採用課題
公開日: 2021/03/11  

面接官の役割、心構え、事前準備やNG行動について。面接での質問例や評価方法も解説

面接官の役割、心構え、事前準備やNG行動について。面接での質問例や評価方法も解説

本記事では面接官の目的やその役割、目指すべき面接官像に加え、面接官としての心構えやNG行動、一般的な面接の流れや質問例などを紹介します。さらに、近年増加しているオンライン面接での注意点についても解説し、面接官を務める際に必要な知識を集約しています。

1. 面接官の目的と役割

面接官の目的と役割

面接において、面接官はどのようなことを期待されているのでしょうか。面接官の目的と、その役割について解説します。

1-1. 面接官の目的

面接官の目的は以下の2点です。

  1. 候補者が自社に合う人物かどうかを見極める
  2. 入社したいという候補者の動機を形成する

面接官の目的の一つめは、「見極め」です。候補者が自社に合う人物かどうか、採用基準を上回っているかどうか、次の選考へ進めるかどうかなどを、面接の場で判断します。

目的の二つめは、「動機形成」です。候補者が企業に求めるものを把握し、それに合わせて自社の魅力をアピールしたり、候補者の不安要素を取り除いたりして、候補者が「入社したい」「この会社ならば、活躍できそうだ」と感じられるよう働きかけます。

参考:酒井利昌著、坂本光司監修『いい人財が集まる会社の採用の思考法』フォレスト出版刊

1-2. 面接官の役割

面接官は「見極め」と「動機形成」の2つの目的を果たすために、フォロワー、モチベーター、インパクター、クローザーという4つの役割を担っています。

面接官の役割分担

候補者に寄り添うフォロワー

フォロワーは、候補者に寄り添い本音を引き出す役割です。候補者の味方になり話をよく聞くことで疑問点などを解消するとともに、良好な関係性を作り、次の採用段階に進みたいと思わせることを目指します。動機形成の役割も担っています。

動機を形成するモチベーター

モチベーターは、主に動機形成の目的を果たすための役割です。自社の魅力を伝え、候補者のモチベーションを高めます。

気づきを与えるインパクター

インパクターは会話を通して候補者に気づきを与え、「ここで働きたい」と強く動機付けをする役割を担います。自社で働く覚悟を問い、最終面接へつなげる見極め役でもあります。

迷いを排除するクローザー

クローザーは見極めを行うとともに、候補者に決断を迫り、採用活動を締めくくる役割です。候補者に不安要素や懸念要素があればそれらを払拭し、入社へ導きます。

それぞれの役割についての詳しい解説は、以下にまとめています。4つの役割を理解し、実施することで面接を強化しましょう。

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2. 優れた面接官とは?どんな面接官を目指すべき?

優れた面接官とは?どんな面接官を目指すべき?

よい面接をしたい、優れた面接官になりたいと思っても、その定義がわからなければ目指すことはできません。優れた面接官とはどのような人か、面接官としてのスタンスや候補者とのかかわり方などから解説します。

2-1. 言語感覚に優れている

面接の場、採用チーム内での情報伝達の場など、採用活動のどのような場でも言葉は重要です。語彙が豊富で、適切な言葉の選択ができる面接官は理想的だといえます。

言葉の扱いが巧みであれば、面接の場で候補者に的確な質問を投げかけ、候補者の考えを導き出すことができます。また、面接の場で感じ取った候補者の強みや特徴といった抽象的な事柄を言語化できます。それらを記録し伝えることで、採用チーム全体で詳細な情報を共有することが可能になります。

2-2. 候補者に対して自己開示ができる

候補者が自社に合う人材かどうかを見極めるためには、面接の場で候補者にできるだけ多くの情報を提供してもらわなければなりません。しかし、一方的に質問を投げかけられても、候補者はなかなか話しづらいものです。特に自身の弱みや現在抱えている不安などの情報は、気軽に打ち明けることができません。

