人事課題
公開日: 2021/04/05  

リテンションとは? マーケティング用語と人事用語の違いを理解して使いこなそう

リテンションとは? マーケティング用語と人事用語の違いを理解して使いこなそう

リテンション(retention)は英語で「維持・保持」を意味する言葉です。主にマーケティング業界や人事業界で用いられていますが、実は2つの業界では「リテンション」の意味が異なります。それぞれの業界での「言葉の意味」「重要性」「施策の例」を知って、「リテンション」という言葉を的確に使いこなしましょう。

1. マーケティング用語の「リテンション」とは?

マーケティング用語の「リテンション」とは?

マーケティング用語でリテンションは、「既存顧客をつなぎとめる力」。リテンション(維持・保持)したい対象は「顧客」です。

2. リテンションマーケティングの重要性

リテンションマーケティングの重要性

リテンションマーケティングとは、既存顧客との安定的な関係を維持していくための施策のこと。例えば、サブスクリプションは、ユーザー側にとって「簡単に始められて、簡単に解約できる」というメリットがありますが、提供企業側にとって「簡単に解約できる」はリスクです。サブスクリプションに限らず、企業が安定して利益を得るためには、商品やサービスを継続的に利用してくれる顧客を確保し続けることが必要です。リテンションマーケティングが重要な理由は主に3つあります。

2-1. コストを抑えて売上アップ

マーケティング活動には「新規顧客への活動」と「既存顧客への活動」があり、新規顧客を獲得するコストは既存顧客を維持するコストより5倍も大きいとされています(これは「1:5の法則」と呼ばれます)。もちろん事業の成長には新規顧客の獲得も欠かせませんが、いかに既存顧客を維持し、離反させないか(=リテンション)も非常に重要です。

2-2. 既存顧客の口コミで拡散

自社やブランド、商品のファンになると、その顧客は継続的に購入してくれるだけでなく、口コミやSNSで第三者に商品を紹介してくれることも期待できます。結果的に、コストをかけずに新規顧客を獲得できる可能性が高まります。

2-3. アップセル・クロルセルを期待

さらに、ファンになってくれた既存顧客は、上位モデルへのアップグレードや(アップセル)、別の商品の追加購入(クロスセル)をしてくれることも期待できます。先述した通り、新規顧客の獲得コストは高いため、既存顧客にアプローチするアップセルやクロスセルは顧客単価を上げる重要施策といえます。

3. マーケティングのリテンション施策の例

マーケティングのリテンション施策の例

では、どのような施策がリテンションに有効なのでしょうか。主な施策例を3つ紹介します。

3-1. CRMツールの活用

CRMツールとは顧客関係管理(Customer Relationship Management:カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)を支援するもの。自社に蓄積した顧客データの管理を効率化して、顧客満足度や売上の向上を目指していくためのシステムです。CRMツールで既存顧客のデータを分析するだけでなく、そのデータを社内で共有し、有効活用していくことが大切です。

3-2. カスタマーサポートの充実

消費者が求めているのは「良質な顧客体験」。その実現手段として、カスタマーサポートは重要な位置付けになります。顧客は「商品に疑問があってカスタマーサポートに連絡したが、適切な対応をしてもらえなかった」という質の悪い顧客体験をすれば、商品からも気持ちが離れてしまいます。特にカスタマーサポートは顧客と直接的な接点を持つ部門なので、「連絡して良かった/ますます好きになった」と感じてもらえるように強化することが大切です。

3-3. ロイヤリティープログラムの導入 

「ロイヤリティープログラム」とは、商品を頻繁に購入してくれたり、高額サービスを利用してくれたりする優良顧客に対して、特典を付与するマーケティング施策のこと。 特別感や優越感によって、さらに商品やブランドに愛着を持ってもらうことが目的です。顧客限定セール、新商品の先行販売、誕生日プレゼント、会員限定クーポンなどもロイヤリティープログラムの一種です。

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4. 人事用語の「リテンション」とは?

