人事課題
公開日: 2021/04/28  

コアタイムとは? 「多様な働き方」を充実させる運用のコツを紹介

コアタイムとは? 「多様な働き方」を充実させる運用のコツを紹介

近年、働き方改革やワークライフバランス推進のためにフレックスタイム制を導入する企業が増えています。また、新型コロナウイルスへの対策のためにテレワークを導入・拡大する事業者も急増しています。このような、自由度がある多様な働き方を実現するうえで、大きなポイントとなるのが「コアタイム」です。そこで今回は、コアタイムのメリットや運用のコツについて紹介します。

1. コアタイムとは

コアタイムとは

コアタイムとは、1日のうちで必ず就業しなければならない時間のことです。定時を設けている企業では、就業時間は例えば9時〜18時(休憩1時間)などと決まっています。

一方でフレックスタイム制など、勤務時間に自由度がある場合、始業時刻や終業時刻は従業員それぞれが希望や事情によって決められますが、コアタイムの間は就業しなければなりません。

例えばコアタイムが11時〜15時の場合、始業時刻9時であれば前倒しして8時にすることも、コアタイム開始の11時とすることもできます。終業時刻は、始業時刻や所定労働時間などによって個人で変わります。

このように勤務時間に幅を持たせることで、「多様な働き方」が可能になるのです。

2. コアタイムは「多様な働き方」実現に重要

コアタイムは「多様な働き方」実現に重要

では、コアタイムを設けるような「多様な働き方」には、どのような制度や仕組みがあるのでしょう。「働き方改革」や新型コロナウイルスが拡大するなかで注目が高まっている、代表的なものを紹介します。

2-1. 働き方改革について

まずは、各事業者が多様な働き方を推進する大きな要因のひとつである「働き方改革」について、簡単に説明しましょう。

「働き方改革」は国の政策で、2017年3月に策定された「働き方改革実行計画」、2018年7月に公布された「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」を基に、さまざまな取り組みが進められています。「働き方改革」の大きな柱に、「労働時間の短縮とその他の労働条件の改善」や「多様な就業形態の普及」が掲げられており、各事業者はさまざまな施策を展開しているのです。

2-2. 多様な働き方(1):フレックスタイム制

従来の日本企業では始業時刻と終業時刻が決まっているケースが多いですが、多様な働き方のひとつであるフレックスタイム制は、従業員が始業・就業の双方の時刻を決められる働き方で、近年導入する企業が増えています

フレックスタイム制を導入する際、コアタイムを設ける義務はありません。ただ、会社側が従業員の労働状況を管理したり、会議や打ち合わせ時間を設定しやすくしたりするために、コアタイムを設ける企業が多いのが実情です。

またコアタイムの前後に「フレキシブルタイム」を設け、始業時刻や終業時刻はその間にするように定めている企業もあります。例えばコアタイムが11時〜15時の場合、フレキシブルタイムは7時〜11時、15時〜20時などと設定します。

なお、コアタイムを設けない場合は「スーパーフレックスタイム制」と呼びます。

フレックスタイム制度解説

厚生労働省「フレックスタイム制のわかりやすい解説 & 導入の手引き」より引用

2-3. 多様な働き方(2):テレワーク

新型コロナウイルス対策で急速に普及しているテレワークは、テレ(Tele:離れた場所)とワーク(Work:労働)からなる造語です。オフィス以外の場所で勤務することで、リモートワークなどとも呼ばれます。自宅勤務はもちろんカフェでの作業やワーケーションなども職場によっては可能です。職場で顔を合わせて仕事をしなくなるため、管理する側は従業員の勤務状況が見えにくくなりますが、コアタイムを設定することで把握しやすくなります。

2-4. 多様な働き方(3):副業

「働き方改革」では、副業や兼業の推進も掲げています。まだ副業を認めていない会社も少なくありませんが、従業員の働き方の自由度向上やスキルアップなどを見込めるため、解禁する企業も増えています。

ただ、従業員が副業に時間を割きすぎて本業がおろそかになってしまったり、自社の仕事をしてほしいときに副業を行っていたりすると、企業としては困ります。そこで、コアタイムを設定して勤務時間を定めることで、企業側も従業員側も本業・副業の区別をしやすくなります。

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3. コアタイム制度のメリット

コアタイム制度のメリット

では、コアタイム制度を導入することでどのようなメリットを見込めるのか、紹介します。

3-1. 仕事とプライベートを両立しやすくなる

コアタイムを導入することで、朝早くから仕事を始めて早めに終業し、夕方以降は趣味を楽しんだり、ビジネススクールに通ったりすることができるようになります。逆に、早朝に運動してから仕事をすることも可能に。プライベートがより充実することで、心身ともにいい影響があり、仕事のモチベーションアップも期待できます。

