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経営課題
2020/10/12

【徹底解説】ダイバーシティとは? 企業や従業員のメリットや事例を紹介

【徹底解説】ダイバーシティとは? 企業や従業員のメリットや事例を紹介

数年前からニュースなどでも多く耳にするようになった「ダイバーシティ」という言葉。この記事では企業におけるダイバーシティとはどういったものなのか、この記事では、

  • ダイバーシティという言葉の定義
  • ダイバーシティが広まってきた経緯
  • ダイバーシティを推進するメリット
  • ダイバーシティの取り組み事例
  • などについて解説していきます。

    1. ダイバーシティとは?

    ダイバーシティのイメージ

    1-1. 意味と語源

    ダイバーシティを英語で書くとdiversity。形容詞「diverse(多様な)」の名詞形で、意味は多様性、相違点など。一般的には「多様性」と日本語に訳されます。

    語源はラテン語で「di:離れて・バラバラに+verse:方向転換する」。verseはvertereが由来で「向きや性質を変える」という意味です。

    企業のなかで「ダイバーシティを推進しよう」という場合には、「さまざまな属性を持つ人材の活用を推進しよう」という意味になります。

    1-2. ダイバーシティには表層的・深層的がある

    日本企業でのダイバーシティというと女性活用のイメージが先行していますが、実際には性別に限った話ではありません。個人が持っているさまざまな属性がダイバーシティの範疇になります。

    個人の属性には目に見えるもの(表層的)と、見えないもの(深層的)があります。

    1-2-1. 表層的ダイバーシティ

    文字通り、外見で識別できるもの。「性別、年齢、人種・民族、年齢、障がい」などが含まれます。

    1-2-2. 深層的ダイバーシティ

    外見からの識別が難しいもの。「性格、考え方、習慣、宗教、趣味、職歴、スキル・知識、コミュニケーションスタイル、性的指向」など、さまざまな内面的特性が含まれます。

    こうした属性は個人で選択や変更ができないものも多くあります。ダイバーシティを推進する取り組みでは、表層だけに限らず、深層にまで拡大することが重要です。

    関連情報(https://bizreach.biz/media/14264)

    1-3. ダイバーシティ&インクルージョンとは

    外資系企業などでは、ダイバーシティとセットで「インクルージョン」という言葉が使われることがあります。インクルージョン(inclusion)は、包括、包含、一体性という意味。ビジネス用語でのインクルージョンは「個々の考え方や能力をいかに活用していくか」という意味で使われ、多様な人材を採用した後の制度や社風づくりに重きをおく考え方です。

    「ダイバーシティ&インクルージョン」とは、ダイバーシティの「人材の多様性を認め、活用する」という考え方に、インクルージョンの「個人を尊重し、効果的に生かし合う考え方」を合わせたものです。日本では外資系企業を中心に「ダイバーシティ&インクルージョン」を掲げる企業も増えつつあります。

    日本企業ではインクルージョンという言葉は使わなくても、インクルージョンを加味した「ダイバーシティ経営」が広まってきています。

    1-4. ダイバーシティ経営とは

    経済産業省によると、「ダイバーシティ経営」とは、「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」とされています。市場環境や技術構造のなかで競争優位を築くために必要な人材活用戦略であり、福利厚生やCSR(企業の社会的責任)ではなく、経営戦略の一環なのです。

    参考:経済産業省「ダイバーシティ経営企業 100 選ホームページ」

    関連情報(https://bizreach.biz/media/syousennmitui)

    2. ダイバーシティが広まってきた経緯

    2-1. ダイバーシティはアメリカで誕生した

    アメリカでは1964年、人種差別の撤廃やマイノリティーへの機会平等化を徹底するための「公民権法」ができました。企業は人種差別による裁判で負ければ多額の損害賠償を払うことになるので、従来のマイノリティー(女性や有色人種)を採用するようになっていきました。

    しかし、法で強制されて採用しても、企業内ではバラバラのまま。そこで80年代になると、人種や性別、価値観などの「違いに価値をおく」という「ダイバーシティ&インクルージョン」の考え方が誕生しました。これが事実上の「ダイバーシティ」の始まりです。