候補者に自分のことを話してもらうためには、まず面接官が自分のことを話す「自己開示」が必要です。候補者が「自分だけが取り調べを受けて、丸裸にされている」と感じることのないように、面接官が自ら進んで自分の情報を提供していきましょう。最初は学生時代の話題や毎日の業務についてなどの表層的な内容から入り、徐々に入社の動機、当時不安だったこと、自分の弱みとどう向き合ってきたかなど、自身の内面に関わる話題へと掘り下げていきます。

2-3. 候補者に関心があり、次々と問いが浮かぶ

候補者に関心をもち、候補者の行動や考え方について「なぜ?」と深掘りしたくなったり、できるだけ詳しく話を聞きたくなったりする性質の人は優秀な面接官となる可能性が高いといえるでしょう。関心の高さや探究心の強さは、候補者を知るための原動力となります。

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2-4. 認知バイアスを認識し、低減させようと意識する

人間の認知は不完全なため、思い込みや周囲の環境によって間違った判断をしてしまうことがあります。陥りやすい認知のゆがみをあらかじめ知り、それを低減させようと意識することで、より公正な判断をすることができます。

以下は、面接時に現れやすいバイアス(先入観や偏った考え)の例でとなります。

ハロー効果

一つの顕著な特徴に引きずられて、他の特徴の評価がゆがんでしまうこと。一つの良い特徴が目立つことで全体が良く見えたり、反対に悪い特徴が目立つことで全体が悪く見えたりします。

確証バイアス

自分がもっている仮説や、自身の先入観に沿った情報ばかりを集めて、その仮説や先入観を裏付けようとすること。仮説や先入観を否定するような情報は無視したり、軽く見たりするという行動も含まれます。たとえば第一印象で「この人は頭の回転が悪いな」と思った場合、それを裏付けるような話題ばかりに意識を集中させて「やっぱりこの人は頭の回転が悪い」と結論づけてしまい、その候補者の頭の回転がよいことを裏付けるエピソードを見落としてしまうことがあります。

親近感の罠

出身大学、出身学部、出身地、経験したスポーツなど、共通点のある人へ無意識に好感をもってしまい、評価が甘くなってしまうこと。

中心化傾向

評価をする際、1〜5段階の3や、「どちらともいえない」といった判定が多くなってしまうこと。候補者の合否を判断する覚悟の欠如や、評価基準の理解不足、判断材料となる情報を候補者から引き出せなかったことなどが原因で起こります。

対比効果

絶対評価ではなく、他の候補者や自分自身の過去と比較して評価してしまうこと。全員合格や全員不合格がありうるという認識をもつことで、ある程度防ぐことができます。

ステレオタイプ

固定観念や思い込みを評定に持ち込んでしまうこと。たとえば、「理系だから論理的思考力に優れる」、「声が小さいので内向的」などが挙げられます。

2-5. 候補者に合わせて質問内容を調整できる

候補者に質問をするときは、事前に用意した質問リストと一言一句同じものを全ての候補者に投げかけるのではなく、候補者の話す内容や反応を見ながら調整することが求められます。どのような聞き方をするかによって、得られる回答の内容や深さは大きく異なるからです。

たとえば、自身の弱みについて語ってもらいたいとき、「自身の弱みをどのようにとらえていますか?」とストレートに聞く方法だけでなく、「あなたの上司はあなたの弱みをどのようにとらえていると思いますか?」と上司の視点から考えてもらうこともできます。また、「これはあまり自分に任せないほうがいい、という仕事はありますか?」という聞き方をすることもできます。

参考:青田努著『採用に強い会社は何をしているか』ダイヤモンド社刊

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3. 面接官の心構え

面接官の心構え

面接官として採用面接に臨む際の心構えは5つ。いずれも、候補者に好印象を与えて、話しやすい環境をつくるために大切なことです。

3-1. 会社の代表であるという気持ちで臨む

面接官は、候補者が出会う数少ない「志望している会社の人間」であり、未来の同僚・先輩・上司候補です。面接官の言動は候補者の動機形成に大きな影響を与えます。「このような人がいる会社なら、入社したい」と思ってもらえるよう、会社の代表であるという気持ちで襟を正して接しましょう。

