人事課題
公開日: 2021/05/18  

キャリアデザインはなぜ重要? 社員のキャリアデザインを支援する際のポイントを解説

キャリアデザインはなぜ重要? 社員のキャリアデザインを支援する際のポイントを解説

企業にとって人材育成は重要な課題であり、組織全体の成長を促進するうえでも欠かせません。効果的な人材育成を進めるために、近年注目されているのが、企業が社員のキャリアデザインを支援するというものです。キャリアデザインと類似する言葉は多く、混同して使用する人も多いかもしれません。今回は、キャリアデザインとは何なのか、類似ワードとの違いを解説するとともに、企業が社員のキャリアデザインを支援する目的やメリット、その方法についても詳しくお伝えします。

1. キャリアデザインとは

キャリアデザインとは

キャリアデザインとは、“自分の職業人生を自らの手で主体的に構想・設計=デザインすること”です(コトバンクより)。ただし、キャリアデザインは必ずしも仕事に関連するものだけとは限りません。社員にとってのプライベートも含め、仕事を通じて人生全般を設計することがキャリアデザインといえます。

1-1. キャリアデザインはなぜ必要?

個人としての働き方や生き方はその人自身が決めることですが、企業や組織のなかで働く以上、常に希望通りの業務に携われるとは限りません。ときには、部署異動や転勤、出向などを命じられるケースもあるでしょう。

本人が希望する勤務地や職種と異なる際、そのことがきっかけでモチベーションが低下し、仕事に対して意欲を失ったり、帰属意識が低下したり、離職に至る可能性もあります。しかし、中長期的な視点でキャリアデザインが描けていると「この仕事に取り組むことで○○のスキルが身につき、将来実現したいキャリアのために役立つ」など、当初希望していなかった変化や状況に対してポジティブに受け止めることができるでしょう。そのような考え方の社員が集まる組織であれば、企業側としては積極的に最適な組織体制や人員配置を実現できるのです。また、逆もしかりで、社員のキャリアデザインが明確だからこそ、企業側がその思いをくみ取って、異動先を決めることも可能になるでしょう。

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1-2. キャリアデザインと混同されがちなワードとその違い

キャリアデザインと混同されがちなものに、キャリアアップ、キャリアプラン、キャリアパスなどがあります。それぞれの違いを見てみましょう。

キャリアアップとの違い

キャリアアップとは、「仕事において高いスキルや資格などを身につけること、経歴を高めること」を指します。自分が希望する将来像に近づくために行うもので、キャリアアップによって、上位のポジションや役職への昇進が期待できます。キャリアデザインは仕事を中心として、プライベートも含めた人生の設計であるのに対し、キャリアアップは仕事に役立つスキルを身につけること、経歴を高めることを目標とする点において、明確な違いがあります。

キャリアプランとの違い

キャリアプランとは、「さまざまな職務経験や研修などを通じて、社員の能力を高め、企業にとって必要な人材育成を社員の人生設計と結びつけて実現する制度」を指します。キャリアデザインは本来、社員自らが主体的に計画・設計するのに対し、キャリアプランは企業側が人材育成を目的として実施する施策や制度という点で違いがあります。

キャリアパスとの違い

キャリアパスとは、「ある職位や職務に就任するために必要な一連の業務経験とその順序」のこと。描いたキャリアプランを実行、また、キャリアアップを達成するために、目標への道のりやステップを表したものといえます。たとえば社員のキャリアアップに向けて、企業側が「課長になるためにはこのスキルや経験が必要」「部長になるためにはこのような能力が求められる」など、具体的な条件を提示することで、キャリアパスを示すことが可能です。キャリアデザインは必ずしも昇進や昇格を最終的なゴールに定めるものではないため、キャリアパスと明確な違いがあります。

キャリアアンカーとの違い

アンカーとは「錨(いかり)」を表し、「主軸」「支え」といった意味も含まれます。すなわち、キャリアアンカーとは「キャリアの選択において社員個人がもっとも大切にし、譲ることのできない価値観や考え」といえます。キャリアデザインを構成するためには、キャリアアンカーは重要な軸になるといえるでしょう。