    その後、ビジネスのグローバル化が進行。世界中の多様なニーズに対応する必要性が高まり、ダイバーシティは経営戦略として必要不可欠なものになっていきました。

    参考:東洋経済「ダイバーシティって何?(第2回)–ダイバーシティの歴史的展開と企業のかかわり」

    2-2. 日本でも社会構造の変化により急務に

    日本では古くから、家の外で働く人の多くは男性であり、女性が社会で活躍できる場は非常に限られていました。また、島国という特性から、日本で働く外国人も非常に少ない状況でした。

    ダイバーシティという言葉が日本社会に登場したのは2003年頃。当時の動きは緩やかでしたが、現在はどの企業にとってもダイバーシティの推進が急務になっています。その理由は主に4つあります。

    2-2-1. 少子高齢化

    労働力人口減少と労働力人口構造の変化。今後、働き盛りの男性しか活躍できない会社では、人手不足が深刻化すると従業員が十分に確保できなくなる可能性が高まります。

    2-2-2. グローバル化

    日本では1990年代から国内市場の飽和により、グローバル化が急速に進行。企業の海外進出が増加しました。さらにインバウンド需要で国内企業でもグローバル化は重要課題に。世界中の多様な顧客ニーズに合わせた商品開発やサービス提供が必要になっています。

    2-2-3. 働き方の多様化

    これまでは「終身雇用」や「家庭よりも仕事が最優先」という働き方が主流でしたが、現在は価値観も多様化。特に若い世代で、ワークライフバランスの重視、やりがいや個性発揮の重視、帰属意識の希薄化などが見られます。企業側もそうした変化を踏まえた対応が必要になります。

    2-2-4. 消費の多様化

    日本の消費市場は飽和状態である一方で、個人の消費志向は多様化しています。「一点物」「カスタマイズ」「オリジナル」など個性重視の消費が増加。「モノ」から「コト」の消費に移行して「体験・経験」に価値をおく人も増加しています。多様化した消費者行動に対応する商品を開発していくためには、多様な人材が活躍する企業が有利です。

    3. ダイバーシティを推進するメリット

    ダイバーシティを推進することは、企業側にも従業員にもさまざまなメリットがあります。それぞれ主なものを3つずつ紹介しましょう。

    3-1. 企業視点のメリット

    3-1-1. 優秀な人材の確保

    組織構成に多様性をもたせると、これまで採用条件が合わないために落選させていた優秀な人材を採用できるようになります。育児中の女性、中高年、障がい者、外国人など幅広い属性に優秀な人材は存在するので、門戸を広げることは人材確保の点で有効です。

    3-1-2. 競争力の強化、イノベーション

    多様な人材がいる組織には、多様なアイデアや発想、スキル、知見などが存在し、それらを生かすことでイノベーションを生み出す力が高まります。多様化する消費ニーズに対しても、素早く柔軟に対応しやすくなるでしょう。反対に、チームが同質性の高いメンバーで構成されていると、「グループシンク(集団浅慮)」に陥りやすく、今後も進行する消費者の多様化に応えられなくなるリスクが高まります。

    ボストンコンサルティンググループ)が、世界1,700社を超える企業を対象にした調査では「ダイバーシティが高まれば、企業企業のアイデアや選択肢の幅が広がることにより、イノベーション能力が向上し、財務業績の向上につながる」と明らかにされています。

    参考:ボストン コンサルティング グループ「経営上の必須課題としてのダイバーシティ」

    3-1-3. 企業評価の向上による好循環

    ダイバーシティ経営により、多様な人材が働きやすい環境を整備すれば、以前から働いている従業員もより働きやすい環境になるはずです。従業員の満足度が向上し、外部からもよい評価を受けて企業価値が高まることにより、業績が向上したり、さらに優秀な人材が採用できたりという好循環が生まれます。