3-2. 候補者がリラックスして話せる場をつくる

採用面接に臨む候補者は緊張するものです。少しでも候補者がリラックスして話せるよう、面接会場を整えましょう。可能であれば窓のある広くて明るい部屋を選びます。候補者にゆったりと座れる椅子と足元の隠れる机を使ってもらうと、緊張がほぐれやすくなるでしょう。

3-3. 候補者とは選び、選ばれる関係であることを意識する

しばしば見られる面接の失敗例として、面接官が高圧的で居丈高になってしまうことが挙げられます。これは面接官が、「私が候補者を選ぶ立場だ」と誤解していることが原因です。

たとえ面接官が「この候補者にわが社で働いてもらいたい」と思って内定を出しても、候補者が「この会社では働きたくない」と思えば、内定を辞退されてしまいます。面接官と候補者はどちらが上でも下でもなく、お互いが選び、選ばれる立場であることを意識しましょう。候補者のキャリアを応援する気持ちで接すれば、お互いに納得のいく結果を導くことができます。

3-4. 清潔感を大切にする

面接官が候補者をよく見ているのと同じように、候補者もまた面接官をあらゆる角度から評価します。好印象を与えやすいよう外見を整えておきましょう。

加えて、候補者が使用する受付の内線電話のほこりを払ったり、候補者が通る廊下にごみが落ちていないか気を配ったりすることも大切です。日頃からそのような環境がきちんと整っているかを自らの目でも確認しておけば、慌てることはありません。

3-5. 会社全体で「おもてなし」の気持ちをもつ

面接官は、候補者を「おもてなし」する姿勢を率先して会社全体に示し、協力を仰ぎましょう。面接がある日時をあらかじめ社員に知らせ、エレベーターホールやエントランスなど社内ですれ違ったら明るくあいさつをするように周知しておきます。

気持ちのよいあいさつで候補者に「自分は歓迎されている」という印象を与えることができれば、入社したいという動機を形成する手助けにもなります。

参考:釘崎清秀、伊達洋駆著『「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール』ナツメ社刊

4. 面接官のNG行動

面接官のNG行動

面接官を務める際に、心構えと同時に肝に銘じておきたいのがNG行動。NGな態度や質問は候補者のモチベーションを大きく下げるだけではなく、場合によっては就職差別にもつながります。以下のような行動を取らないよう留意しましょう。

4-1. NGな態度

候補者に興味がない、候補者を軽んじている、候補者を否定していると思われてしまうような態度はNGです。候補者に敬意を払い、自分もまた判断される側なのだという自覚をもって接することが大切です。

以下は面接官としてNGな態度の例です。

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悪印象を与える態度

あくび、腕組み、険しい表情、背もたれに寄りかかるといった不遜な態度は、候補者に悪印象を与えます。候補者は面接官のふとしたしぐさからも自分への印象、面接官の人格、社風などを感じ取ろうとしているため、こうした態度は避けるべきです。

また、候補者の話を頭ごなしに否定することも控えましょう。候補者の話を聞いていると、つい「それは違う」と遮りたくなるようなことがあるかもしれません。しかし、頭ごなしに否定すれば、候補者はその後の質問にも受け答えしづらくなってしまいます。とくに自社や採用に対しての誤解や事実でないことに対しては、一度候補者の話を聞き終えた上で、落ち着いて否定するなどの応対をしましょう。

他社を悪く言うことも、面接官として控えたいことの一つです。自社の評価を上げたいがために他社を悪くいう面接官もいますが、これは逆効果です。他社を悪く言う品位の低さを候補者に見抜かれてしまいます。

メモを取り過ぎる、資料や評価シートばかり見ている

面接の際に候補者の目を見て話を聞かなかったり、机上の資料や評価シートばかり見ていたり、ずっと下を向いてメモを取っていたりといった態度も、避けるべきです。こうした態度は、候補者側から見ると「あなたには興味がありません」というメッセージにとらえられかねません。

