人事課題
公開日: 2021/04/05  

キャリアカウンセラーとは? キャリアコンサルタントとの違い、必要性、企業での機能なども解説

キャリアカウンセラーとは? キャリアコンサルタントとの違い、必要性、企業での機能なども解説

キャリアカウンセラーはキャリアの選択や開発を支援する、キャリアデザインの専門家です。この記事ではよく耳にするキャリアコンサルタントとの違いや、キャリアカウンセラーの必要性、この記事では企業でどのような役割を果たしているかなどを解説します。

1. キャリアカウンセラーとは

キャリアカウンセラーとは

キャリアカウンセラーとはカウンセリングなどを通して個人のキャリアデザインを手伝う専門家のことです。個人の興味、スキル、知識、価値観などの特性から、その人にとって望ましいキャリアの選択や開発を支援します。また、仕事に関する悩みを聞いて課題を解決し、生き生きと働ける環境を見つけられるよう援助も行います。

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2. キャリアアドバイザー、キャリアコンサルタント、キャリアコンサルタント技能士、CDAとの違い

キャリアアドバイザー、キャリアコンサルタント、キャリアコンサルタント技能士、CDAとの違い

キャリアカウンセラーと似ている用語に、キャリアアドバイザー、キャリアコンサルタント、キャリアコンサルタント技能士、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)などがあります。まずは、これらの違いについて解説します。

2-1. キャリアアドバイザー 

キャリアアドバイザーとキャリアカウンセラーはほぼ同じ意味で使われている用語ですが、キャリアカウンセラーは民間の各種キャリアカウンセラー資格を取得したうえで名乗っている場合もあります。ただし、キャリアカウンセラーを名乗るうえで、民間の資格取得は必須ではありません。

2-2. キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントは、2016年に職業能力開発促進法という法律によって国家資格化されています。この資格を保有し、国が指定した登録機関に登録していなければ、キャリアコンサルタントと名乗ることはできません。また、継続して資格を保有するためには、5年ごとに資格の更新をする必要があります。

キャリアカウンセラーとキャリアコンサルタントは、その業務内容に大きな違いはありません。しかし、求人等の場では国家資格であるキャリアコンサルタントを保有している人材が望ましいとする企業も増えつつあります。

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2-3. キャリアコンサルタント技能士

国家検定である「キャリアコンサルティング技能検定」の試験に合格すると、キャリアコンサルティング技能士の称号が与えられます。基本的には国家資格であるキャリアコンサルタント資格保有者のもつ、より高い技能を検定するための試験で、2級と1級があります。

キャリアコンサルティング技能検定試験を受検するためにキャリアコンサルタント資格の保有は必須ではありませんが、検定を受検するためには実務経験が必要です。

2-4. CDA

CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)は、日本キャリア開発協会(JCDA)が認定するキャリアカウンセラーの民間資格です。2019年の時点で約18,000人がCDA資格を取得しています。

資格を取得するには、日本キャリア開発協会が認定するCDA養成カリキュラムを修了するとともに、国家資格であるキャリアコンサルタント資格試験の学科試験および実技試験に合格する必要があります。また、上記以外にも前提条件があり、いずれかを満たせばよいとされています。

CDA資格を取得した後は、日本キャリア開発協会が提供する研修を通してスキルアップし、実務に生かすことはもちろん、CDAインストラクターになるといったキャリアの選択肢も生まれます。

3. キャリアカウンセラーはなぜ必要なのか?

キャリアカウンセラーはなぜ必要なのか?

キャリアカウンセラーはなぜいま、必要とされているのでしょうか。国の方針と、社会の変化の2つの側面から解説します。

3-1. 「職業能力開発促進法」改正による国の方針

「職業能力開発促進法」では、キャリアコンサルティングは以下のように定義されています。

第二条
5 この法律において「キャリアコンサルティング」とは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいう。