キャリア開発との違い

キャリア開発とは、「社員のスキルや能力を伸ばすために企業が行う施策や計画」のことを指します。あくまでも企業側が社員に対して行うのがキャリア開発であり、社員が自ら行うキャリアデザインとは異なります。また、キャリア開発はあくまでも業務上求められるスキルや能力を磨くことが目的であり、社員のプライベートも含まれるキャリアデザインとは明確に異なるといえるでしょう。

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2. キャリアデザインが注目される理由

キャリアデザインが注目される理由

キャリアデザインはあくまでも社員が自らで考えることです。しかし、近年では、企業が社員のキャリアデザインを支援する動きが注目されています。その背景を大きく2つのポイントに分けて解説します。

2-1. 年功序列から成果主義への移行

日本企業の多くは従来型の年功序列による人事制度から、成果主義型へと移行しつつあります。実際に、経団連(一般社団法人 日本経済団体連合会)がまとめた「2020年版 経営労働政策特別委員会報告」によると、「転換期を迎えている日本型雇用システム」として、従来のような終身雇用や年功序列型の賃金体系から、ジョブ型採用・成果主義による賃金体系への転換が必要であると述べられています。

かつては終身雇用制度によって「一つの会社に勤めていれば定年まで安泰」という風潮もありましたが、そのような制度や価値観は崩壊しつつあるでしょう。評価対象となるのは勤続年数や社歴ではなく、あくまでも社員がもっているスキルや経験、実力が重視されるようになったのです。

企業や組織で働く社員は、自身の今後の生き方・キャリアと真剣に向き合っていかなければならない時代。そして、企業は年齢や社歴に関係なく、成果を出す人材育成が必要なのです。

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2-2. 働き方の多様化

現在は働き方が多様化し、ビジネスパーソンにとっての目標ややりがいは、必ずしも所属する会社での出世だけとは限らなくなっています。むしろ特定の企業に依存するのではなく、「どこでも通用するスキルや強みを身につけたい」「場所や時間に左右されない働き方を実現したい」と考えるビジネスパーソンも少なくありません。自身の価値観や生き方に合わせ、キャリアを見つめ直す人が多くなったといえそうです。

そうした状況下で、企業は社員個々のキャリアデザインを理解しながら、どのような働き方を提案できるのかが問われます。

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3. 企業が社員のキャリアデザインを支援するメリット

企業が社員のキャリアデザインを支援するメリット

企業が自社の社員に向けてキャリアデザインを支援することによって、どんなメリットをもたらすのでしょうか。大きく3つのポイントを解説します。

3-1. 社員の早期離職防止

上述したように、自分自身でキャリアを構築していくという意識がビジネスパーソンのなかに浸透しはじめています。

社員のキャリアデザインを支援しながら、さまざまなキャリアパスを提示することで、自社への定着を促すことにつながります。その一方で、「現在営業に従事しているものの、本来はエンジニアとして活躍したいと思っていた」という社員がいた場合、異動がかなわなければ転職を考えることになるかもしれません。

こうした場合でも、企業が社員の描くキャリアデザインを分かっていれば、「エンジニアも顧客との円滑なコミュニケーションが必要であり、コミュニケーションスキルを身につけるためにも営業経験は大きな武器となる」といった説得ができるでしょう。

社員が考えるキャリアデザインを把握することで、社員が抱える現状と目標のギャップに気づき、具体的な提案をもとに対処することで、早期離職の回避につなげることができます。

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3-2. 組織としての人材力強化

経済のグローバル化が進み、国内外で激しい競争環境下にあります。そうしたなかで、企業が今後も生き残っていくためには、新たなビジネスモデルの構築や業務効率化が求められます。多様な経験やスキルが必要とされるため、それを補うために組織としての人材力の強化が欠かせません。

企業や組織で働く社員一人一人が自身のキャリアデザインを真剣に考え、実際に行動に移すことによって、スキルアップや成長につながります。企業で働く全社員に向けたキャリアデザイン支援をすることで、社員のスキルアップや成長は促進され、やがて、組織としての人材力強化につながり、企業目標の達成に近づくことでしょう。