候補者のほうを向き、目を見て相づちを打ちながら候補者の話を聞くようにしましょう。

4-2. NGな質問

採用面接で留意すべきNGな質問は、就職差別につながるおそれがある質問と、ハラスメントにつながるおそれがある質問の2種類です。質問の際は候補者を尊重し、適性や能力を判断するための質問のみをするように心がけましょう。

就職差別につながるおそれがある質問

■本人に責任のない事項の把握

  • 本籍・出生地に関すること
  • 家族に関すること
  • 家族の職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産、家族の仕事の有無、家族の職種や勤務先、家族構成など
  • 住宅状況に関する、間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など
  • 生活環境・家庭環境などに関すること

■本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握

  • 宗教に関すること
  • 支持政党に関すること
  • 人生観、生活信条に関すること
  • 尊敬する人物に関すること
  • 思想に関すること
  • 労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
  • 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

また、身元調査の実施や、合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施も就職差別につながるおそれがあることに留意しましょう。

参考:厚生労働省『公正な採用選考の基本』

ハラスメントや差別につながるおそれがある質問

以下はハラスメントや差別につながるおそれがある質問です。採用選考時に適性や能力を判断するためどうしても必要である場合を除き、避けるようにしましょう。

  • 恋愛や交際相手に関すること
  • 結婚や配偶者に関すること
  • 出産や育児に関すること
  • 性別に関すること
  • 年齢に関すること
  • 容姿に関すること

5. 一般的な面接の流れ

一般的な面接の流れ

ここからは一般的な面接の流れを紹介します。

5-1. 質問を用意して、タイムテーブルをつくる

面接は限られた時間の中で質疑応答を行うものです。面接時間が長引けば、その後の候補者の予定や面接官の予定が狂ってしまいます。制限時間内に面接を終えるために時間配分を決めておき、それを守るように心がけましょう。

また、ある程度質問する内容を固めておくとスムーズです。候補者の反応を見ながら質問を選べるよう、あらかじめ複数の質問例を用意しておきましょう。

1. アイスブレイク

候補者が入室したら、始めにアイスブレイクを行います。アイスブレイクはその場の緊張を和らげ、コミュニケーションを活発にするために行う会話やゲームのことです。面接だけでなく、趣味の集まり、ワークショップ、研修、会議など、人が集まるさまざまな場で行われています。

面接の場では、その日の天気や来社の交通手段などについて軽く話すのがよいでしょう。緊張をほぐすためには、答えやすい話題を選ぶことがポイントです。

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2. 自社の紹介と求人募集の背景についての説明

面接は自社の説明から入ると親切です。どんな会社で、どのような事業をしているのか、今回の求人募集の経緯、任せたい業務などについて候補者に説明しましょう。求人募集の背景を共有することで、お互いが話しやすくなります。

3. 履歴書、職務経歴書を見ながらの質問と会話

履歴書や職務経歴書を見ながら、候補者へ質問していきます。一問一答形式で質問攻めにするのではなく、候補者の回答を掘り下げたり、そこから話題を広げたりして会話の形になるよう進めましょう。

4. 候補者からの質問

面接官側が知りたいこと、確認したいことを一通り聞き終えたら、候補者から質問はないか、聞いてみましょう。候補者をより深く知るためには、候補者からの質問は重要です。質問にはその人の価値観や大切にしていることが反映されやすいからです。

志望するにあたって不安なこと、心配なことを質問されることもあります。不安を払拭して、候補者の志望度を高めるために、丁寧に回答しましょう。もしその場で回答することが難しい質問だった場合は曖昧なままにせず、面接終了後に調べたり確認を取ったりして、できる限り迅速にメールなどで回答するように心がけます。

5. 事務的な確認

最後は、今後についての確認です。合否連絡の方法や連絡するまでの目安の日数、通過した場合の今後の選考スケジュールなどを候補者に伝え、それ以外の諸連絡もあわせて行います。

5-2. 面接直後の見送りまで手を抜かない

面接の終了直後は、緊張が解けて気が抜けがちです。しかし、見送りまで手を抜かず、面接に来てもらったことへの感謝の気持ちを表しましょう。

「ピークエンドの法則」は、人間がある出来事を経験したときに、その感情がピークとなった瞬間と、その終わりの瞬間で全体を判断するという認知バイアスのひとつです。この法則を利用し、終わりの瞬間である見送りを丁寧に行うと、面接の印象を底上げできます。

