどのような戦略が必要であるかを策定・実行することがHRの業務のひとつです。

企業戦略は時流や競合他社の動向、企業が成長サイクルのどのステージにいるのかなど、様々な要因で常に変化します。その変化に迅速に対応し、人事戦略を変化させていくこともHRの重要な業務です。

関連情報(https://bizreach.biz/media/14526)

3-2. 採用

社員・アルバイト・パートなど、人材の採用に関する業務です。優秀な人材を獲得することで、事業の推進に寄与できます。優秀な人材を採用することは、HRの業務のなかでも、トップレベルで重要な業務だといえます。

採用業務は人事戦略に基づいて求める人物像、採用人数、採用プロセスなどの採用計画を立てて実行します。採用広報のためにオウンドメディアを運営したり、求人サービスを利用したり、内定者が入社するまでのフォローを行うことも採用業務です。

3-3. 組織開発・配置・評価

組織開発とは、企業運営のために効果的で健全な組織を開発する取り組みのことです。持続的に成長する組織を目的として、よりよい組織文化を醸成したり、従業員の満足度を高めて組織を活性化させたりします。従業員一人一人にフォーカスするのではなく、従業員間の関係や、部門間の関係に着目して取り組むことが人材育成との違いです。

配置は、従業員を適材適所の部門へ配置し、事業の推進をはかることです。従業員のスキル、適性、ポテンシャル、人間関係、モチベーションなどを総合的に判断し、組織を強化するとともに従業員一人一人がより効果的に力を発揮できるよう取り計らいます。

評価においては、企業ごとの評価基準によってミッションの達成度、従業員の能力や勤務態度、貢献度をはかります。企業戦略や社内状況に合わせて評価基準を改定することも、業務のひとつです。

3-4. 育成

従業員を、組織に貢献する人材へと育てる業務が育成です。企業の人的資源である従業員を育成することで、従業員の能力を最大化し業績へとつなげていくことが目的です。育成においては、自律性や主体性といったマインド面の向上や、業務を遂行するためのスキルアップなどを行います。現場でOJTで育成するのか、HR主導で研修や教育プログラムを利用するのかなどの判断も必要です。育成は従業員本人やその上司とも相談の上で実行していく必要があり、業務は多岐にわたります。

関連情報(https://bizreach.biz/media/14950)

3-5. 報酬・労務・福利厚生・安全衛生・環境整備

報酬についての業務では、従業員の職務、役割や評価に基づいて支払われる報酬を定め、正確に支払うことが重要です。報酬は月例給与、賞与、退職金の3つに大別されます。また、各種の保険料や税金を徴収し、従業員に代わって納付したり、年末調整を行ったりします。

労務・福利厚生・安全衛生・環境整備の業務では、社員の就業に関する管理や、社員とその家族の福利の充実のためのサービス提供、オフィスの安全や衛生の管理、メンタルヘルスや健康管理などを行います。裏方的な仕事ですが、従業員のパフォーマンスを最大限に高めるために、欠くことのできない業務です。

3-6. 現実では兼務する場合も多い

ここまでさまざまなHRの業務を紹介してきましたが、特に中小企業においてはこれらの業務を兼務して多忙を極めている場合も少なくありません。その場合は、業務の一部をシステム化したり、アウトソーシング化することで「手が回らない」状況を避けることができます。

4. HR担当者に求められる能力

業務の幅が広いHRですが、HR担当者に求められるスキルやマインド、資質とはどのようなものなのでしょうか。ここでは7つの要素に分けて説明していきます。

4-1. コミュニケーション能力

HRはさまざまな人と接する機会があります。社内では一般の従業員、役員、労働組合員、社外では学生や中途採用応募者、転職支援サービスの担当者、研修先の講師など、立場や役割の異なる人と円滑にやりとりをするためには、コミュニケーション能力が欠かせません。会社や経営者の目指すところを把握し、人事戦略に落とし込む理解力もコミュニケーション能力に含まれます。

関連情報(https://bizreach.biz/download/remote_saiyo/?trcd=1HRRV0000332_PC_)