3-2. 育児・介護による離職を抑えられる

総務省の2012年以降の「就業構造基本調査」によると、出産・育児のために離職する人は2012年以前の過去5年間で約125万人、同様に2012年以前の過去5年間で、介護のために離職する人は約10万人にのぼります。働き盛りの年代も多く、雇用する側にとっては貴重な戦力を失うことになってしまいます。コアタイムを導入することで、子どもの保育園への送迎、介護などをしやすくなり、離職率の抑制を見込めます。

3-3. 通勤ラッシュを回避できる

首都圏や都市部を中心に、通勤ラッシュはつらいものです。満員電車で1〜2時間過ごしているとそれだけで疲弊してしまうので、オフピーク通勤できるのもコアタイム制の大きなメリットといえるでしょう。

3-4. 優秀な人材の確保が期待できる

従業員にとって働きやすい環境となることで、有能な人材の離職を抑えられるうえ、育児や介護中の優秀な人材の採用も期待できます。実際、求職者が就職先に求める条件において、柔軟な働き方ができるかどうかの優先度合いは高まっています(※)。

※求職者が「仕事を選ぶ際に重視すること」は下記の記事で詳しく解説しております。

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4. コアタイム制度のデメリット

コアタイム制度のデメリット

ただ、コアタイム制度にはデメリットもあります。導入の際には、以下の点を考慮して制度設計することが大切です。

4-1. 勤怠管理が複雑になる

一人一人の始業時刻、終業時刻が異なるため、同じ時間に仕事をしていても、ある人は所定労働時間内、別の人は残業中という状況も起こります。管理職は、定時が決まっている場合よりもきめ細かい勤怠管理を求められるようになります。

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4-2. 社内会議などの時間が限定される

コアタイム制を導入している場合、社内の会議や打ち合わせの時間はコアタイム内に設定するのが基本となります。就業時刻が決まっている場合よりも設定できる時間帯が短くなってしまうので、開始時間を配慮したり、短時間で効率よく進められるようにしたりする必要が生じます。

4-3. 社内のコミュニケーションに工夫が必要

同僚と顔を合わせる機会や時間が減り、コミュニケーションの機会も減ってしまう可能性もあります。そのため、良好なコミュニケーションを図るための工夫が求められます。例えば、コアタイム中のオンラインランチミーティングなどを企画するのも手です。新型コロナウイルス感染症が拡大するなかでテレワークが増えていれば、オンラインでの交流もいいでしょう。

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5. コアタイムを設定する際の注意点

コアタイムを設定する際の注意点

コアタイムの設定時間帯やその長さによっては、多様な働き方を実現できなかったり、企業が従業員を管理するのが困難になったりします。従業員側、企業側の双方にとっていい制度とするためには、以下の点に留意しましょう。

5-1. 多くの従業員にとって都合がいい時間帯に設定する

コアタイムの開始が早朝だったり、あるいは終業時刻が夕方遅すぎたりすると、従業員それぞれが「柔軟な働き方」をするのは現実的に困難になってしまいます。コアタイムを設定する際には、多くの従業員にとって都合がいい時間帯に設定することが大切です。

5-2. 長すぎず、短すぎない時間にする

例えば、コアタイムが1日に1時間時間だと自由度は高い半面、会議や打ち合わせなどを設定するのが難しくなってしまいます。逆にコアタイムが7時間などと長いと、定時の場合とほとんど変わりません。長すぎず、短すぎない時間にすることが望ましいです。

5-3. 曜日や時期によって変えるのも効果的

コアタイムを毎日◯時〜◯時と決めるのもいいですが、曜日や時期によって変えるのも効果的です。繁忙期には長めにし、そうではない時期には短めにするのも有効です。管理する側にとって少し煩雑になるかもしれませんが、業務を進めやすくなるうえ、従業員の自由度や満足度を高められるでしょう。

5-4. 遅刻・早退などへの対応を決めておく

コアタイムを設定することで懸念されるのが、時間管理が曖昧になってしまうことです。始業時刻や終業時刻が自由とはいえ、遅刻や早退をどう定義し、その場合にどう対応するのか、導入前に労使で対応を決めておくことが大事です。

5-5. 深夜・早朝の労働は避けるように周知する

フレックスタイム制であっても、22時~5時に労働した場合、事業者は割増賃金を支払わなければなりません。前述のフレキシブルタイムを設ける場合はこの時間帯を外すことが必要ですし、フレキシブルタイムを設けない場合も、この時間帯はもちろん、深夜・早朝の労働は避けるように周知徹底することが重要です。

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