採用課題
公開日: 2021/06/18  

面接官の質問で活躍する人材を見極める手法とは?

面接官の質問で活躍する人材を見極める手法とは?

中途入社で入社した社員に活躍してもらうためには、採用段階での面接時にどのような部分を確認し、評価すべきでしょうか。

この記事では、「面接でどのように質問すればいいかわからない」「面接時の評価と入社後の評価のギャップをなくしたい」「そもそも自社に合った採用基準がわからない」といった悩みを抱える人事担当者や採用担当者に向けて、活躍人材を見極める2つの評価基準を解説します。

1. 採用活動の本質を捉え、選考の指針を決める

採用活動の本質を捉え、選考の指針を決める

採用活動は、企業の認知から興味につなげたあと、応募者のなかから選考、オファーを行い、内定承諾を得るまでが一般的といわれています。ただ、人事の担うミッションは、それがすべてではありません。

1-1. 人事のミッションとは「活躍」までを見越した採用活動

採用活動は、採用が成功したら終わりではなく、入社後の活躍までを見越すことが重要です。入社後のオンボーディング(定着や活躍)も意識することで、自社で長く活躍できる方をいかに採用するかが、人事が担うミッションと言えます。

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1-2. 選考は「面接前準備」と「面接」に分けて考える

入社後の活躍を見越した採用活動をするには、選考を面接前準備と面接に分けて考えることがポイントです。ここからは、面接前準備での「自社に合った評価項目の作成」と、面接での「会話の進め方」「客観的な評価の仕方」に関して、それぞれのノウハウを解説していきます。

2. 見極めのポイントは「タイプ」と「スキル」

見極めのポイントは「タイプ」と「スキル」

人材の見極めには、タイプとスキルの2つの観点があり、これらは「思考・価値観」「行動特性(マインド)」「技量(スキル)」「知識」の4つに分けられます。

そこから、「思考・価値観」「行動特性(マインド)」はタイプに分けられ、「技量(スキル)」「知識」はスキルに分けられ、見極めをするうえでは、この2つの観点に分けてジャッジすることがおすすめです。

2-1. タイプとは、全社的な評価項目をベースとした観点

全社的な評価項目とは、営業、マーケティング、エンジニアなどの部門ごとの評価ではなく、「成長したい」「コミット力がある」など、全部門に求められる価値観や行動特性を持っているかどうかを指します。たとえば、「自発的な行動ができる部分が、自社に合うと思う」と考えられるような部分が、タイプの観点になります。

2-2. スキルとは、職種や部門ごとに異なる知識・技量の観点

すぐに活躍することが求められる中途採用では、スキルに注目されることが多く、職務経歴書などからも判断しやすい部分です。たとえば、これまでに法人営業やマネジメントの経験があるなど、前職での経験がスキルにあたります。商材の知識や業界の知識を持っている、といった知識の部分もスキルの観点に含まれます。

3. タイプとスキルに分けて見極めるメリット

タイプとスキルに分けて見極めるメリット

企業や人事の抱える採用の悩みは多岐にわたります。タイプとスキルに分けた見極めをすることで、選考時の評価にブレをなくし、候補者がバリューフィットする人材か判断できるようになります。

3-1. 評価の観点を役割分担することで、選考がブレない

企業や人事の抱える悩みには、「一次面接では多く通すが、最終面接で不採用になる」「人事の評価は高くても、現場の評価が低く不採用になる」などが多く見かけられます。これは、面接官ごとに評価基準の差があるために生じる問題だといえます。

たとえば、現場で一緒に働くことが少ない面接官の場合、現場の人に比べてスキルをジャッジすることは難易度が高いでしょう。一例ですが、スキルは現場の社員たちが一次面接時にジャッジし、タイプのみを最終面接官がジャッジするというように、面接官に合った評価項目を分担することで、曖昧な評価が減り、選考にブレが出にくくなります。

選考での役割分担例

3-2. 面接時の一問一答を防ぐには?

面接で志望動機や経歴について質問をしていると、予期せず一問一答になってしまい話を掘り下げられないことがあります。一問一答形式では候補者のことを深く知ることができず、活躍できる人材かどうかの見極めは難しいでしょう。面接時にもタイプとスキルを分けて考えることで、どのような質問をすればよいかを明確にできます。

入社するにあたって必要な能力の部分であるスキルは、事前に提出されている職務経歴書から確認しやすいこともあり、比較的ヒアリングしやすいです。しかし、タイプに関しては候補者の人柄や志向性、素養・素質といった部分の見極めが必要になり、これは職務経歴書だけでは見抜けません。そのため、会話していくなかで確認する必要があります。

