採用課題
公開日: 2020/12/18  

面談のメリットは? 面談を行う意味やゴール設定などの詳細を解説

面談のメリットは? 面談を行う意味やゴール設定などの詳細を解説

採用活動において、求職者との対話の場となっている面談面談を行う意味やメリット、面談をする際のゴール設定とその施策などについて、株式会社人材研究所代表の曽和利光氏にうかがいました。記事の後半では近年の面談の動向についても考察します。

■プロフィール

曽和 利光 氏

曽和 利光 氏

2011年に株式会社人材研究所を設立、代表取締役社長に就任。企業の人事部(採用する側)への指南を行うと同時に、これまで2万人を超える就職希望者の面接を行った経験から、新卒および中途採用の就職活動者(採用される側)への活動指南を各種メディアのコラムなどで展開する。

1. 面談とは

採用活動の中で行われる面談とはどのようなものか、その定義や行われるタイミングを以下の項目で解説していきます。

1-1. 面談の定義

面談は、企業と求職者が対等な立場で情報を交換し合うものです。また、相互に評価を行う場でもあります。対話をしつつ相互に理解を深めていくものであり、面接のように一方がもう一方に質問し続ける形式ではありません。。

1-2. 面談を行うタイミング

面談を行うタイミングは、一次面接など選考が始まる前に行う場合と、面接と面接の間に行う場合の2種類があります。

一次面接などの選考が始まる前に行う場合、主に入社意欲がそれほど高くない求職者を呼び込むことが目的です。スカウトメディアを介したときや、リファラルリクルーティングのときには選考前に面談を行うケースが多くなります。

面接と面接の間に行う面談は、求職者の入社の意向を高めることを目的とする意味合いが強くなります。

2. 面談を行うことのメリット

面談を行うことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。企業側のメリットと求職者側のメリットに分けて解説していきます。

2-1. 企業側のメリット

面談は「気取らずに情報を交換する場」という印象が強いため、求職者は企業側から提供される情報を素直に受け取ってくれる傾向にあります。

人事担当者は採用目標を追うという責任のある立場であるため、求職者は面接において人事担当からかけられる言葉を「本当なのだろうか? 採用目標を達成するために言っているのではないか?」と警戒してしまうことがあります。しかし、一般社員はそうした責任を負っていないため、一般社員が面談の担当者であった場合は、さらに話の信頼性が高いと感じてもらいやすくなります。

2-2. 求職者側のメリット

面談では面接と比較してリラックスした雰囲気で情報交換を行うため、本音が出やすくなります。そのため、求職者はリアルな情報に触れることができます。そうした情報を集めることで、求職者は自分に合う会社かどうかを判断することができます。

面談には合否がないため、必ず次の選考に進めるということも求職者にとってはメリットです。もし面談で何かミスをしてしまっても、次の選考で挽回することができるからです。次の選考というセーフティーネットがあることにより、求職者は思いきった質問をしたり、自身の正直な意見を述べたりして、自然な姿を企業に見てもらうことができます。

就職においてミスマッチが起き、合わない会社に入社してしまうことは、求職者にとっても企業にとっても不幸な状態です。緊張した状態の面接のみで内定を得るよりも、面談である程度自然な姿を見てもらったうえで内定を得たほうが、ミスマッチが起こる可能性が低くなります。

 

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3. 面談を行うことのデメリット

面談を行うことにはデメリットもあります。以下の2つのデメリットについて、解説していきます。

3-1. 選考スピードが遅くなる

採用活動に面談を加えると、選考のスピードが遅くなります。一般的に、採用活動はスピード勝負の側面があり、選考を始めてから2週間〜1カ月で内定か不合格かという結論に至ることが理想的です。しかし、面談を挟むことでその分選考期間が延びてしまいます。その結果、他社に求職者を取られてしまうということもあり得るのです。

ただし、面接と面談を同じ日に行うなどの工夫をすることで、選考スピードを落とさないようにすることは可能です。

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3-2. 素を晒すことが必ずしもいいとはいえない

先ほど面談を行うことのメリットの一つとして、求職者側は自分の自然な姿を見て判断してもらえるという点を挙げました。より本音ベースで求職者と接することができる、というのは企業側のメリットでもありますが、これは程度の問題といえます。素を晒しすぎることが必ずしもよいとはいえない場面もあるでしょう。

現状の素の姿を見せることだけが、相互理解の材料になるわけではありません。企業も人材も発展・成長していくものなので、お互いの未来を見ていくことも重要です。

4. 採用選考において、面談を行うことはどのような意味をもつか

面談を行うことの意味はどこにあるのでしょうか。また、面談を行うことは、どのようなメッセージを内包しているのでしょうか。求職者と企業に分けて解説していきます。

4-1. 求職者にとっての意味

面談を行うことで、求職者は人事担当や一般社員との対話を通して企業の情報を収集でき、入社を検討するための材料を集めることができます。

4-2. 企業にとっての意味

面談を行うことで、企業は求職者の入社する意向を高めるためのリサーチと動機付けを行うことができます。対話を通して入社する意向を高めるためにボトルネックとなっているポイントを探り、その原因を払拭(ふっしょく)するような情報を提供することができるのです。

