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公開日: 2021/01/20   最終更新日: 2021/09/21

HRBP(HRビジネスパートナー)とは。戦略人事を実現するためのポイント・事例を紹介

HRBP(HRビジネスパートナー)とは。戦略人事を実現するためのポイント・事例を紹介

企業経営や各事業のビジネスパートナーの役割を担い、人事や組織の面から事業成長をサポートする「HRBP(HRビジネスパートナー)」。人事の戦略性が求められるなか、HRBPが注目されています。今回はHRBPの役割やHRBPの事例、導入のポイントについてご紹介します。

5年後の組織を描き、人材獲得競争に打ち勝つ

人材獲得競争が厳しくなっている今、「必要になってから」人材採用を考えていたのでは間に合いません。より適切な人材を、より効果的に採用していくには、5年後の組織を描いて、その未来に向けた人材採用戦略を立てる必要があります。

本資料では、5年後を見据えた人材採用計画の重要性とポイントの押さえ方についてまとめています。

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1. HRビジネスパートナー(HRBP)とは

変化の速い社会のなかで、企業の成長には、人事領域における「戦略」が必要です。事業を成長させるための採用や育成、配置を戦略的に行う人事を「戦略人事」と呼びます。

HRBPとはHuman Resource Business Partnerの略。人事観点とビジネス観点の両面で事業成長をサポートする役割を担います。日本企業の人事においては比較的新しい概念と言えるでしょう。HRBPは、戦略人事の実現において重要な役割を担います。

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2. HRBPが求められる背景

HRBPが求められる背景

企業が社会の変化に柔軟に対応し生き残っていくためには、労務管理など既存の人事機能だけではなく、人事戦略の立案と遂行ができる機能が必要です。

2018年のHR総研(ProFuture株式会社)の調査では、人事部門に求められている役割として、現在は「人材管理を精密に行う」と「組織・風土改革実行を中心的に担う」、これから求められている役割として「ビジネスの成果に貢献する(戦略パートナー)」という調査結果が出ています。

出典元:人事の課題とキャリアに関する調査 人事の課題【2】「戦略人事」の重要性を認識するも、機能していない現実 /HR総研:HRプロ

3. 人事の4つの機能(デイビッド・ウルリッチ著『MBAの人材戦略』より)

人事の4つの機能

HRBPは、ミシガン大学教授で、人事、リーダーシップ、組織論の分野で数多くの研究成果を発表しているデイビッド・ウルリッチ氏が提唱した概念。1997年に著書『MBAの人材戦略』(原題「Human Resource Champions」)の中で、「人事部門が果たすべき4つの役割」の1つとして提唱したのがHRBPです。同氏は人事の役割を以下4つに整理しています。

3-1. HRビジネスパートナー(HRBP)

企業の目標と合致するよう、経営層のパートナーとして組織・人材戦略の策定を行う人事プロフェッショナル

3-2. 人材管理エキスパート

日本の人事が従来重視してきた労務管理の役割。法務リスクを最小限にし、業務の効率性を高める

3-3. 社員チャンピオン

社員の意見を吸い上げ、社員の意欲を高めるために人事戦略の策定を行う。経営層と社員をつなぐ、社員側の代表的な役割

3-4. チェンジエージェント

人材戦略のもとで、組織における「変革」を推進していく役割。経営者の代理人として現場のメンバーと信頼構築をしながら変革を進めていく

HRBPとチェンジエージェントは、ウルリッチ氏によって初めて提唱された概念であり、日本企業においてはこの2つの担い手が不足していると言われています。

参考:HRビジネスパートナー | BizHint(ビズヒント)

4. 従来の人事とは何が違う?

従来の人事とは何が違う?

従来の日本の人事部は労務管理(※)の側面が強く、現場や経営側から独立して考えられていることもあるでしょう。戦略人事と従来の人事部との大きな違いは「経営戦略と人事マネジメント」の連動が求められること。戦略人事は、経営的な視点を持つことが必要なのです。

※労務管理の例

  • 労働時間や安全衛生の管理
  • 給与・福利厚生計算業
  • 社員のライフイベント等によって生じる必要な諸手続き
  • 社員の募集から採用
  • 社員研修の企画と実施
  • 戦略人事の考え方は、従来の人事の考え方と相互排他的な関係にあるのではなく、両者の視点を併せ持つ人事部が、これからの企業に求められるでしょう。

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    5. HRBPとCHROの違い

    HRBPに近い概念として、CHRO(Chief Human resource Officer:最高人事責任者)という言葉があります。HRBPは「人事のプロ」として戦略的に経営と現場をつなぐ役割であるのに対し、CHROは「経営者の一人」として人事機能の統括を担うという違いがあります。

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    6. HRBPの役割と任命について

    HRBPの役割と任命について

    HRBPには、たとえば以下のような役割が考えられるでしょう。

  • 経営者のビジョンを深く理解する
  • ビジョンを従業員が理解できるよう伝える
  • 従業員や現場の問題点をあぶり出し解決する
  • 疑問が生じた場合は経営者に対して提言する
  • HRBPは経営的、労務的観点で組織を見渡し、見いだした問題点を経営側につなぐことが求められます。そして、収益につなげる経営者のパートナーとしての役割があります。