第三条では、労働者は自発的な職業能力の開発および向上に努めるもの、と定められています。

第三条の三 労働者は、職業生活設計を行い、その職業生活設計に即して自発的な職業能力の開発及び向上に努めるものとする。

第十条では、事業主は雇用する労働者に対しキャリアコンサルティングの機会の確保を行うこと、と定められています。

第十条の三 事業主は、前三条の措置によるほか、必要に応じ、次に掲げる措置を講ずることにより、その雇用する労働者の職業生活設計に即した自発的な職業能力の開発及び向上を促進するものとする。
一 労働者が自ら職業能力の開発及び向上に関する目標を定めることを容易にするために、業務の遂行に必要な技能及びこれに関する知識の内容及び程度その他の事項に関し、情報の提供、キャリアコンサルティングの機会の確保その他の援助を行うこと。

2016年に職業能力開発促進法が改正されて上記が定められたことで、国家資格をもつキャリアコンサルタントが行うキャリアコンサルティングを軸とした、包括的なキャリアカウンセリングが実質的に義務づけられたこととなりました。これにより、特に企業におけるキャリアカウンセリングの必要性やキャリアカウンセラーの需要が拡大しています。

3-2. 社会の変化に伴う「相談の場」としての需要

社会の変容とともに、働く個人が抱える問題は多様になり、時に複雑化しています。デジタル化によりコミュニケーションが希薄になった職場、景気の動向、入社3年以内に3割が辞める早期離職、早期退職、育児、介護、スキルアップなど、仕事にかかわる悩みや課題を相談できる場として、キャリアカウンセラーがより求められるようになっています。

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4. キャリアカウンセラーが活躍している場面

キャリアカウンセラーが活躍している場面

キャリアカウンセラーが活躍する場面は、企業、教育機関、公的機関などさまざまです。それぞれの場所でどのような業務を行っているかを解説します。

4-1. 企業

キャリアカウンセラーが企業で働く場合、一般企業であれば人事・労務・教育関連部門に所属したり、独立したキャリアカウンセリング室に所属したりする場合が多くなります。業務は従業員のカウンセリングや研修の講師、会議でのファシリテーションなどです。

人材サービスを行う企業に勤めている場合はサービスとして顧客のカウンセリングや面談、求人情報の提供などを行うことがメイン業務となりますが、研修の講師を務めたり、自社の従業員のカウンセリングを行ったりする場合もあります。

4-2. 教育機関

教育機関には大学や専門学校、職業訓練校、小中高校などが含まれます。大学や専門学校の場合はキャリアセンターなどに所属し、学生の就職活動のカウンセリングや履歴書の添削、模擬面接などを行います。

職業訓練校の場合は訓練生の就職活動のカウンセリングを行うほか、就職活動やキャリアデザインに関する授業などを受け持つこともあります。

小中高校ではスクールキャリアカウンセラーとして生徒の進路を支援する業務を担当します。カウンセリング、情報提供、インターンシップなどの教育訓練、高校では就職活動の支援などを行い、早期からキャリア教育を行います。

スクールキャリアカウンセラーは教師が兼任したり、臨床心理士や公認心理師とのダブルライセンスが求められたりと、より幅広いスキルを求められる傾向にあります。

4-3. 需要調整機関(ハローワークなど)・公的機関

ハローワークなどの需要調整機関や公的機関で働く場合、不特定多数の求職者へ対応することが多くなります。需要調整機関では求職者へのカウンセリングや求人情報の提供、セミナーの講師や運営などがメインの業務です。

その他の公的機関でも、需要調整機関と同様に窓口でのキャリアカウンセリングや、セミナーの講師や運営などがメインの業務となります。

4-4. 社会保険労務士事務所

社会保険労務士は国家資格である社会保険労務士資格を保有している人のことで、労働関連の法律、社会保険、年金、人事や労務管理などのスペシャリストです。社会保険労務士がキャリアコンサルタントの資格も取得し、ダブルライセンスで多角的な視点からアドバイスするケースや、キャリアカウンセラーとして同じ事務所の社会保険労務士と共に業務に就くなどの働き方があります。主な業務は顧問先の企業でのカウンセリングや、個人へのカウンセリングです。

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5. 企業内キャリアカウンセラーの役割

企業内キャリアカウンセラーの役割

企業でキャリアカウンセリングを行う企業内キャリアカウンセラーは、働く人のすぐそばで長くキャリア開発を支援する立場です。相談者と同じ企業に属しているため、職場環境の把握や改善の提案がしやすいことが特徴です。企業内キャリアカウンセラーは、企業でどのような役割を果たしているかを解説します。