6. 面接をより実りあるものにするためには、事前準備が大切

面接をより実りあるものにするためには、事前準備が大切

面接官は多忙であることが多いものです。通常の業務に加え、面接のための時間を工面することは簡単ではありません。

しかし、多忙であっても面接の事前準備は重要です。準備をすることで、面接でよりよい結果を得ることが期待できるからです。求める人材の把握、ロールプレイングによる面接のスキル向上、想定問答集の作成などを行い、面接に備えましょう。

6-1. 求める人材を把握する

面接を始めるまでに、今回の採用活動で求める人材の要件はどのようなものか、全ての面接官が認識を共有しておく必要があります。

認識を共有する方法や評価シートを用いた評価方法については、後ほど「評価シートを使用した面接の評価方法」の項目で詳しく説明します。

6-2. 面接スキルの向上

特に現場の社員が面接官を務める場合、面接に慣れている人ばかりではありません。また、これまでに何度も面接官を経験しているという人の中にも、今まではなんとなく自己流で面接を行ってきたという人もいます。

場に慣れておくためにも、面接までにロールプレイングをして予行演習をしてみましょう。入室から見送りに至るまでの一連の流れを面接官同士で行ってみます。面接官と候補者のどちらの立場もやってみることで、スムーズな進行のコツや、話しやすい雰囲気の作り方などに関して気づきも得られます。

6-3. 事業内容を説明できるようにしておく

自社が何をしている会社か、自身の部署はどのような業務を行うセクションか、説明できるようにしておきましょう。その際は、何の事業をしているのか(what)、どのように事業を進めているのか(how)ということに加え、以下の3つの観点についても説明を行うようにしましょう。

  • ビジョン(理想像。社会、市場、顧客にどうなってほしいのか)
  • ミッション(役割。ビジョンを実現するために、自社は世の中でどのような役割や使命を担うか)
  • バリュー(行動規範。ミッション遂行のために、どのような価値観で仕事をするか)

これらを説明することは、候補者の動機付けに役立ちます。

参考:曽和利光著『会社を成長させる 新卒採用 面接編』クロスメディア・パブリッシング刊

6-4. 質問されそうなことをあらかじめ洗い出して、答えを用意しておく

候補者からの質問は、候補者の価値観や志望に際しての不安などが反映されています。そのため、面接で候補者によい印象を与え、「この会社で働きたい」という動機を形成するためには、候補者からの質問に対する回答を軽視することはできません。

答え方次第で志望度が上がることも、下がることもあります。特に、自身が入社するときに不安に思っていたことや、自社の弱みだと考えられることについてどのように回答するか、あらかじめ考えておきましょう。最近中途採用で入社した社員にヒアリングをして、想定される質問を集めるのもよいでしょう。

7. 面接での質問例

面接での質問例

面接の場では、聞きたいことをストレートに聞くよりも、違う角度から質問をしたほうが回答を得やすい場合もあります。面接でよく聞く項目ごとに質問例をまとめました。

7-1. アイスブレイク

  • 「今日はお仕事帰りですか?」
  • 「駅からの道は迷われませんでしたか?」
  • 「空調は寒くありませんか?」
  • 「今日は久しぶりに晴れて暖かくなりましたね」
  • 「今日はこのあと雨になるようですね」など

7-2. 職務やスキルについて

  • 「●●の経験がおありとのことですが、何年ほど携わっていらっしゃったのですか?」
  • 「△△についての知識はおもちですか?」
  • 「業務を通じて努力してきたことを教えてください」
  • 「これまでの仕事で、誇れる実績や成果を教えてください」
  • 「今、スキルに関しての目標はありますか?その目標のために何か行動していることはありますか?」など