また、気取らずに対話ができる面談を採用活動に取り入れていること自体が「私たちは、企業と求職者は対等だと考えていますよ」というメッセージを発信していることになります。

5. 面談のゴール(どのような状態を目指すか)

ここからは、面談を実施することで目指したい状態を、企業と求職者に分けて解説していきます。

5-1. 企業側=求職者の不安要素を把握し、払拭する

求職者が自社の求める人材であるかどうかを判断することは当然行っているものとして、それに加えて目指す状態について解説します。それは、求職者の入社する意向を高めるためにボトルネックとなっている不安要素は何かを把握して、その不安を払拭してある状態です。

面談が終わったら、

  • 求職者はどのようなことを気にかけていたか
  • 求職者が感じている不安要素はどのような情報を提供することによって払拭できたか
  • 面談の場でそれらの不安を払拭しきれなかった場合、どのような情報を追加で提供するべきか、もし次に会わせるとしたら誰がいいか
  • こうしたことを整理し、アウトプットして担当者間で共有しましょう。

    5-2. 求職者=聞きにくいことを聞いて、判断材料にする

    求職者が目指すのは、「聞きにくいことを聞いて、入社を検討するための判断材料にする」ということです。面接のようなかしこまった場で聞きにくいことを、気取らない面談の場で聞いてしまうのです。

    面談は合否判定がなく、必ず次の機会が用意されているものです。質問の内容のせいで不合格になることはありません。「ざっくばらんに情報交換しませんか」というスタンスの面談をフル活用し、気になる点はすべて解消しておきましょう。

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    6. 企業が求職者の不安要素を把握し、払拭するためにすべきこと

    企業側の面談のゴールとして「求職者の不安要素を把握し、払拭する」という状態を挙げました。この状態を達成するためにすべきことを、ここで解説していきます。

    6-1. あらかじめ不安要素をリストアップしておく

    求職者から聞き出した不安要素に適切に対処するには、事前準備が重要です。「このことは、求職者が不安に感じるかもしれない」と予想される要素をあらかじめリストアップしておきましょう。

    大体の場合において、求職者が抱く不安要素にとっぴなものはありません。自身が入社したときのことを思い返して、不安だったことを挙げてみたり、最近中途採用で入社した社員に「入社するときに、会社に対して不安に思っていたことは何か」を聞いてみたりして、思いつく限りの不安要素を洗い出します。

    6-2. 不安要素を払拭するための回答を用意しておく

    不安要素のリストを作成したら、その一つひとつに自分なりの回答を用意しましょう。面談の場でよい答えが浮かばずしどろもどろになったり、「ああ言えばよかった」と後から悔やんだりしないで済むように、求職者の不安を払拭するためのトークを考えておくのです。

    求職者の不安要素は、事実である場合と誤解である場合に分かれ、それぞれ答え方が異なります。

    事実である場合、嘘をついたり、ごまかしたりすることなく素直に認めましょう。また、それと同時にその不安要素を解消する動きが社内にあり得ることを、自社の「目標」や「夢」として求職者に語ることが大切です。例えば「確かにそうなのです。ただ、それをよしとしているわけではありません。問題点は会社も認識していて、制度改革のためのチームが先月結成されたんです」といった説明です。また、「確かにそうかもしれません。ただ、我が社にはそれを補う○○という制度があります」と代替策を語ることもできます。

    誤解である場合は即座に否定せず、「確かに、そう思えますね」や、「自分も入社前はそう思っていたんです」などの言葉で、まずは求職者の不安な感情を肯定します。求職者が不安に感じるということは、そういう誤解をさせてしまう何らかの理由が自社にあるのかもしれません。具体的な事実をもとに、一つひとつ誤解を解いていきましょう。

    不安要素を払拭する際は、具体的な数字を使って説明することで説得力が増します。たとえば「とても忙しいと聞いています」という求職者に対しては、「労働時間のマネジメントはかなり厳しくしています。一ヶ月の残業時間が45時間を超えないようにしており、ここ5年の有給取得率は88%です」などと数字を交えて伝えることができれば、求職者側の不安は払拭されやすくなるでしょう。労働時間や産休・育休の取得者数、育休からの復職率、勤続年数など、具体的な数字を覚えておくと役立ちます。

    6-3. 面談では「自己開示」が重要

    面談では「自己開示」がキーとなります。自己開示とは、自分についての情報を相手に打ち明けること。相手の深い話を聞きたいなら、まずは面談担当者側が「深い」レベルの話をしなくてはなりません。