5-1. 職場の状況を把握する

従業員とのカウンセリングを通して、従業員のもつ課題や悩みだけでなく、職場の状況を把握します。職場の状況を把握することは、従業員一人ひとりがいきいきと働ける職場環境をつくるために重要です。

5-2. 相談の場となる

昨今はパソコンの普及やテレワーク、役割分担の細分化などにより、企業内で人と人とのコミュニケーションが希薄になりがちだといわれています。そうしたなかでキャリアカウンセラーは社内でキャリアや働き方に関する相談ができる場として機能しており、従業員に安心感を与えています。

5-3. 問題解決を支援する

従業員が抱える問題、課題、悩みなどを聞き取り、本人が自身で解決に向けて考え、動けるように支援します。これはキャリアカウンセラーの本質的な役割のひとつといえます。

5-4. 関係部署と連携する

キャリアカウンセラーに寄せられる個人の悩みのなかには、たとえばハラスメントやメンタルヘルス不調など、別の部署が担当している事柄があるかもしれません。キャリアカウンセラーが受けた相談のなかにこれらの問題の兆候が認められた場合は、個人情報の守秘義務に注意しながらも、関係部署と協働して問題解決にあたります。

5-5. 人材を育成する

業務のなかで日常的に上司が部下を指導するOJTは企業の人材育成の柱ですが、キャリアカウンセラーにはその補助をする役割があります。個別カウンセリングや研修を通じて直接人材を育成したり、上司に部下とのコミュニケーションに関する気づきを与えて間接的に人材育成を促したりする方法が挙げられます。

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5-6. 社内の諸制度や仕組みについて提案する

日々、従業員をカウンセリングすることで社内の状況把握と課題の発見が進むため、社内の諸制度や仕組みについて改善のヒントを提案する役割を担えるようになります。また、社内になかったキャリア形成やキャリア相談のための制度についても提案が可能です。

参考:浅川正健著『企業内キャリアコンサルティング入門』ダイヤモンド社刊

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6. 企業のキャリアカウンセラー導入事例

企業のキャリアカウンセラー導入事例

キャリアカウンセラーを導入している企業は数多くありますが、ここではそのなかから中外製薬と佐々木化学薬品の事例について紹介します。

6-1. 中外製薬の事例

中外製薬は、仕事の希望や将来のキャリアなどについて従業員とマネージャーが話し合う「キャリア申告制度」で申告した内容を実践し、振り返り、自己の再認識をするという流れをキャリア開発の基本サイクルと位置づけています。

従業員のキャリア開発をサポートするために、中外製薬ではキャリアコンサルタントが在籍する「キャリア相談室」を2007年に開設し、2018年までに868名が来談しました。ここでは個別にキャリア形成に関する情報提供や能力開発のヒントの提供、社内の制度の活用支援が行われています。

同社にはキャリア相談室の他にも「CCCホットライン」「ハラスメント窓口」「健康管理室」などいくつかの相談窓口がありますが、キャリア相談室はそれらの窓口の入り口として使用されるケースもあるため、従業員の相談内容を見極め、他の窓口と連携することも行っています。

参考:多様な人財の活躍につなげるキャリア開発

6-2. 佐々木化学薬品の事例

佐々木化学薬品は「キャリアカウンセリング室」を開設し、毎月1回カウンセラーに相談できる機会を設けています。業務についてだけでなく仕事と育児・介護の両立についてなど幅広い相談内容を受け付けており、その他の制度も実施しながらワーク・ライフ・バランスの環境整備に取り組んでいます。

キャリアカウンセリング室の開設当初は、「何を話せばいいの?」という戸惑う従業員も見られたため、総務課が従業員のなかから指名してキャリアカウンセリングを受けてもらうなどの取り組みを続けました。そうすると次第に「ちょっと話したいことがあるんです」と自発的に話し始める人が現れ、自由に話せる雰囲気が醸成されていきました。