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3-3. 人生100年時代に対応した働き方の実現

少子高齢化が進む日本では、今後労働者が不足し、今以上に深刻な人手不足に陥る可能性が高いとされています。一方、いまや「人生100年時代」といわれるなかで定年後も働き続ける人が増え、労働力の高齢化が進んでいる現状もあります。政府は、そうした状況に対応するため、働き方改革の実現に向けてさまざまな政策を挙げています。

働き方改革は「一億総活躍社会の実現」を目指しており、「定年を迎えたから仕事を引退する」といった従来の働き方が見直されはじめています。高齢社会において、労働者が無理なく長きにわたって働き続けられる社会の仕組みを構築しなければなりません。これまでも定年は引き上げられてきた歴史がありますが、今後もその流れは続いていくと予想されます。

社員に対してキャリアデザインの構築を支援することにより、今後大きく変化し続けていく個人の生き方や働き方に対して柔軟に対応できるようになるでしょう。

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4. キャリアデザイン構築に必要な要素

キャリアデザイン構築に必要な要素

社員のキャリアデザイン構築を支援するにあたり、企業はどのような要素を押さえておくべきなのでしょうか。特に重要な要素として3つのポイントを紹介します。

4-1. 目標や希望を明確にする

社員自身が今後どうなりたいのか、何をやりたいのかを明確にしてもらうことが重要です。仕事を含めて人生における目標や希望、意志を明確にしてもらうことで、具体的なキャリアデザインの方向性が見えてくるはずです。

社員自身のなかでやりたいことがすでに決まっている場合、それをキャリアデザインのベースとし、具体化するように促してみましょう。逆に、具体的な目標や希望をもたない社員に対しては、興味のあることや理想とする生き方をともに探り、キャリアデザインのヒントを引き出すとよいでしょう。

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4-2. スキルや強みを把握する

社員自身がもっているスキルや能力、強みを生かし、目標や希望の実現に向けて具体的に何ができるのかを把握させることも大切です。同時に、目標や希望を実現するために不足していると考えられる項目も確認します。現状の強みをどのように生かすのか、また、足りないスキルがあるのか、それを補うためにどうすればよいのかなどを把握することは、キャリアデザイン構築において重要な要素です。

社員自身にやりたいことがない、または分からない場合には、これまでの業務経験や個人の特技などを生かし、具体的に何ができるのかをリストアップしてもらいましょう。社員がもつ経験をリスト化することで、キャリアデザインの方向性が見えやすくなります。

4-3. 適性や性格および価値観を把握する

社員自身の性格や価値観を分析させ、どのような仕事に適性があるのかについて把握するよう促します。しかし、個人の性格や適性は、本人が自覚するのは難しいかもしれません。そうした場合には、上司や同僚、部下など、身近な人から意見を集め、自分自身を振り返る機会を与えるのも一案です。また、社員に合わせて適性があると思われる業務を提案したり、参考意見としてアドバイスしたりするのもよいでしょう。本人が、興味がない、またはやりたい仕事ではないと考えていても、適性に合った仕事や職種をためしに体験することで、やりがいや楽しさに気づくこともあります。

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5. キャリアデザイン構築を促す方法とポイント

キャリアデザイン構築を促す方法とポイント

続いてキャリアデザイン構築を支援するにあたり、具体的な設計方法を見てみましょう。5つのステップにまとめました。

5-1. 理想の生き方をイメージする

上述した、3点の重要要素を踏まえ、まずは社員自身が求める生き方や、理想となる姿をまとめるように促します。キャリアデザインの最終的なゴールを描くものであり、このステップをなくしては具体的な設計はできません。ここで注意したいのは、1年後や2年後といった短いスパンの目標ではなく、社員自身が人生や働き方全体を考える必要があることです。

たとえば「結婚後も仕事を継続し、経理・会計部門のエキスパートになりたい」「仕事と育児を両立し、無理なく長期間にわたって仕事を続けていきたい」「課長、部長とステップアップし、最終的には経営層の一員として会社を運営していきたい」など、社員によって求めるゴールは異なります。また、「将来は地元にUターンし起業したい」という考えをもつ人もいるでしょう。現状と比較したとき、実現が難しいように思える内容であっても、否定することなく、まずは自身の気持ちに向き合うよう促すことが大切です。