    3-2. 従業員視点のメリット

    3-2-1. 企業への心理的安全性が高まる

    人は、自分の「個」を理解して、受け入れてもらえる場所に対して安心感や信頼感を得ます。周囲からの反応におびえることなく、自然体の自分をオープンにできる状態を「心理的安全性」といい、2015年に米グーグル社が「心理的安全性は成功するチームの構築に最も重要なものである」と発表したことで、企業でもその重要性が注目されています。

    参考:Google「効果的なチームとは何か」を知る

    3-2-2. 活躍できる場の拡大

    これまでの属性で決められた業務に固定されず、個人の特性を踏まえた業務分担が可能に。社内全体で適材適所が実現すると、一人一人の活躍できる場が広がります。

    3-2-3. 多様な人からの刺激による成長

    ひとつの企業に長く勤めることで考え方が固まると、視野が狭くなりがちです。仕事のなかで他者との違いを受け入れ、協働していくと、必然と視野も広がります。多様な人と接することは、自己成長にもつながるのです。

    4. ダイバーシティ推進に必要なこと

    ダイバーシティの有益性が明らかであっても、実際に推進していく際にはハードルもあります。多様な人材の採用や積極活用を始めると、組織のなかで、摩擦や対立、誤解、チームワークの不具合、パフォーマンスの低下などが起こりえます。経営側はそうしたネガティブな状況をできるだけスピーディーに解消することが必要です。放置すると、「多様な人材を採用したものの大した成果がないまま、従業員の不満が増大した」という、見かけだけのダイバーシティ経営になってしまいます。

    4-1. 社内のダイバーシティへの理解を広める

    人が自分と異なる価値観を受け入れるのは容易なことではありません。職場で毎日顔を合わせる相手なら、なおさらです。ダイバーシティ経営は、経営と現場の「意識と実践」によって醸成していくものです。全員がダイバーシティを正しく理解し、適切に行動できるように促していく必要があります。

    4-1-1. 管理職を含む研修

    属性の異なる人材を配属すると、価値観の違う者同士で対立や摩擦が起こりやすくなります。また、多様性に関する理解が乏しく、モラルが低い職場では、ハラスメントも発生しやすくなります。まずは経営陣や管理職が研修などを通じて、ダイバーシティのリテラシーを高めることが重要です。

    4-1-2. 従業員への啓発

    従業員への啓発活動も必須です。採用する人材を多様化しても、その多様性を有効化するのは現場となります。従業員のなかには、属性の異なる人材との協働に、ストレスや不満を感じる人もいるでしょう。その人たちが前向きに捉えることができるように、「なぜダイバーシティを推進するのか」という目的を強いメッセージとして社内に発信し、従業員全体を巻き込むことが大切です。

    4-2. 労働環境を整備する

    多様な人材が活躍できる労働環境について法的な整備は進んでいますが、活用レベルは企業によってまちまちです。2020年は、新型コロナウイルスの感染対策として、働き方や勤務地を柔軟にする企業が増加しました。新型コロナウイルスが終息しても、導入した制度を継続、発展させることによってダイバーシティを推進していくことが大切です。

    4-2-1. 育児休業・介護休業の活用

    育児休業や介護休業の制度活用は、「優秀な人材の確保」「長期雇用によるスキル向上」「育児・介護の経験者の視点を生かした商品開発」など、さまざまなメリットをもたらします。しかし、いまだに制度が活用できない企業も多いのが実態です。特に中小企業では、「人手不足の常態化」「長時間労働が当然の社風」「業務の属人化」「対象社員と非対象社員との不公平感」などが阻害要因になりがちですが、これらの解消は各企業の改善努力にかかっています。現在、政府では「男性の育児休業取得の義務化」も検討されています。

    4-2-2. 働き方の柔軟化

    「定時での出社・退社」という働き方を柔軟化すると、育児や介護中の人、持病や障がいのある人なども働きやすくなります。もちろん一般社員も「満員電車を避けられる」「時間を効率よく使える」などのメリットを享受できます。主な制度としては「フレックスタイム制」と「裁量労働制」があり、適切に運用できれば、生産性や従業員満足度の向上、健康維持にもつながるでしょう。