    よってHRBPには「人事戦略の見識」や「経営的な視点」が必要です。その両者がないと人事部や人事担当者を単にHRBPと呼び変えただけになってしまうことも。

    そのため、HRBPに適任なのは人事部出身者だけではありません。ビジネスサイドにおける活躍人材も含めて、HRBPとして任命するケースがあります。

    参考:HRビジネスパートナー | BizHint(ビズヒント)

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    7. HRBPに求められる要件

    HRBPに求められる要件

    HRBPは経営層や事業責任者のビジネスパートナー。彼らと対等に議論を交わすための知見・知識、そして経営視点が求められます。人事としての経験に加え、たとえば以下のようなスキルが必要でしょう。

  • 人事のプロフェッショナルスキル
  • 高いコミュニケーションスキル
  • 自社のビジネスや、置かれている市場に関する知識・理解
  • これらのスキルを生かし、社内全体に「HRBPには何でも相談できる」という意識を浸透させることで、事業戦略と人事戦略、経営と現場の橋渡し役になるのです。

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    8. HRBPの事例

    ここからは、実際にHRBPを導入している企業事例を紹介していきましょう。

    8-1. カゴメ株式会社

    カゴメ株式会社ではジョブ型をベースとした人事制度への変革にあたり、「生き方改革」を進めています。これまで会社に使いすぎていた時間を個人に戻し、従業員により充実した人生を実現してもらうという考え方です。

    この改革のインフラとしてカゴメは、HRBPを設置しました。「個人の自律的なキャリア開発を支援する」こととしてHRBPの役割を明確化しているのが特徴。人材開発委員会という最高意思決定機関を置き、人事部長と同格ラインにHRBPを設置しています。

    同社では「現場経験が豊富であること」「問題解決能力に優れていること」を要件として、3人のHRBPを抜擢。HRBPは各現場に赴いて社員にヒアリングを行い、各社員の希望をタレントマネジメントシステムに集約したり、人事異動の検討材料として活用したりしているといいます。

    参考:[講演レポート] 戦略人事を実現する~カゴメとグーグルのHRBP事例から学ぶ“経営に資する人事” 株式会社博報堂コンサルティング | 日本の人事部「HRカンファレンス」

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    8-2. 株式会社ディー・エヌ・エー

    株式会社ディー・エヌ・エーでは戦略人事をチームで担うことを心がけており、OKR(Objectives and Key Results:目標と主要な結果)やスクラム開発の発想を取り入れてHRBPチームが運営されています。

    組織開発部部長の菅原氏によると、戦略人事のポイントは「現場との信頼関係」と「経営への理解」。HRBPがコンサルタントのような形で関わってしまうと、経営への理解は示せたとしても現場との関係性づくりが難しいもの。一方で、事業部での経験が深いと現場との信頼関係はつくりやすくても、経営への理解にはたどりつきにくい。そのため両者の強みを身に付けることが、HRBPおよび戦略人事には必要だといいます。

    参考:戦略人事を担うHRBPに求められた2つのこと【DeNA組織開発部部長・菅原啓太さん】 | BizHint(ビズヒント)

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    8-3. ラクスル株式会社

    ラクスル株式会社では、各事業部にHRBPの役割を担う人事メンバーを配置しています。採用などの業務から販管費の管理まで幅広い役割を担っているのが特徴。各事業部のHRBPが採用から人事業務、人件費、販管費まで把握していることで、事業トップが人材や予算の投資判断をする際に「HRBPに相談してもらえればよい」という関係性を目指しています。

    人事部長の城倉氏は「事業視点も持ち合わせ、投資リターンを踏まえた人事戦略を立案できるのが本当の戦略人事」と考えているといいます。

    参考:販管費の管理までも人事はやるべき、事業を深く理解することの必要性 | BizHint(ビズヒント)

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    9. HRBP導入のポイント

    HRBP導入のポイント

    戦略人事を推進するにあたって、重要な役割を担うHRBP。最後に、実際に導入するためのポイントを解説します。

    9-1. 部分導入から始める

    HRBPの役割をすぐに担える人材は、市場を見渡してもごくまれだと言えるでしょう。そのためHRBPを実践するには、社内で育てていく必要があります。HRBP導入の第一歩としては、優先すべき役割やテーマを定め、その解決に取り組んでもらうこと。HRBPとしてのスキルアップや役割の定義につながります。

    9-2. 労務中心の人事部にいきなり導入しない

    先述したようにHRBPには、人事戦略の見識や経営視点が必要です。既存の人事部がもし労務中心の人事部なのであれば、そもそも人事機能の再定義や必要に応じた人員補強から始めるべきでしょう。

    9-3. 人事のプロとして経営者に異を唱えられる人材を登用

    経営者寄りの人材をHRBPに任命すると、経営者の意思を人事に押し付けるだけになってしまう可能性があります。HRBPは、経営者と社員をつなぎつつ、企業の成長を推進できる人材が適任でしょう。

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