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5-2. 中長期的な目標を設定する

社員自身が設定したゴールを目指すために、具体的な目標設定を促します。たとえば、「経理のエキスパートになるために○○の資格を取得する」「5年後までに課長への昇進を目指す」など、中長期的に達成できる目標を挙げます。

社員自身が、理想のキャリアデザインとして漠然としたイメージをもっていても、目標が設定されなければ実現するのは難しいもの。明確な目標があることで、現実的なキャリアパスを描き、行動に移しやすくなります。できるだけ具体的かつ明確な目標を設定するように伝えましょう。

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5-3. 課題を分析する

目標設定後には、現状と将来像のギャップを埋めるために、検討すべき課題を分析します。自己分析によって社員自身がもっているスキルや能力、強み、経験などをリストアップさせ、不足しているものへの対応策を考えます。

ただし、課題解決には、自身で解決可能なものと、そうでないものがあります。たとえば、社員が独立起業を目標とする場合、財務や法律、人事に関する知識、営業スキル、高度な技術的スキルなど、経営に必要な知識のすべてを網羅して学ぶには時間がかかります。高い目標を掲げすぎると、到達する前に、くじけてしまう可能性もあるでしょう。

不足しているスキルが複数あるからといって、必ずしもすべてを身につける必要はなく、より優先したいものを選ぶことも大切です。また、すべてを自分のスキルに置き換えるのではなく、周囲に頼る、外注するなど、効果的な選択を考えるのもよいでしょう。他者との連携による目的達成の道があることを、社員に示すことも重要です。課題の内容によって対応策は異なりますが、まずは、自分が抱える課題をしっかり把握するように促しましょう。

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5-4. 身近な人からの意見やフィードバックを得る

課題解決の方法は多くありますが、社員一人で考えられる対処法は限られます。経験をもつ周囲からのアドバイスやフィードバックで、目標への近道があることに気づくかもしれません。たとえば、資格取得を目指す際に、スクールや講座に通うのが一番だと思っていても、成果が上がりやすい独学での方法を周囲からアドバイスされるかもしれません。

このように、第三者の意見をもらうことで、より効果的な方法を探ることが可能です。企業としてキャリアデザインを支援するにあたり、社内で意見を交わす環境をつくり、もっとよい解決方法や新たな課題が得られる機会を提供してみましょう。こうしたフィードバックの機会を提供することも、キャリアデザイン構築の重要なプロセスといえます。

具体的には、社員が理想とする働き方に近いメンターやロールモデルに対して、積極的に相談に乗ってもらったり、意見を求めたりできる環境の整備などが挙げられます。

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5-5. 目標に向けて行動

目標を定め、それに向けて解決すべき課題や身につけるスキルなどが明確になったら、具体的に行動に移す計画を立てるように促します。

中長期的な目標達成に向けて、さらにタスクを細分化することを提案するとよいでしょう。たとえば、資格の取得を目指すのであれば「1日○時間を勉強時間にあてる」「2カ月後までに○○の分野を理解し、正答率○%以上を目指す」など、分かりやすいタスクを定めるように伝えることが重要です。これにより、中長期的な目標の達成に向けて何をどのように取り組めばよいのかが分かりやすくなります。

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6. 社員のキャリアデザイン構築に向けた企業支援例

社員のキャリアデザイン構築に向けた企業支援例

社員のキャリアデザインを支援するために、企業ができる取り組みとしてはどのようなものがあるのでしょうか。今回は4つの取り組み方法を紹介します。

6-1. キャリアデザイン研修

そもそもキャリアデザインとは何か、またそれを設計する目的やメリットを理解していない社員もいるでしょう。そうした社員を対象に、キャリアデザインが自身の人生においてどのような役割を果たすか、キャリアデザインを構築するための一連の流れ、設計方法などについてレクチャーするのがキャリアデザイン研修です。

キャリアデザイン研修の対象は、若手社員だけとは限りません。ベテラン、シニア社員まで幅広く、世代に応じて研修カリキュラムの方向性が異なります。若手社員に対しては、自分自身の土台となる強みや長所を認識させ、やりたいことを明確にするための支援が考えられるでしょう。一方、長年にわたって社会人としての経験を積んだミドル社員やベテラン社員に対しては、社内でのキャリアアップ以外にも、スキルや強みを生かし、自身が今後進む道の選択肢があることを認識させるといった支援につながります。

