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公開日: 2021/06/25  

試用期間とは? 試用期間の日数や条件提示の方法、給与設定、試用期間中の解雇や本採用拒否について詳しく解説

試用期間とは? 試用期間の日数や条件提示の方法、給与設定、試用期間中の解雇や本採用拒否について詳しく解説

試用期間は、採用した人が期待した働きをしてくれるかどうかを最終判断するために設ける期間のことです。試用期間という名前ですが、労働契約はすでに交わされているため、簡単に解雇できるわけではありません。この記事では、試用期間の長さ、試用期間中の解雇や試用期間満了時の本採用拒否、試用期間の延長などについて解説します。

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1. 試用期間とは?

試用期間とは?

試用期間にはどのような目的や決まりがあるのでしょうか。試用期間を設ける目的や、試用期間中の労働契約について解説します。

1-1. 実際に働いてもらい、能力や適性を最終判断する

試用期間は、実際の業務を通して能力や適性を最終判断する期間のことです。

採用においては、一般的に面接や適性試験を通して候補者を選考します。しかし、本当に期待した働きをしてもらえるかどうかは、選考だけではわからない部分もあります。そこで、試用期間を設けて実際に働いてもらい、その働きぶりを見て本採用するかどうかを判断します。

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1-2. 試用期間中も労働契約が存在している

試用期間中は、本採用時とは異なり「解約権留保付労働契約」という労働契約が結ばれています。これは、解雇できる権利を会社側が持っているというものです。

試用期間が満了した際に会社側が本採用を拒否した場合、その扱いは試用期間満了による退職ではなく、解雇となります。ただし、試用期間中であっても簡単に、一方的に解雇できるわけではありません。どのような理由が正当な解雇理由となるのかは、後述します。

1-3. 正社員以外にも試用期間を設けることができる

正社員以外の、有期の契約社員にも試用期間を設けることは可能です。ただし、民法628条および労働契約法17条では、有期雇用契約の労働者を解雇するためには「やむを得ない事由」を主張しなければならないとされており、これは試用期間中においても変わりません。そのため、正社員の場合よりも解雇の条件は厳しくなります。

民法第628条 やむを得ない事由による雇用の解除

当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

労働契約法第17条 契約期間中の解雇等

  1. 使用者は、期間の定めのある労働契約(以下この章において「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。
  2. 使用者は、有期労働契約について、その有期労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その有期労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならない。

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2. 試用期間やその条件を提示する方法

試用期間やその条件を提示する方法

試用期間を設けるためにはその条件をあらかじめ労働者に提示し、相互に確認しなければなりません。どのように試用期間の条件を提示すればよいか、また、試用期間の長さはどの程度が適切かを解説します。

2-1. 求人票、雇用契約書、就業規則などに示し、相互に確認する

試用期間の条件は明文化して労働者に示し、相互に確認して同意を得ておくことでトラブルが防げます。求人票や就業規則で明文化することに加え、労働契約書を取り交わすとよいでしょう。

就業規則や労働契約書に記載する内容は以下の通りです。

  • 試用期間を設けること、またその期間
  • 試用期間を延長する可能性、延長する場合の事由、延長期間、延長回数
  • 本採用が見送られる場合の事由
  • 解雇通知の方法について

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3. 試用期間の長さはどう決める?

試用期間の長さはどう決める?

試用期間には上限も下限も定められていませんが、3カ月とする場合が一般的です。試用期間の長さや、延長する場合について解説します。

3-1. 試用期間には決まりがないが、3カ月が一般的

試用期間に法的な制限はありませんが、3カ月が一般的です。特殊な技能を要する仕事などで、適性を判断するために時間が必要な場合は6カ月など長期の試用期間を設けることもあります。しかし、1年を超える場合は試用期間として長すぎると判断されることが多くなります。

試用期間を3カ月とする企業が多い背景には、「トライアル雇用」という助成金の制度もあります。これは経験や技能、知識の面から安定的な就職が困難な労働者に関して、ハローワーク等の紹介によって原則3カ月のトライアル雇用を行った場合、企業に助成金が支給されるというものです。

