人事課題
公開日: 2021/04/12  

インセンティブ制度で、社員・組織のモチベーションを向上させよう。効果的に活用するための設計方法や注意点を解説

インセンティブ制度で、社員・組織のモチベーションを向上させよう。効果的に活用するための設計方法や注意点を解説

企業や組織において、社員のモチベーションを向上させるためにはさまざまな方法があります。なかでも特に高い効果が期待されるのが、インセンティブ制度の導入です。報奨金など金銭的なインセンティブはもちろんですが、その他にもさまざまな種類のインセンティブが存在します。

インセンティブ制度の導入を検討しているものの、具体的にどのような方法・手順で取り組めばよいのか分からない方も多いことでしょう。そこで本記事では、インセンティブ制度のメリットや導入方法について詳しく解説します。

1. インセンティブとは

インセンティブとは

インセンティブ(incentive)とは日本語で「刺激」や「動機付け」という意味をもちます。ビジネス業界では、一定以上の成果に対して、給与に上乗せされる形で社員に与えられる報奨金や株式などを指す場合が多いです。

報奨金の場合、主に「契約または販売数に応じて支払う」パターンと「一定の目標をクリアした場合に支払う」パターンなどがあり、いずれも社員のモチベーションを上げ、動機づけをするために有効な人事施策といえるでしょう。企業によっては、歩合制や成果主義といった制度のことをインセンティブと呼んでいるケースもあります。

1-1. ボーナスとの違い

インセンティブと混同されがちな言葉として「ボーナス」があります。ボーナスは半期ごとまたは年に1回など決まったタイミングで支払われるものであるのに対し、インセンティブは原則として月や日の給与に上乗せして支払われるものであり、両者は異なる存在です。

ただし、企業によってはインセンティブをボーナスと合算して支給するところもあり、運用ルールによっては必ずしも毎月の給与に合算されるとは限りません。重要なのは、給与またはボーナスとは別にインセンティブとして明確に上乗せされているかという点です。

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2. インセンティブの種類

インセンティブの種類

インセンティブは報奨金として支払われるケースが多いと紹介しましたが、実はそれ以外にもさまざまな種類が存在します。

2-1. 物質的インセンティブ

報奨金や株式などの金銭的な報酬のほかにも、賞品や旅行など、金銭的な価値のあるものを提供することを物質的インセンティブと呼びます。社員のモチベーション向上に直結させやすく、効果の高いインセンティブといえるでしょう。

2-2. 評価的インセンティブ

部下やメンバーを褒める、認めることでモチベーションを上げ、仕事に前向きに取り組む動機付けを行うことを評価的インセンティブと呼びます。仕事の成果を認め、昇進をさせることや、表彰を行うことなども評価的インセンティブに含まれます。

2-3. その他のインセンティブ

物質的インセンティブや評価的インセンティブ以外にも、「このチームで長く働きたい」「この上司のもとで成長していきたい」という動機付けによってモチベーションを向上させる人的インセンティブや、仕事そのものへのやりがいを見いだし、モチベーションを上げる理念的インセンティブなども存在します。

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3. インセンティブ制度を導入するメリット 3つのポイント

インセンティブ制度を導入するメリット 3つのポイント
インセンティブを導入することは、企業にとってどのようなメリットを生むのでしょうか。3つのポイントに分けて解説します。

3-1.  モチベーション・生産性の向上

インセンティブがなければ「結果を出しても出さなくても給料は変わらない」と感じる社員もいるかもしれません。インセンティブによってメリハリのある評価を行うことによって、社員の士気が向上し、モチベーションや生産性の向上につながります。

3-2. 優秀な人材の獲得

成果を出せば出すほど給与に反映されるインセンティブ制度は、優秀な人材にとっては魅力的な要素となる場合があります。正当で公平な評価をしてくれる企業は社員にとって働きやすく、優秀な人材が集まりやすくなります。

3-3. 離職率の低下

インセンティブ制度を活用したメリハリのある評価は、社員の働きがいにつながり、優秀な人材が長く働いてくれる環境をつくることができます。物質的インセンティブ以外にも、人的インセンティブや評価的インセンティブなど、社員にとって働きやすい環境を整えることは、離職率の低下につながります。