    ※フレックスタイム制
    あらかじめ働く時間の総量(総労働時間)を決めたうえで、従業員が日々の出退勤時刻や働く長さを決定する制度

    ※裁量労働制
    実際の勤務時間に関係なく、あらかじめ労使で定めた時間分は労働したとみなす制度。適用できる業務が限られ、「専門業務」と「企画業務」のみが対象となる

    4-2-3. H4:勤務地の柔軟化

    リモートワークや、サテライトオフィス(本社から離れた場所のオフィス)の導入も、多様な従業員の働きやすさにつながります。コロナ対策としてリモートワークを経験し、「通勤負担の軽減」「育児や介護との両立のしやすさ」「ワークライフバランスの充実」といったメリットを実感した人も多いでしょう。会社に出勤しないため、管理や評価、コミュニケーションなどの難しさは課題ですが、多様な人材の定着や活躍には有効な仕組みといえるでしょう。

    4-3. 公平な評価制度を用意する

    多様な人が気持ちよく働ける環境を整えるためには、従来の働き方をする人も異なる人も「公平」に評価される制度が重要です。

    4-3-1. 個人面談をする

    気遣いのつもりであっても業務に関して「育児中だから無理だろう」「障がい者だからできないだろう」などと、勝手に判断するのはよくありません。偏見や先入観を排除して、個人面談で一人一人に対する理解を深めることが大切です。

    4-3-2. 全従業員を公平に扱う

    マイノリティーを「特別待遇」するとマジョリティー(多数派)の反感を招き、結果的にマイノリティーが居づらくなってしまいます。面談や評価など、会社側からのアクションは公平にしましょう。また、マジョリティーと待遇が異なる場合は、個人への特別待遇ではなく、「誰でもその属性になった際には適用されるもの」として制度化することがポイントです。

    4-4. 長期的な取り組みが効果を生む

    『日本の人事部 人事白書2020』によると、すでにダイバーシティに取り組んでいる企業は49.2%と約半数、今後取り組む予定の企業は24.0%となっています。

    また、「ダイバーシティに取り組み始めた時期」と「ダイバーシティによって実現したこと」のクロス集計を見ると、取り組み開始から5年以内は感じる効果が低く、長期的な取り組みで成果を実感できるようになることがわかります。ダイバーシティ推進は、ロングスパンで取り組みましょう。

    出典:日本の人事部 人事白書2020

    5. ダイバーシティへの取り組み事例

    ダイバーシティの成功事例にはどんなものがあるのでしょうか。令和元年度「新・ダイバーシティ経営企業100選」受賞企業18社から、中小企業の事例を一部抜粋して3社紹介します。

    5-1. 【事例1】株式会社山下組

    三重県、建設業。総従業員48人のうち、女性6人、外国人9人、チャレンジド(障がい者)1人、高齢者4人。人手不足の極まる建設業界で旧来型の労働慣行を打破し、個人の能力開発と労務管理の徹底を基に経営改善を実現。

    5-1-1. 経営課題

    社員の幸せの実現と会社存続に向けた人材育成及び社員が働き続けられる環境整備

    5-1-2. 人材戦略

    目の前の社員の笑顔を増やすための投資で職場環境や労働環境の改善を企図

    5-1-3. 活躍推進の取り組み

    【育成・評価・配置】現場監督による労務管理を徹底、人材配置データの一元管理を実現
    【育成・評価・配置】多能工化を目指し、社員のスキルアップを支援
    【勤務環境】社員の働きやすさを追求し、業界では稀有な「第2、第4土曜日の完全休業」をトップダウンで敢行

    5-1-4. ダイバーシティ経営による成果

    さまざまな取り組みが奏功し、同社の業績は、業務の平準化や元請け件数の増加などと相まって、2019年には2014年と比較して工事粗利益率が3〜4倍に高まっている。現在、ICT(情報通信技術)の全面的な活用(ICT土工)により建設生産システム全体の生産性向上を目指す「i-Construction(アイ・コンストラクション)」の取り組みの一環として設備投資を行い、さらなる業務の高度化を図っている。