    候補者から一生懸命話を引き出そうとする一方で、自分のことはあまり話さない面談担当者は多いものです。しかし、自分のことを明かさないまま、求職者に対して本心を開示するよう要求するのは無理というものです。

    自分の価値観に関すること、悩んでいたこと、抱えているコンプレックス、どのようにキャリアをつくってきたかなどを、求職者に対してオープンに語っていきましょう。求職者と共通点のある話題を選ぶと、より共感、信頼、好感を得やすくなります。

    面談担当者側から積極的に自己開示を行い、信頼関係を構築しましょう。「この人になら、話をしてもいいかもしれない」と求職者に感じてもらうことで、深い話をする素地をつくります。

    ▼面談時の自己開示については、こちらの記事で詳しく解説しております。▼

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    6-4. 入社動機を聞かれたら、深い話をするチャンス

    自分の情報を明かす「自己開示」をしながら面談を進め、求職者が面談担当者に対して共感や信頼を感じ始め、ある程度気楽に話せるようになると聞かれる質問があります。それが、「○○さんが△△に入社された決め手は何でしたか?」とか、「何がきっかけで入社されたのですか?」といった入社動機を問う質問です。

    この質問は、深い話をするための転換点となります。入社動機を聞かれたら、チャンスだと覚えておいてください。

    6-5. 自分が感じていた不安要素を語る

    入社動機を聞かれたら、自らが抱いていた不安要素を語りましょう。入社前に抱いていた不安や、その不安をどのように解消したのかを話すのです。あるいは、不安に感じていたことがあったけれど、それとは別にこのような点が決め手となって入社することにした、といったような不安を払拭したエピソードでもよいでしょう。

    面談担当者が不安要素について語れば、求職者が不安要素について語りやすい雰囲気を醸成していくことができます。

    入社動機をなかなか聞かれない場合は、こちらから水を向けてみてもよいでしょう。「○○さんは△△な性格だと先ほどおっしゃっていましたよね。そうすると、うちの会社の□□な点が気になるのではないですか?」などと、その求職者が不安に思いそうな要素を挙げてみるのです。

     

    7. 採用活動における面談の動向

    売り手市場から買い手市場に転じつつある現在、面談を取り巻く動向はどのようになっているのでしょうか。

    7-1. 近年は売り手市場が続き、セールスポイントをアピールすることが面談のテーマになっていた

    近年は売り手市場が長く続いていたため、企業は「とにかくうちは楽しいですよ」「いい会社ですよ」「だから一度選考を受けてみてください」とセールスポイントをアピールすることから入り、求職者を囲い込もうとする傾向にありました。

    この記事で解説してきたような、「不安要素を洗い出し、払拭する」面談はリスクが高いと判断され、避けられてきたのです。

    7-2. 2020年は買い手市場に転じ、面談では求職者が自分で企業との適合性を判断するセルフスクリーニングの機能も求められるように

    ところが、2020年に入ると中途採用は買い手市場に変化し始めました。このことで「応募者が増えた」「人が集まるようになった」と喜ぶ人事担当がいることから、この市場は「ぬか喜び市場」と呼ばれています。

    なぜ「ぬか喜び市場」と呼ばれるのかというと、中途採用市場に求職者が増えたというよりは、社会的な不安から求職者がこれまでより応募する企業の数を増やしていることが、応募者が増えた理由だからです。

    買い手市場化していることは確かですが、求職者そのものはまだそれほど増えてはいません。まだ買い手市場だと手放しで喜べるような状態ではないのです。一人の求職者が応募する企業の数が増えれば、それだけ内定辞退も増えることになるため、その点にも注意が必要です。

    しかし、こうして応募者が増えてくると、この記事で触れてきた「不安要素を洗い出し、払拭する」面談も行いやすくなってきます。

    加えて、企業側は最初から求職者の不安要素となり得る要素を提示していき、「あなたが不安に思っていることは、もしかしたら我が社では解消できないかもしれません」というメッセージを発信することも必要になってきます。今後は、ミスマッチ人材に辞退をしてもらうために、セルフスクリーニングの要素を含んだ面談をする必要があるということです。

    現在はコロナ禍で経済的にも不安定な状態が続いているので、今後この買い手市場がどうなるかを注視していくことが求められている状況です。

     

    データでわかる即戦力人材の転職意識・仕事観

    8. 不安要素を払拭するには面談が効果的

    面談を活用することで、企業は求職者の入社する意向を高めるためのリサーチと動機付けを行うことができます。求職者との対話を通して相互に理解を深め、採用を成功させましょう。

    ビズリーチでは、下記の資料でも面談のコツをまとめております。面談時のトーク例も掲載しておりますので、ぜひご確認ください。

    執筆:鮫島 沙織、編集:立野 公彦(HRreview編集部)

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