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4. インセンティブ制度のデメリットと対策方法

インセンティブ制度のデメリットと対策方法

インセンティブ制度の導入は企業にとって必ずしもメリットばかりとは限りません。デメリットとして考えられるポイントと、その対策について解説します。

4-1. 仕事の目的がインセンティブに偏る可能性がある

たとえば営業部にインセンティブ制度を導入した場合、販売や契約をとる業務には力を入れるものの、それ以外の報告業務や顧客へのサポート、フォローなどの業務がおろそかになることも考えられます。また、成果を上げている社員が、他の社員に対して仕事のノウハウを積極的に共有しなくなったり、後輩の指導がおろそかになったりする恐れもあります。

このような問題への対策としては、個人に対するインセンティブの場合は、成果だけでなく、チームへの貢献度やノウハウの共有など、付随する業務も評価対象に含めるような工夫を行うことが有効です。
組織のメンバーの本質的な成長につながるよう、インセンティブの運用ルールについて検討しましょう。

4-2. インセンティブが支給されない社員のモチベーション向上が難しい

物質的インセンティブは実績が高い上位層の社員ばかりが獲得し、それ以外の社員は恩恵を受けられないことも考えられます。いつも成果を上げている社員にインセンティブが偏ることで、そうでない社員との間でモチベーションの格差が広がり、企業全体において業績の底上げにつながらないおそれもあります。

このような事態を避け、社員全体のモチベーションを底上げするためには、個人ではなくチーム単位での評価対象とし、社員がお互いにサポートしあいながら実績を向上させていけるような運用も1つの方法といえるでしょう。

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5. インセンティブ制度の活用例

インセンティブ制度の活用例

インセンティブ制度の導入にあたっては、「成果や目標達成の度合いに応じて報酬が与えられる」という一般的なインセンティブ以外にも、さまざまな活用法が考えられます。参考になる事例として3つの活用方法を紹介します。

5-1. 土日祝日における人手不足の解消

コールセンターや製造現場、サービス業など、土日祝日も関係なくスタッフを確保しなければならない現場では、平日には多くの人材が確保できるものの土日祝日は手薄になる課題を抱えているところも少なくありません。そこで、土日祝日に出勤した場合にインセンティブを加算し、人員をバランス良く配置し人手不足を解消する方法があります。

5-2. リファーラル採用への導入

慢性的な人手不足に陥り、採用活動を行っても人材が集まってこない企業も存在します。そこで、新たに人材を獲得する手段として、社員の紹介によって新たに社員が入社したら、紹介した社員に対して報奨金を進呈するというインセンティブの活用方法もあります。
短期離職を防止するために、入社後半年後または1年後など、一定のタイミングで在籍していた場合に報奨金を支給するなどのルールで運用している企業も多いです。

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5-3.  顧客やクライアントの声をポイント化

営業部門のように定量的に実績を評価できる部門は、インセンティブ制度が設計しやすいといえます。しかし、コールセンターや営業支援などの部門は定量的な評価が難しく、インセンティブに反映しづらいという問題があります。

そこで、顧客やクライアントからのポジティブな意見をポイントとして加算し数値化し、定量的に評価できる仕組みを構築している企業も存在します。ポジティブな意見を可視化することで評価的インセンティブにもつながり、社員のモチベーションもさらに向上するメリットが得られます。

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6. インセンティブ制度を設計する方法

インセンティブ制度を設計する方法

自社で実際にインセンティブ制度を導入する場合、どのような手順および方法で制度設計をすればよいのでしょうか。5つのステップに分けて解説します。

6-1. インセンティブ制度の目的を定める

はじめに、インセンティブ制度によって何を成し遂げたいのか、明確な目的を定めます。生産性や業績アップを目指す以外にも、人手不足の解消などさまざまな狙いが考えられ、目的に応じて実施するインセンティブの内容も異なります。

「他社が行っているから」という曖昧な理由でインセンティブ制度を導入してしまうと、目的がはっきりせず有効な施策が打ち出せないため、失敗に終わることも少なくありません。

6-2. インセンティブの対象者を決める

部署または個人を対象とするのか、管理職は対象とするのかなど、インセンティブの対象者を決めます。ここで注意しておきたいのは、能力が極めて高く成果が出ているハイパフォーマーだけを対象とするのではなく、努力しているものの成果につながらない社員も取りこぼさないような工夫が必要ということです。