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3-2. 試用期間は延長できる

病気やけがなどで欠勤が続き、期間内に十分な判断ができなかった場合や、働きぶりから本採用とするには不安があると判断した場合、試用期間を延長することができます。

試用期間を延長するためには、あらかじめ就業規則等に延長の規定を作っておき、試用期間を開始する前に、会社側と労働者の双方が延長の規定を確認するようにしましょう。

就業規則等には、試用期間の延長について以下の項目を含めておきます。

  • 試用期間を延長するのはどのような場合か
  • 延長の期間の上限
  • 延長の回数の上限

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4. 試用期間の給与設定

試用期間の給与設定

試用期間の給与は本採用時より低くても問題はありません。ただし、最低賃金を下回ったり、不当に低くしたりすることはできません。また、残業代、深夜残業代、休日出勤代などの手当は本採用時と同様に支払う必要があります。

給与額については、会社側と労働者の間で合意が必要です。合意内容を記載した書面を交付する義務があるため、雇用契約書に試用期間中の給与に関する項目を定め、契約を交わしておきましょう。

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5. 試用期間中の解雇、本採用拒否

試用期間中の解雇、本採用拒否

試用期間中に解雇したり、試用期間満了時に本採用を拒否したりすることは可能ですが、こうした判断が簡単に認められるわけではありません。どのような理由であれば解雇や本採用拒否の理由として認められるか、また試用期間中に解雇する場合はどのような手続きを踏めばよいか、解説します。

5-1. 簡単には解雇や本採用拒否ができない

試用期間といっても、理由なく一方的に解雇や本採用の拒否ができるわけではありません。解雇や本採用を拒否するためには、正当な理由が必要です。

5-2. 解雇や本採用拒否が認められる理由の例

解雇や本採用拒否が認められる理由とは、社会通念上当然とされ、合理的理由として認められる理由です。判例によると、以下のような理由が本採用拒否の要素として判断されています。

  • 出勤率不良で遅刻・欠勤を繰り返す
  • 勤務態度が極めて悪く、かつ注意によって改善されない
  • 担当職務の変更や配置転換を行っても改善がなく、能力が不足している
  • 重大な経歴詐称や虚偽の事実がある

ただし、出勤率不良や勤務態度、能力不足などに関しても、会社が問題を放置し、指導を行っていない場合は解雇できません。試用期間は適性を見る期間ですが、同時に教育の期間でもあるためです。いきなり一方的に解雇や本採用拒否をするのではなく、まずは注意や指導を通じて改善をはかることが会社側に求められます。

また、未経験や新卒採用の社員に対して、能力不足を理由に解雇したり、本採用を拒否したりすることはできません。

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5-3. 試用期間中に解雇するための手続き

試用期間中に労働者を解雇する場合、試用期間開始から14日を境に、解雇に必要な手続きが異なります。

試用期間開始から14日以内

通常の場合、労働者を解雇する際は「解雇予告制度」に従い、少なくとも30日前に予告をしなければなりません。しかし、試用期間開始から14日以内の場合、労働基準法第21条の規定により、解雇予告義務および解雇予告手当支払義務は生じません。

試用期間開始から15日以降

試用期間開始から15日以降は通常の場合と同様に、解雇予告制度が適用されます。したがって、労働者を解雇しようとする場合、少なくとも30日前に予告をしなければならず、予告せず即日解雇する場合には30日分以上の平均賃金を解雇予告手当として支払わなければなりません。

5-4. 解雇や本採用拒否が難しいが、本採用に懸念が残る場合

解雇や本採用拒否となるほどの理由ではないにせよ、本採用に懸念が残る、という場合は試用期間を延長するという方法があります。試用期間を延長して、その期間中に指導や教育に手を尽くすことで、会社側と労働者側の双方が納得のいく形で本採用へ進めることができます。

そのほかには、正社員として結んだ無期雇用契約を有期雇用契約へと見直し、契約を更新していくという方法もあります。

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6. 試用期間の社会保険

試用期間中も、本採用時と同様に雇用保険、健康保険、労災保険、厚生年金保険といった社会保険に労働者を加入させることが義務づけられています。

7. まとめ

まとめ

試用期間はすでに労働契約を結んでいる状態であるため、簡単に解雇したり、本採用を拒否したりできるわけではありません。解雇や本採用の拒否、試用期間の延長などでトラブルにならないよう、あらかじめ試用期間に関する条件を提示し、同意を得ておくことが大切です。

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