    また、働きやすさが向上したこと、社員の育成に注力していることなどから、社員の満足度も向上している。地元での評判も高まり、2020年の春には地元の高校を卒業した学生が新卒入社を予定するなど、人材の獲得と育成、社員満足度の向上が循環しつつある。

    こうした取り組みが認知され、2015年に「ファザー・オブ・ザ・イヤーinみえ“イクボスさん、いらっしゃい!”部門大賞」、2017年には「みえの働き方改革推進企業イノべーション賞」を受賞、2018年には三重県内の「女性がイキイキと働く企業10選」に選定され好事例として紹介されるなど、社会的な評価も高まっている。

    5-2. 【事例2】株式会社エーピーシィ

    愛知県、自動車用プラスチック製外装部品の製造。総従業員52人のうち、女性41人、外国人23人。働きやすい環境整備を進めるとともに、スキルアップ・キャリアアップを図れる仕組みを次々に導入し、品質の安定化と収益向上を達成。

    5-2-1. 経営課題

    品質劣化と生産性低下を食い止めるための改革が必須

    5-2-2. 人材戦略

    人材育成と業務プロセス改革による働きやすさと働きがいの創出へ

    5-2-3. 活躍推進の取り組み

    【採用・定着】経営計画の中心に人材戦略を位置づけ、ターゲットとなる女性社員の採用、定着、育成に注力

    【育成・評価・配置】オープンな企業情報の提供で人材獲得に成功、段階的な育成計画で着実なスキルアップを実現

    【勤務環境】生産工程の見直しで休みやすい環境を実現、言語の壁を越えたコミュニケーションの円滑化

    5-2-4. ダイバーシティ経営による成果

    働きやすい職場環境の構築に加え、人材育成や業務プロセス改革を同時並行で進めたことで、人材の獲得とともに、顧客価値の向上、経営成績・財務状態の向上につながっている。

    人材の確保が容易になり、社員の定着率が高まったことで、生産現場の社員の多能工化と作業の熟練化を実現、クレーム件数も顕著に減少してきた。顧客からは、生産準備や生産管理において定評を得られるようになった。また、財務内容についても、毎期着実な売上高向上を達成し、営業利益率も2期連続10%を達成。経済産業省「ローカルベンチマーク」ツールを用いた財務指標に関する総合評価では2期連続(2018年、19年)A判定になった。経営基盤、財務基盤が安定したことで生産コスト減につながる設備投資も可能となり、顧客のコスト低減への貢献度が増し、当社の売上高向上につながっている。

    2017年には「あいち女性輝きカンパニー」、2019年には「愛知県ファミリー・フレンドリー企業」の認証にもつながるなど、社会的な評価が高まっている。

    5-3. 【事例3】株式会社友安製作所

    大阪府、インテリア・DIY・エクステリア商材の製造販売。総従業員87人のうち、女性62人、外国人3人、高齢者2人。社員相互の強みを認め合い学び続ける機動的な組織で第二創業のインテリア用品SPA(製造小売業)で急成長を達成。

    5-3-1. 経営課題

    カーテンフック製造からインテリア・DIY用品のSPAへと事業転換、新たな市場創出が急務

    5-3-2. 人材戦略

    消費者の潜在的なニーズを具現化し、新たな市場の創出を可能とする自律的な人材の育成及び組織への転換を企図

    5-3-3. 活躍推進の取り組み

    【育成・評価・配置】企業理念と中核的価値観の制定及び経営トップとの密な意識共有を基に業務の方向性を明確化

    【育成・評価・配置】ビジネスネームの使用や多様なITツールの活用により、コミュニケーションの円滑化を促進

    【勤務環境】社員のニーズに応じた勤務環境の改善を行い、多様な社員の働きやすさと働きがいを実現

    5-3-4. ダイバーシティ経営による成果

    2018年の売り上げは12億7,000万円と、2004年の10倍に達している。社員数も年々増加し、2018年には39名となり、離職率の平均も3年間で15%から6%へと減少した。