同社ではリラックスして話せるよう、お茶やお菓子を用意するなどの工夫も行うほか、就業時間内に面談できるようにも気遣っています。

また、2016年には厚生労働省が推進する「セルフ・キャリアドック」を導入しました。セルフ・キャリアドックとは、キャリア研修やキャリアコンサルティング面談を定期的に実施し、従業員のキャリア自律を促す取り組みです。

セルフ・キャリアドック導入に際し、同社は外部のキャリアコンサルタントを活用し、従業員を対象にキャリアコンサルティング面談を行いました。また、面談の事前と事後にはキャリア検診を実施しています。その結果、セルフ・キャリアドックの実施を通じ、特に以下の点について成果が見られたとしています。

  • 女性技術職への就業への意欲喚起
  • 人事異動に関する動機付け

参考:キャリア形成サポートセンター「佐々木化学薬品株式会社の導入事例」、浅川正健著『企業内キャリアコンサルティング入門』ダイヤモンド社刊

7. キャリアカウンセラーになるには? 資格の取得は必須?

キャリアカウンセラーになるには? 資格の取得は必須?

キャリアカウンセラーになるためには、何をすべきでしょうか。資格取得の必要性や、キャリアコンサルタント資格についても解説します。

7-1. 資格は必須ではない

前提として、「キャリアカウンセラー」を名乗るために特別な資格は必要ありません。また、キャリアカウンセラーの業務は、資格を有していない人でも行うことができます。キャリアカウンセラーの民間資格には、次のようなものがあります。

  • キャリアカウンセラー資格(一般財団法人日本能力開発推進協会)
  • メンタルキャリアカウンセラー資格(一般財団法人日本能力開発推進協会)
  • シニアキャリアカウンセラー資格(一般財団法人日本能力開発推進協会)

7-2. 国家資格であるキャリアコンサルタントを保有していると、活躍の場は増える

キャリアカウンセラーとして働きたい場合、資格を保有していると活躍の場が増えます。特に国家資格であるキャリアコンサルタントの資格を有していることを条件とする求人は少なくありません。

7-3. キャリアコンサルタントになるためには

国家資格であるキャリアコンサルタントになるための受験資格や試験科目等の要項を紹介します。

(1)キャリアコンサルタント試験の受験資格
・厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者
・労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
・技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
・上記の項目と同等以上の能力を有する者

(2)試験科目
・職業能力開発促進法その他関係法令に関する科目
・キャリアコンサルティングの理論に関する科目
・キャリアコンサルティングの実務に関する科目
・キャリアコンサルティングの社会的意義に関する科目
・キャリアコンサルタントの倫理と行動に関する科目

(3)試験実施機関
・特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会
・特定非営利活動法人日本キャリア開発協会

(4)料金
学科試験 8,900円
実技試験 29,900円

(5)キャリアコンサルタント試験の免除
技能検定キャリアコンサルティング職種の1級又は2級の学科試験、実技試験をそれぞれに合格した者については、キャリアコンサルタント試験の学科試験、実技試験のそれぞれに合格した者とみなします。

試験に合格後、キャリアコンサルタント名簿に登録する必要があります。登録手数料は以下の通りです。
・登録手数料:8,000円(別途、登録免許税9,000円が課税されます。)
・登録証の再交付又は訂正:2,000円

キャリアコンサルタントの登録を継続するためには、5年ごとの更新が必要です。

※その他詳細は下記URLを参照
キャリアコンサルタントになりたい方へ − 厚生労働省

7-4. CDA資格認定

CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)資格認定のための要項を紹介します。

(1)CDA資格認定の前提条件
①JCDAが認定するCDA養成カリキュラムの修了。かつ、国家資格キャリアコンサルタント資格試験の学科試験および実技試験の合格
②上記①以外の条件でキャリアコンサルタント国家資格を取得した者、キャリアコンサルティング技能検定に合格した者(1級、2級)、または平成28年3月以前に標準レベルキャリア・コンサルタント資格を取得した者(JCDAにキャリア会員として登録されている方)であって、JCDAが指定する講座を受講した者。

※その他詳細は下記URLを参照
CDA資格認定・CDA入会方法 ― JCDA特定非営利活動法人日本キャリア開発協会

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