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3-3. 採用条件が明確になり、ミスマッチを防ぐ

タイプとスキルに分けて見極めると、自社が優先したい項目に沿って、候補者に求める条件を決めることができます。

たとえば、「離職率を下げたい」「長く活躍してほしい」と考える場合、スキルが多少足りなくてもタイプさえ合っていれば入社後に成長する見込みがあるため、タイプの合致を優先条件として、スキルは次の条件に設定できるでしょう。このように、タイプとスキルを分けて評価することで、どの部分に焦点を当てて見極めればよいかが明確になるので、採用後のミスマッチを防ぐことにもつながります。

4. 評価項目は、タイプのベースとなる3項目から落とし込む

評価項目は、タイプのベースとなる3項目から落とし込む

退職理由の多くは、スキルが合っていないだけではなく、会社の考え方=タイプに合っていないケースもあります。すでに自社で活躍している人が、逆説的にどのような人材であるかをベース項目に反映していくことで、自社の評価項目を定義できます。

4-1. タイプのベースとなる3項目と

タイプを考えるうえでベースとなる3項目は下記が一般的です。

  1. 企業が掲げる理念・バリュー
  2. 活躍人材のデータ分析
  3. 求める人材のイメージ

それぞれ、「企業理念を体現できる人材とは」「実際に活躍している社員の素養・素質とは」「求める人材のペルソナとは」といったように分析していき、言語化します。

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4-2. ベースの候補は、活躍社員を複数名選出する

評価ベースとなる人材候補は、過去に採用した中途・新卒入社者のなかから、現在活躍している社員を複数名ピックアップしましょう。その複数名の人たちには、どういった素養・素質があるのか、前職ではどういった企業に在籍していたのかなど、共通要素を割り出していきましょう。

ベース人材を決める際は、ピックアップした社員の上司を含め、人事、マネージャー職、部門長で話し合うと決めやすくなります。

4-3. 見極めるための共通要素を言語化したものが評価項目となる

評価項目は、上述した3項目に共通する要素から落とし込むことができます。自社で大事にしているベース部分の共通要素を見つけ出し、その共通要素はどういった文言で評価できそうか、どういった項目でベースをジャッジしていくべきかを決めます。

一例ですが、企業理念を言語化したものと、活躍人材のデータ分析を言語化したものに「他者批判をしない」という共通要素がある場合、評価項目は「誠実さ」と変換できます。さらに、「誠実さ」の評価項目に対して「自分の信念をもって行動することができる」と定義することで、自社の定める「誠実さ」の内容を認識し、具体的な質問ができるようになります。

4-4. 評価項目を決めるときは、面接官の共通認識が重要

「素直さ」という要素に対して、「とにかく言われたことを実行できる」と捉える面接官もいれば、「できないことに向き合えること」と捉える人もいます。面接官によって、さまざまな捉え方があるからこそ、どのような意味で評価項目を決めているかを定義し、共通認識することが重要です。定義が難しい場合には、社内で活躍している人の行動や実績を挙げて、認識を揃えていきましょう。

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5. 活躍人材を見抜くためのコンピテンシー面接

活躍人材を見抜くためのコンピテンシー面接

コンピテンシーとは、「ある仕事や役割において、優秀な成果や成績を残す人に共通する行動特性」を意味し、問題解決能力や対人理解力などが具体例として挙げられます。

タイプの評価項目となる候補者の人柄や素養・素質の部分は、職務経歴書からは読み取れないため、会話のなかから確認する必要があります。その方法としては、「コンピテンシー面接」(※)が有効です。正しく判断するためにも、最低30分~1時間ほどかけて面接を行いましょう。短時間で切り上げてしまうと、タイプやスキルなどがしっかりと確認できないばかりか、会社への心証が悪くなる可能性があります。

(※)「コンピテンシー面接」とは、候補者が過去に経験したことや取り組みに対して質問を重ね、掘り下げていく面接手法です

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5-1. ヒアリングの基本は「なぜ?どうやって?」

たとえば「リーダーシップを発揮した経験を教えてください」と質問した場合、その返答を聞いて会話を終えるのではなく、「それはどのように行ったのですか?」「なぜそうしようと思ったのですか?」と質問します。内容を深掘りしていくことで、過去の行動や取り組みについて、より具体的に知ることができます。

5-2. 候補者主導の会話から、過去の行動を中心に聞き出す

コンピテンシーを確認するうえで大事なのは、面接官が主導となって会話を進めるのではなく、候補者主導の会話にすることです。そして、どのように考えているかを中心に質問するのではなく、過去にどのような行動をとってきたのかを中心に聞き出すことが基本となります。

5-3. 再現性のある成果を確認する

本人が生み出した成果のなかには、会社の知名度によるものや、運・偶然などによる再現性のない成果の場合があります。これらの成果だけでは、入社後に再び活躍できるかが不明確なため、面接時には再現性のある成果の確認が必要です。