一般的に、組織の構成比は、

・上位20%(会社を引っ張る20%のハイパフォーマー)
・中位60%(会社を支える60%のミドルパフォーマー)
・下位20%(上の80%にもたれかかっている20%のローパフォーマー)

に分かれる「2-6-2の法則」で構成されているケースが多いといわれています。

企業全体の業績を底上げするためには、ハイパフォーマー以外のモチベーションを引き出す必要があるのです。2割のハイパフォーマーのみがインセンティブを得られるような制度設計をしてしまうと、ミドルパフォーマーとローパフォーマーの成果は上がらず、結果として企業全体の底上げにもつながりません。

このような問題が起こらないよう、たとえばハイパフォーマーとミドルパフォーマー、ローパフォーマーを混在させたチームを編成し、それぞれのチーム対抗で成果を競わせるなどの工夫が求められます。

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6-3. インセンティブを付与する条件を決める

何を評価基準とし、どの程度クリアしたらインセンティブを付与するのかを決めます。たとえば営業部署の場合、販売や契約数に応じて付与するのか、または目標を達成した場合にのみ付与するのかなど、具体的な条件を決めておく必要があります。

また、インセンティブの制度を実行する期間も検討しなければなりません。閑散期の業績を底上げする場合は繁忙期を避けるのが効果的ですが、反対に繁忙期にリソースを集中的に投下する方法もあります。どちらの期間が成果を出しやすいかを検討したうえで、細かな条件も決めていきましょう。

6-4. 何をインセンティブとして付与するのか決める

報奨金や株式など、何をどの程度インセンティブとして付与するのかを決めます。

たとえば法人営業などで営業担当者とセールスエンジニアが同行し成約した場合、インセンティブ付与の比率や金額をどう配分するのか、などもルールとして決めておきましょう。このようなルールが曖昧なままスタートしてしまうと、インセンティブが原因となって社員同士の摩擦やトラブルを生じさせることも考えられます。

6-5. 運用フローを決める

最後のステップとしては、誰がどのタイミングでインセンティブの対象となる実績を確認するのか、集計期間や計算方法、給与と合わせて振り込むための事務的な作業も含めて、一連のフローを決定します。

たとえば、集計作業および振り込み作業の負荷を軽減するために、毎月の給与と合算するのではなく賞与と合算する運用フローも考えられます。社員の要望や希望に沿って運用フローを決めるのがベストですが、運用上の工数やコストとの兼ね合いもあるため、実務を担当する部門や担当者の意見もヒアリングしながら最適な運用フローを検討しましょう。

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7. インセンティブ制度を導入する際のポイント

インセンティブ制度を導入する際のポイント

インセンティブは経営戦略の達成に向けた1つの方法および手段です。そのため、インセンティブ制度を導入する際には、経営戦略を達成するための施策として結びついているかを今一度確認しておく必要があります。

また、社員から見たときに、あまりにも高すぎる目標が設定されていないかなども確認しておきましょう。達成不可能な目標は社員のモチベーションを低下させ、インセンティブ制度が逆効果になることも考えられます。さらに、物質的インセンティブや評価的インセンティブが中心となっていると、社員は失敗を恐れ、リスクをとらなくなってしまう可能性があります。人的インセンティブや理念的インセンティブなどをうまく組み合わせ、インセンティブ制度を長期的な人材育成につなげていくことが重要です。

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8. 効果的なインセンティブ制度を設計しよう

効果的なインセンティブ制度を設計しよう

インセンティブ制度は企業の利益に直結しやすい営業部署における施策と考えられがちですが、実際には人材採用のシーンや、カスタマーサポート業務など幅広い現場で活用できます。

しかし、インセンティブ制度の導入はメリットばかりではなく、組織によってさまざまな懸念が考えられます。まずは管理職や現場で働く社員に意見を求め、懸念される内容をピックアップし、それを未然に防ぐ運用や方法を考えましょう。売り上げや件数などの成果が定量化されない業務が多い現場の場合、インセンティブ制度の評価対象としづらいなどと思われがちですが、業務のプロセスを1つ1つ分解することで、実は定量的に評価できる業務も多く存在します。

社員や組織のモチベーションを上げ、業績や生産性の向上に役立つ効果的なインセンティブ制度を、検討してみてはいかがでしょうか。

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