7-3. 志望動機や仕事観について

  • 「仕事をするうえで大事にしたいこと、譲れないことは何ですか?」
  • 「今回の転職活動で重視しているのは、どのようなことですか?」
  • 「どのような点に魅力を感じて、当社を志望されましたか?」
  • 「この業界の今後は、どのようになると考えますか?」
  • 「同業他社が多くある中で、当社を志望する理由を教えてください」など

7-4. キャリアビジョンについて

  • 「仕事を通してなりたい人物像を教えてください」
  • 「入社後、どのように活躍したいですか?」
  • 「3年後のキャリアビジョンを教えてください」
  • 「10年後のキャリアビジョンを教えてください」
  • 「仕事に限らず、将来のために、日々取り組んでいることはありますか?」など

7-5. 退職理由について

  • 「今の会社や仕事が●●だったら辞めていないだろう、と思うような点はありますか?」
  • 「前職を退職する理由としては、何が決め手になりましたか?」
  • 「どのような点を変えたくて、転職活動をされているのですか?」
  • 「退職後にブランク期間があるのはなぜですか?」
  • 「転職回数が●回と多いようですが、その理由は何ですか?」など

7-6. 人間性や性格について

  • 「あなたの上司の方は、あなたの強みと弱みをどのように認識していると思いますか?」
  • 「『これはあまり任せてほしくない』『他の方のほうが適任だ』と思う仕事や役割はありますか?」
  • 「あなたがこれまでに『働きやすい』、あるいは『働きにくい』と感じた環境を教えてください」
  • 「これまでの人生での挫折体験と、その対処を教えてください」
  • 「ストレス発散の方法は何ですか?」など

7-7. 候補者の動機付けに役立つ質問

  • 「当社に期待するのはどのようなことですか?」
  • 「『ぜひ担当したい』と思う業務はありますか?」
  • 「面談や面接を通して、当社の印象が変わったと思うところがあれば、教えてください」
  • 「ご応募いただいたポジションについて、疑問点や不明点はありませんか?」
  • 「ご応募いただいたポジションは、今までのデータでは残業が月平均●時間あります。その点については、どのようにお考えですか?」など

7-8. その他

  • 「弊社から内定を提示させていただいた際、もしお断りされるとすれば、それはどんな理由になりそうですか?」
  • 「今回の転職で、いくら志望度が高くてもこの金額だったら了承できない、と思う年収額はいくらですか?」
  • 「他に転職活動をしている業界はありますか?」
  • 「最後に、伝えておきたいことがあれば教えてください」
  • 「いろいろお聞きしてきましたが、○○さんから私たちに質問はありますか?」など

参考:青田努著『採用に強い会社は何をしているか』ダイヤモンド社刊、釘崎清秀、伊達洋駆著『「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール』ナツメ社刊

8. 評価シートを使用した面接の評価方法

評価シートを使用した面接の評価方法

面接で候補者を評価する際は評価シートを用意し、それに沿って評価する方法が一般的です。評価シートを使用する際は、自社が求める人材に対する認識を面接官同士で共有し、評価の基準についても認識をすりあわせておきましょう。具体的な方法を以下で解説します。

8-1. 事前に評価基準を検討しておく

評価シートを使用する際は、事前にどんな基準で候補者を評価するのか、その基準を検討しておく必要があります。

自社が求める人材の要件を明確にする

まずは、今回の採用活動で求める人材の要件を明らかにします。できるだけ詳細な人物像が浮かぶよう、話し合う時間をもてると理想的です。

たとえば、求める人材について「コミュニケーション能力が高い」という説明では詳細とはいえません。説明を詳細にするには、「コミュニケーション能力」という言葉を使わずに表現してみましょう。物怖じせず明るい人間なのか、じっくりと話を聞き有効な提案ができる人間なのか、細かく言語化して検討します。

評価する基準を決める

求める人材の要件が明らかになったら、候補者をどのような尺度で評価するかを決めます。5段階評価などの数値で表せる定量評価と、面接担当者の所感を記入できるような定性評価の両方を取り入れて、担当者間で情報を共有しやすい形にしておくとよいでしょう。