4-2. 調整力

コミュニケーション能力とともに必要となるのが、調整力です。社内で人事戦略を遂行するためにも、社外の人と相談をしたり交渉をしたりするためにも、関係する部門などと要件のすり合わせをしていくための調整力が必要となります。

4-3. 洞察力

従業員の状態やおかれている状況を察知したり、採用面接で応募者の言葉や仕草から発せられているメッセージを読み取ったりするためには、洞察力も必要です。また、対人における洞察力だけでなく、社会や法の変化・改正によって自社の体制に問題が生じていないかなどを洞察する力も求められます。

4-4. 正確性、厳格性、客観性

報酬、労務、福利厚生などの業務においては、計算の正確性や期日までに業務を遂行する厳格性が求められます。また、人員の採用や配置において公平で公正な人事を行うという観点からも、正確性や厳格性は不可欠です。主観に惑わされない客観性を保つことも重要です。

4-5. 企画力、クリエイティビティ

採用や育成の方法が多様になり、組織開発においても新しい考え方が次々と生まれている昨今では、市場や時代の変化に即した人事戦略を策定する企画力やクリエイティビティが必要です。

4-6. 専門知識

人事戦略策定のための知識、労務の知識、安全衛生に関わる知識など、HR業務においては必要とされる専門知識が数多くあります。業務によって必要な専門知識は異なります。

4-7. 経営感覚

HRは経営層と協同する機会も少なくないため、経営に近い場所にある部門だといわれています。経営戦略を人事戦略に落とし込み、遂行できるように、経営に関する知識やセンスが求められます。

5. HR業界の範囲

HRは企業のなかで「人事部」に近い業務を担うセクションですが、これらの業務を専門にサービスを提供する企業もあります。どのようなHR関連サービスがHR業界の範囲にあるのか、解説します。

5-1. 採用系

新卒採用、キャリア採用、アルバイト・パート・派遣・業務請負採用などの採用活動をサポートするサービスです。求人募集、人材スカウト、採用コンサルティング、合同説明会やイベントの開催、適性テスト開催、採用代行や採用管理などさまざまなサービスがあります。

5-2. 人材育成・研修系

社内OJTや社内研修ではなく、外部で人材育成や研修を請け負うサービスです。職務に合わせた能力開発やマネジメント力の強化、グローバル人材の育成、中間管理者としての適性検査など、人材育成・研修のプロによる質の高いプログラムが提供されています。

5-3. 人事・労務系

人事・労務におけるHR支援サービスの代表例は人事労務管理システムです。入退社手続き、勤怠管理、情報管理、年末調整、給与計算、マイナンバー管理など、煩雑になりがちで、かつ高いセキュリティが求められる業務をシステム上で行うことができます。

5-4. 人材業界とはどう違う?

HR業界と混同されがちですが、人材業界はHR業界の一部です。HR業界のなかで採用関連に特化したサービスを提供する業界を人材業界と呼ぶことが多く、上で紹介したような採用支援や人材紹介のサービスに加え、人材派遣なども人材業界に含まれます。

6. 近年注目されているHR業界のキーワード

HR業界では時代の変化にともない、HRテックや戦略人事などのキーワードが注目されています。これからHR業界のことを学んでいきたい方が注目すべきキーワードを紹介します。

6-1. HRテック

HRテックは、HRとテクノロジーを組み合わせた言葉。ITの活用によってHRの業務を効率化したり、新たな価値を生み出したりすることです。金融とテクノロジーを組み合わせたフィンテックや保険とテクノロジーを組み合わせたインシュアテックなどと同じように、海外だけでなく日本でも注目の集まる分野です。

具体的には、HRの業務においてクラウドや人工知能(AI)、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、データ解析、ロボティクスなどの技術を用いて採用活動の支援や人事労務管理を行います。たとえば、RPA(Robotic Process Automation)の技術を用いてコンピューターに従業員情報のデータ入力や人事考課情報の入力などのバックオフィス業務を任せたり、AIに人事考課の分析を行わせたりすることができます。従業員の行動データを分析し、高い成果を上げる人材にはどのような特性があるかを分析することも可能です。