    現在では日本でもDIYが広まり、インターネットでインテリア用品などを購入する消費者も増加しているが、同社のユニークで高品質な商品は個人消費者以外にも、建築事業者やプロの職人からの受注も4割を占め、安定的な収益確保につながっている。

    また、同社の祖業である線材加工の技術を生かしたデザイン性が高い新商品の開発がベテラン職人によって実現するなど、それぞれの社員の持ち場を掛け合わせたイノベーションが生まれてきている。

    社員個々人が社の成長の方向性や速度に合わせて自律的に成長を果たすとともに、その知識や経験を有機的に結びつける仕組みを構築したことで、新しいアイデアを次々に形にしていくカルチャーが醸成されている。

    出典:経済産業省「令和元年度 新・ダイバーシティ経営企業 100選 ベストプラクティス集」

    6. 省庁のダイバーシティ推進の取り組み

    上記で紹介した「新・ダイバーシティ経営企業100選」は、経済産業大臣が「ダイバーシティ経営によって企業価値向上を果たした企業」を選定、表彰するものです。日本全体でのダイバーシティ推進の取り組みは、主に経済産業省と厚生労働省が管轄しています。

    また、経済産業省は「ダイバーシティ2.0」の浸透・推進にも取り組んでいます。また東証上場企業のなかで女性活躍推進に優れた企業を「なでしこ銘柄」として選定しています。

    6-1. ダイバーシティ2.0とは

    「ダイバーシティ2.0」の定義は、「多様な属性の違いを活かし、個々の人材の能力を最大限に引き出すことにより、付加価値を生み出し続ける企業を目指して、全社的かつ継続的に進めていく経営上の取組み」です。

    日本では、1985年に男女雇用機会均等法、1999年に男女共同参画社会基本法が制定されましたが、「女性の活用」という社会的要請に対して、多くの企業は受け身でした。この段階がいわば「ダイバーシティ1.0」です。限界を感じた経済産業省は、次の段階として2018年3月に「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」を策定しました。中長期的な企業価値の向上を目指して行う具体的な施策として、7つのアクションを提示しています。

    (1)経営戦略への組み込み(トップマネジメントのコミットメント)
    (2)推進体制の構築
    (3)ガバナンスの改革
    (4)全社的な環境・ルールの整備
    (5)管理職の行動・意識改革
    (6)従業員の行動・意識改革
    (7)労働市場・資本市場への情報開示と対話

    参考:経済産業省「ダイバーシティ2.0 一歩先の競争戦略へ」

    6-2. 厚生労働省はさまざまな属性の人々を支援

    厚生労働省は、女性、育児中、闘病中、介護中、性的マイノリティーなど、さまざまな属性の人々を支援し、企業の人材活用を促進。「くるみん」「えるぼし」の認定、「イクメン企業アワード」「イクボスアワード」、テレワーク普及・推進のための「輝くテレワーク賞」などの表彰も行っています。

    6-2-1. くるみん、えるぼしとは

    「くるみん」は、少子化対策を図り、子育て支援など一定の基準を満たした「子育てサポート企業」の証。より水準の高い企業には「プラチナくるみん」の認定もあります。
    「えるぼし」は女性が活躍する優良企業の証で、3段階のレベルがあります。いずれも厚生労働大臣が認定し、認定マークは広告や商品などにつけることができます。採用広告に使用すれば、特に女性やダイバーシティへの意識が高い男性の志望者増が期待できるでしょう。

    参考:厚生労働省「くるみんマーク・プラチナくるみんマークについて」、「女性活躍推進法に基づく認定制度」

    6-2-2. イクメン企業アワード、イクボスアワードとは

    「イクメン企業アワード」は、男性の育児と仕事の両立を推進する企業を表彰するものです。「イクボスアワード」は、部下の育児と仕事の両立を支援する男女管理職=「イクボス」を、企業などからの推薦によって募集し、表彰します。いずれも表彰された企業は採用募集で有利になりますし、一般消費者の好感度アップも期待できるでしょう。

    参考:厚生労働省「『イクメン企業アワード2019』・『イクボスアワード201』の募集を開始」

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