面接官同士で、基準について事前に検討する

評価基準については、面接官同士で事前に認識をすりあわせておきましょう。定量評価で1〜5までの5段階評価とする場合は、たとえば「業務に支障のないレベル」を3とするなどして、それぞれの項目について評価基準を決めておきます。

評価基準を決めておかなければ、面接官が自由な判断で思い思いに評価をつけることになり、面接官によって評価に大きなブレが生じます。

「こんな場合はどう評価する?」など、シミュレーションしておく

同時に、さまざまな候補者を想定して話し合っておくことも大切です。たとえば英語の能力について業務に支障のないレベルを3とするならば、「何をもって業務に支障がないとするのか?」「業務での使用経験がなくても、TOEICの点数が高ければ支障がないと判断していいのか?」などについて検討し、ルールを決めておきましょう。

参考:細井智彦著『本当に「使える人材」を見抜く採用面接』高橋書店刊

8-2. 面接評価シートを活用しよう

面接では、評価シートを作成して活用すると評価項目やその基準が明確になり、複数の面接官が面接を行うことで生じる評価のブレを低減することができます。

面接評価シートの作り方や、適切に評価する方法については以下の記事にまとめられています。

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9. オンライン面接(WEB面接)の注意点

オンライン面接(WEB面接)の注意点

昨今はインターネット上でのビデオ通話で行うオンライン面接(WEB面接)を採用する企業も増えました。直接会って行う面接とは異なる点もあるため、いくつか注意しておきたい点があります。

9-1. 対面時より丁寧にアイスブレイクをする

オンライン面接では、対面に比べて緊張がほぐれにくいといわれています。そのため、対面での面接時よりもアイスブレイクの時間を長めにとり、候補者がビデオ通話の雰囲気に慣れてから質問を始めましょう。

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9-2. 音声や画像の通信状態や、説明にわかりにくい点がないかを度々確認する

音声が聞き取りにくい、画像が見えないなど通信状態のトラブルが起こりやすいのがオンライン面接です。候補者から言い出しにくい場合もあるため、面接官から「音声は聞き取りにくくないですか?」「画面表示に問題はありませんか?」と主導して確認をしましょう。

通信状況が悪くオンライン面接の続行が難しい場合は電話で話す方法に切り替えるなど、面接が続行できるよう臨機応変に判断することが求められます。

また、ビデオ通話ツールの使い方に慣れていない候補者もいるため、ツールの使い方の説明は丁寧に行いましょう。事前にメールで案内しておくことに加え、接続に時間がかかる場合を想定して、5〜10分程度余裕をもって面接時間を設定しておくと慌てずに済みます。

9-3. 目線が合うよう、意識的にカメラを見る

オンライン面接の難点は、目線が合いづらいことです。画面ばかりを見てしまうと、候補者からはいつも目線が外れているように見えてしまいます。意識的にカメラに目を向けて、目線が合うように調整しましょう。

また、カメラの位置が顔よりも下にあると見下ろす角度になってしまい、印象があまりよくありません。目線と同じくらいの高さにカメラが来るよう、カメラの位置を調整しましょう。

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9-4. 相づちはいつもよりオーバーにする

私たちは普段対面して会話をするときに、言葉以外の情報も同時にやりとりしています。目線、声の抑揚、話すスピード、しぐさ、姿勢、表情など、言語以外の情報であるこれらは「ノンバーバルコミュニケーション」と呼ばれ、人の印象を大きく左右するといわれています。

画面上ではこれらの「ノンバーバルコミュニケーション」による情報交換が対面時よりも難しくなるため、相づちやリアクションは対面時よりもオーバーに行うことを心がけましょう。声の抑揚や表情についても同様です。

10. 面接官の役割を理解し、事前準備をしてよりよい面接を

面接官の役割を理解し、事前準備をしてよりよい面接を

面接官は、候補者が自社に合う人物かどうかを見極めるとともに、入社したいという動機を形成することを目的としています。そのための情報を候補者からスムーズに引き出せるよう、求める人材像を把握し、あらかじめ質問を考え、候補者からの質問への回答も用意するなど、事前準備をして面接に臨みましょう。

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