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6-2. キャリア面談

キャリアデザイン構築を支援する際、個別のキャリア面談も有効な方法です。キャリアデザイン研修は集団を対象にしていることもあるため、キャリアデザインについては理解できても、自分自身の課題や思考を言語化しきれない社員もなかにはいるかもしれません。また、本人が「私は○○しか向いていない」と思い込んでしまっていたら、その思い込みを研修内で払しょくするのはなかなか難しいことでしょう。個別にキャリア面談を行うことにより、一人一人と向き合いながらキャリアに関する不安を払しょくし、社員自身が納得できるキャリアデザインをサポートできます。

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6-3. 社内FA(フリーエージェント)制度

社員自身が設計したキャリアデザインを実現するためには、現在の部署や職種のままでは難しいケースもあるでしょう。社員の目標達成に向けて、これまでのスキルや能力を生かし、新たな部署で活躍する機会を提供する社内FA制度を実施している企業もあります。
ただし、社内FA制度の導入にあたっては、異動を希望している社員の情報が公開されないようにするなどの配慮が求められます。これは、万が一社員の異動希望が通らなかった場合、社員が人事上の不利益を被らないようにするためです。

6-4. ジョブリターン制度

ジョブリターン制度とは、結婚や出産、介護などを理由に退職した社員を、もとの企業で再雇用する制度です。本人は継続して働きたいと思っていても、さまざまな理由で退職を余儀なくされる社員もいます。また、キャリアアップのために留学や、大学・大学院への就学を希望する社会人も存在します。自社を退職した社員が、再び戻って働けるようなジョブリターン制度を用意することで、社員にとってキャリアデザインの幅が広がり、やむを得ない理由によってキャリアの継続を諦める必要がなくなります。

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7. 企業がキャリアデザインを支援する際の注意点

企業がキャリアデザインを支援する際の注意点

企業が社員に向けてキャリアデザインを支援する際には、注意しておきたい点もあります。想定される懸念と、そのための対策を合わせて解説します。

7-1. 自社の「現状」とキャリアデザイン上の「理想」とのギャップ

社員がキャリアデザインを描いたうえで、自社ではその人が望むような経験やポジションを提供することが難しい、もしくは、転職することが実現の一歩になりうるケースも考えられます。

こうした退職リスクへの対策としては、社員に対して丁寧なキャリア面談を繰り返すなどして、エンゲージメントを高めたうえで、同時にその人が目指すキャリアにつながる仕事やポジションを提供できるよう、社内で検討するのが一案です。ただし、自社のことだけしか考えない慰留交渉は、するべきではないでしょう。個々のキャリアデザインを尊重したうえで、「今」だけでなく「未来」の自社について、伝える努力が必要です。

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7-2. 主体性をもった取り組みにするための施策

キャリアデザインはあくまでも社員が主体性をもって考えることが重要です。企業として社員のキャリアデザインを支援するとしても、義務化したり、強制したりしないように注意しなければなりません。仮に強制ではなかったとしても、提出期限を設けて調査するといった状況にあれば、自身が納得していないキャリアプランや目標を提示してしまうかもしれません。プライベートは人それぞれ状況が異なります。「会社や上司が望んでいそうだから、こういうプランにした」といったことにならないよう、気をつけましょう。

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8. キャリアデザインは企業の成長につながる

キャリアデザインは企業の成長につながる

キャリアデザインは社員個人の成長のために行うものですが、同時に企業にとっても大きな意義をもちます。社員一人一人が自身のキャリアと向き合うことによって、個人のもっている強みや能力を生かし、企業を支える人材力の底上げにもつながることでしょう。また、防ぐことができたかもしれない優秀な社員の退職を減らすという観点においても、企業がキャリアデザインを支援するメリットは大きいものです。キャリアデザイン研修やキャリア面談など、キャリアデザインの支援として効果的な方法を模索し、優秀な人材育成につなげましょう。

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