5-4. 言葉使いに注目する

誠実さは些細な部分に出ます。エピソードを話している際に、ビジネスシーンで使う言葉ではない発言がポロっと出てしまったり、お客様のことを下に見る発言があったりした場合は、一次面接では懸念として書き留め、二次面接での発言をチェックするように面接官へ共有しましょう。

5-5. 適性テストと会話の内容を照らし合わせる

性格や対人力の適性テストを事前に行い、面接時に自身の強みや弱みについて聞き取ることも有効です。もし、適性テストの結果と話の内容に相違があるなら、自己認知が間違っているか、脚色して話している場合が考えられます。コンピテンシー面接を繰り返して、ロジックが通っているかを見極めましょう。

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5-6. 面接時の会話を記録に残す

面接時の会話を細かく記録せずにポイントのみ記録している場合、前回の面接での発言と相違がある、などの違和感を見つけにくくなります。面接で話したことは必ず記録に残し、最終面接でブレがないかを確認するのがおすすめです。

6. 候補者主導の会話にするテクニック

候補者主導の会話にするテクニック

候補者は面接時に、緊張していて上手に話せなかったり、面接官に合わせるように受け答えしたりすることもあります。候補者が主導となる会話を進めていくためには、どのようなポイントを押さえればよいのでしょうか。

6-1. 大き目の質問からエピソードを引き出す

一問一答になるような質問ではなく、これまでのエピソードを引き出せる、抽象的な質問を投げかけることがポイントです。返答に対して「なぜ?どうやって?」を繰り返していくことで、候補者がエピソードを話しやすいように促します。

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6-2. エピソードを深掘りする

候補者が話してくれたエピソードに対して、深掘りして聞くことにより、候補者は実際に起きたできごとを思い出しながら話すようになります。評価項目について聞きたいがあまり、「あなたのモチベーションの源泉は何ですか?」「ストレスを感じる瞬間は?」と一問一答のように質問してしまうと、答えづらかったり、面接官に合わせるように受け答えしたりすることがあるため、過去の経験から深掘りしていくことが基本となります。

エピソードの深掘り例

6-3. 面接官よりも候補者が話す割合を多くする

基本的には、面接官よりも候補者が話している時間の方が長くなるイメージで面接をします。候補者との会話のなかで深掘りした質問を行い、自社の評価項目について客観的に判断していきましょう。

7. 評価はわかりやすいように5段階にする

評価はわかりやすいように5段階にする

評価基準が〇か×かの二択だったり、評価の判断材料となる具体的な内容がなかったりすると、極端な判断をしなければならないため、ジャッジが難しくなります。そのため、評価基準は5段階に設定するのがおすすめです。

7-1. 合格基準を決めて、評価に傾斜をかける

評価項目ごとに、5段階の評価基準を決めます。3点が「基準をやや上回る」として合格基準と決めた場合、そこを起点に、2点の場合は「基準をやや下回る」としてNG評価、4点の場合は「基準を上回る」として合格の判断をします。

5段階評価の例

7-2. 点数化によって、目線が合わせやすくなる

一次面接と二次面接で同じ評価項目を見ていても、ひとりの面接官は3点、もうひとりの面接官は5点とジャッジした場合、目線のズレが出てくることがあります。○か×かの二択にしてしまうと、細かい目線のズレを合わせづらいですが、5段階評価であれば目線を合わせやすくなります。

7-3. 評価基準による適切な選考・採用判断につながる

合格基準をやや下回る項目があっても、他の項目によってカバーできるのであれば、入社後の活躍も期待できるでしょう。しかし、やや下回る項目や大きく下回る項目が1つあるために、合格基準を満たしている他の評価項目まで悪影響が及ぶ場合は、不採用といった判断がしやすくなります。

曖昧な評価基準のままでは、「採用人数を担保するため、迷ったが選考を進めた」などの理由で曖昧な判断してしまう可能性があります。活躍人材を見極めるためにも、5段階評価を基に適切な判断をしましょう。

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8. 活躍人材は、「タイプ」と「スキル」の評価によって見極める

活躍人材は、「タイプ」と「スキル」の評価によって見極める

人事や採用担当者が押さえておきたいポイントは、以下のようになります。

【活躍する人材を見極めるには】

  • 自社の求める人材像を「タイプ」と「スキル」に分けて考え、明確な評価項目を定める
  • 面接官の目線を合わせるため、評価項目や評価基準の共通認識・役割分担を行う
  • コンピテンシー面接を用いて、過去の行動を中心に深掘りする

求める人材を見極めるためには、候補者と向き合う面接官全員の目線を合わせていくことが大切です。面接では、候補者を深掘りする質問を意識しましょう。

執筆:佐藤 謡子(HRreview編集部)、編集:立野 公彦(HRreview編集部)

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