また、クラウドサービスを利用すれば、自社のデータセンターにシステムを導入して運用するといった大がかりなことをしなくても、様々な人事労務サービスを利用できます。

このようにして、業務の効率化やバイアスにとらわれない採用・配置・評価などを可能にしていくのがHRテックです。さらに、能力開発などの分野でも、HRテックの活用が期待されています。

6-2. 戦略人事

戦略人事は、戦略的人的資源管理の略語です。これは従来の人事の考え方とは異なり、経営戦略の実現のために経営資源のひとつである人的資源を最大活用することを指しています。HR(Human Resources)の言葉の成り立ちと同様の考え方だといえるでしょう。

関連情報(https://bizreach.biz/media/14526)

6-3. タレントアクイジション

タレントアクイジション(Talent Acquisition)とは、タレント人材(有能な人材)の獲得という意味の言葉です。人材獲得競争が激化するなかで、新規事業を興したり、拡大したりするためにはタレント人材の獲得こそが必要であるという考え方が広まっています。

関連情報(https://bizreach.biz/media/7975)

6-4. アジャイル型人事制度

アジャイル(Agile)は、「素早い」、「俊敏な」という意味。アジャイル型人事制度は、直訳すると「俊敏性のある人事」といった意味合いの言葉です。常に時代の変化に対応しなければならない昨今では、経営戦略の変更にともない人事戦略も迅速に変化・対応させていかなければなりません。こうした迅速な対応によって組織を連続的に変化させていこうとする人事が、アジャイル型人事制度です。

7. HRへの転職とキャリアプラン

HRは専門性の高い職種ではありますが、他職種からの転職は可能です。転職事情や、HRのキャリアプランについて解説します。

7-1. 他職種からHRへの転職

未経験でHRへ転職する場合、採用や労務のポジションは未経験者が応募可能な求人が比較的多くあります。また、社労士の資格をもっていれば、労務の募集で有利に働くことがあります。育成や人事戦略の設計などは経験者募集が多くなっています。

他職種からの転職では、HRに求められるコミュニケーション力や調整力をアピールできる経験があるとよいでしょう。また、採用のポジションは目標を達成できるかどうかも重視されるため、たとえば営業職として目標達成の実績があれば大きなアピールポイントになります。

7-2. HRのキャリアプラン

HR総研が人事責任者・担当者を対象に行った「人事のキャリアに関するアンケート」によると、今後も人事部門でキャリアを積みたいかという問いに45%の人が「ライフキャリアとしたい」と回答し、42%の人が「ある程度人事でキャリアを積みたい」と回答しました。2つの回答をあわせると9割近くの人事担当者が、人事のキャリアを高めることに意欲を示す結果となっています。

ライフキャリアとしたいという回答は特にメーカーで多く見られ、そのなかでも中堅メーカーの人事では「ライフキャリアとしたい」と答えた人が65%と、突出していました。メーカーでは、入社後に異動せずずっと人事畑を歩むというパターンが多いため、その影響もみられると考えられます。

出典元:HR総研「人事のキャリアに関するアンケート」

また、HR経験者が他職種へ転職する場合には、たとえばHRの経験を生かすことができる人事コンサルタントや、経営全体に関わる戦略コンサルタントなどのコンサルティング業は親和性が高く、有利に転職できる可能性が高くなります。

8. HR施策を進めていく上での強い味方

ビズリーチ・ダイレクトは日本最大級の即戦力人材データベースがあり、即戦力人材に直接、継続的にアプローチできます。ぜひ一度、サービスの特徴をご覧ください。

他の転職サービスとの「違い」が3分でわかる

3分でわかるビズリーチ

2009年の創業から、日本の転職市場に新たな選択肢と可能性を創り出してきたビズリーチ。14,100社以上(※)に選ばれた「ビズリーチ・ダイレクト」の特長を紹介いたします。

※累計導入企業数:2020年8月末時点

無料 資料をダウンロードする