人事用語の「リテンション」とは?

さて、人事業界で使われる「リテンション」に話を移しましょう。人事用語でのリテンションは、「従業員をつなぎとめる力」、つまりは「人材の流出防止」。リテンション(維持・保持)したい対象は「従業員」です。特に、既存の従業員のうち、優秀な人材を企業につなぎとめることを言います。

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5. 人事でのリテンション施策の重要性

人事でのリテンション施策の重要性

人事でのリテンション施策とは、優秀な人材の定着率を上げ、離職を防止するためのものです。リテンション施策が重要な理由は大きく5つ挙げられます。

5-1. 人材の確保

労働人口の減少や人材の流動化が進むと、人材の確保はどんどん難しくなります。思い通りに採用ができても優秀な人ほど転職しやすいため、自社につなぎとめる施策は大切です。

5-2. 従業員のモチベーション維持

リテンション施策を行うことによって、従業員が「自分は大切にされている」と感じてくれると、その会社で働くモチベーションにつながります。また、優秀な人材が定着してくれることによって、周囲の手本になり、周囲のモチベーションを向上させる効果も期待できます。

5-3. 採用・育成コストの削減

人材が流出すれば新たな採用や育成が必要になります。人材が留まってくれれば、採用コストや育成コストの削減にもつながります。

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5-4. 技術や人脈の流出防止

特に技術者や管理職が競合他社に転職すると、技術やノウハウ、人脈なども流出してしまう懸念があります。また、社内にノウハウを持った人材がいなくなると、その再構築は容易ではありません。

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5-5. 経営の安定

人材の流出によって経営計画に支障をきたすこともあります。多くの従業員が継続して働いてくれれば、経営計画に沿った安定的な経営がしやすくなるでしょう。

6. 人事のリテンション施策の例

人事のリテンション施策の例

リテンション施策を考える際は、従業員にとって働きやすく、働きがいのある会社作りが大切です。しかしその実現にはさまざまなファクターがあり、どこから着手するべきか迷うこともあるでしょう。その場合、社内で匿名アンケートを実施し、不満の大きなところから対処していくのもひとつの方法です。人事部などが退職者から本音を聞き出す「エグジットインタビュー」を行って、リテンション施策につなげている企業もあります。以下、リテンション施策の例を5つ紹介します。

6-1. ワークライフバランスの重視

「残業をなくす」「有給休暇を取りやすくする」といった、「長期にわたって働き続けやすい環境」をつくっていくことが重要です。テレワーク、フレックスタイム制度、副業を認めるといった柔軟な働き方も推進するとよいでしょう。

6-2. 社員の希望を重視した配属

会社が配属を一方的に決めるのではなく、本人の希望を踏まえつつ、適切な配置を検討しましょう。能力開発を目的としたジョブローテーションによって、本人にマッチする業務を見つけることも有効です。

6-3. 人事評価や報酬の見直し

給与の低さは転職の大きな理由になります。しかし「月給をいくら上げればいいか」という単純な問題ではありません。「正当な人事評価」と「成果に見合った報酬」が社員のモチベーションに大きく影響することを踏まえ、制度の見直しを検討しましょう。

6-4. 風通しのよい職場環境の整備

風通しがよく、社内のコミュニケーションが活発な職場は定着率も高まります。上司と部下の「縦」の関係だけでなく、年齢が近い「横」の関係や、他部署の先輩・後輩との「斜め」の関係を構築する施策も有効です。

6-5. 社風に合った人材の採用

これは現在の従業員に対する施策ではありませんが、社風に合った人材を採用し続けることも重要です。能力的には優秀であっても、社風に合わない人材は早期離職の可能性が高まります。採用コストがかかっても、定着率が高ければ、結果的にコスト圧縮になるでしょう。採用精度の向上は、最も効果的なリテンション施策のひとつと言えるかもしれません。

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