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公開日: 2021/08/12  

アウトソーシングは企業の競争力を高める! メリットやデメリットを知ろう

アウトソーシングは企業の競争力を高める! メリットやデメリットを知ろう

アウトソーシングとは社外に業務を委託することです。コスト削減や企業の競争力を高めることにつながるため、企業戦略の視点として重要となってきています。

本記事では対象分野が拡大し、サービスが高度化しているアウトソーシングについて、注目される背景や種類を紹介するとともに、メリットとデメリットも見ていきます。また、導入手順と委託先を選ぶ際のポイントについても紹介します。

1. 「アウトソーシング」とは

「アウトソーシング」とは

アウトソーシングとは外部(アウト)から調達(ソーシング)することで、自社業務を社内のみで完結するのではなく、その業務を専門とする外部人材や外部企業に委託することを指します。社外の専門業者に業務を任せることでサービスや業務の品質向上が見込まれたり、自社の人材をコア業務に集中させることによって生産性や付加価値の向上につながったりする効果が期待できます。

なお、業務を依頼する側を「委託企業」、委託を受ける側を「委託先企業(受託企業)」と呼びます。

1-1. アウトソーシングに向いている業務とは

アウトソーシングはコールセンターやカスタマーサービスなど、仕事の進め方や対応方法がある程度マニュアル化できる業務に向いています。

会計・税務などもアウトソーシングに向いており、特に税務業務は法改正が頻繁で社内でその都度対応するのはコストがかかるため、専門企業にアウトソーシングをするメリットがあります。繁忙期と閑散期が明確な場合は繁忙期のみアウトソーシングをすることも選択肢の一つです。

なお、総務・事務・秘書業務といったバックオフィスのうち、定型的な業務のみを切り出して委託する企業も多くあります。

1-2. アウトソーシングに向かない業務とは

委託企業が取り決めたルールに沿って、委託先企業に業務を遂行してもらうことが一般的なアウトソーシングの形式です。したがって業務手順が煩雑でマニュアル化できない業務はアウトソーシングに向きません。

企業の根幹を担うコア業務もアウトソーシングには不向きです。アウトソーシングをしてしまうと、コア事業のノウハウが社内に蓄積されず、自社の強みが失われてしまう懸念があるからです。

1-3. アウトソーシングと人材派遣の違い

「人材派遣」も、外部のリソースを活用する点は「アウトソーシング」と同じですが、両者には以下のような差異があります。

  • 人材派遣
  • 委託企業が人材派遣会社に所属する人材を受け入れ、その人材は委託企業で業務を進めます。そのため「委託企業における労働」に対して支払いが発生します。
    指揮命令は人材派遣会社ではなく委託企業で指示し、業務によっては研修を受けさせるなど、一定の育成が必要です。

  • アウトソーシング
  • 委託先企業に委託した業務の「遂行」や「成果物」に対して支払いが発生します。指揮命令権は委託先企業にあるため、業務の進め方は委託先企業に委ねられます。

ちなみに「コンサルティング」も業務を外部発注する点でアウトソーシングと似ています。しかし、コンサルティングは定型業務を行うものではありません。経営や戦略に応じて企画や事業設計を立案し、それに沿って実現のアドバイスやサポートを遂行します。ほかにもアウトソーシングと異なる点として、実働場所が限定されていないことが挙げられます。委託された業務を、委託先企業に赴き遂行する場合や所属するコンサルティング会社内で遂行する場合など、実働場所はケースにより分かれます。

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2. アウトソーシングの種類 BPO、ITO、KPOとは

アウトソーシングの種類 BPO、ITO、KPOとは

アウトソーシングが活用される業界や業種は幅広くあります。ここでは、アウトソーシングの種類を紹介します。

2-1. BPO(Business Process Outsourcing)

BPOは「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の略です。業務プロセスのうち、特定の定型作業を切り分けて委託するのではなく、業務プロセスをまるごと委託します。

例えばプロジェクトの企画・設計から実施、実施後の改善までのプロセスをまるごと、ノウハウのある専門の委託先業者に継続して委託するイメージです。

BPOでは部分的な定型作業のみを委託する場合よりも、委託先企業の自由度が高い傾向にあるようです。そのため、従来のようにマニュアル化された業務や単純作業に限らない業務も委託可能となります。

近年は、マーケティングなどのより高度な専門性が求められる業務がBPOとしてアウトソーシングをされるなど対応可能な業務の幅が広がっています。

2-2. ITO(Information Technology Outsourcing)

ITOはIT分野のアウトソーシングで「インフォメーション・テクノロジー・アウトソーシング」の略です。

具体的には、社内システムの設計・開発・保守、自社Webサイトのメンテナンス、サーバー管理、ソフトウエアの設計・開発など幅広い業務が該当します。

IT分野は進化のスピードが速く、最新の技術や知識を持つ人材が必ずしも社内にいるとは限らないため、アウトソーシングの需要が高いといえます。

2-3. KPO(Knowledge Process Outsourcing)

KPOは「ナレッジ・プロセス・アウトソーシング」のことで、情報分析などの知的業務処理のアウトソーシングを指します。例えばデータの収集や加工、データの分析・解析(アナリシス)などに関する判断力や専門的な分野の知識を求められる委託事業がKPOです。

特に海外ではKPOの需要が拡大しつつあります。その要因としてビッグデータの活用が求められていることが挙げられます。「データサイエンティスト」と呼ばれる、ビッグデータを分析・活用して経営に役立てることができる人材は容易に育成・採用できるわけではありません。KPOの需要は今後日本でも高まると予想されます。

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3. アウトソーシングが注目される背景

アウトソーシングが注目される背景

株式会社矢野経済研究所が2021年4月に発表した「人事・総務関連業務アウトソーシング市場に関する調査」を見ると、アウトソーシングの重要が高まっていることが分かります。

2019年度の人事・総務関連業務のアウトソーシング市場規模(主要14分野計)は8兆6,542億円で前年度比 4.1%増加、5年連続で成長しています。

参考:人事・総務関連業務アウトソーシング市場に関する調査を実施(2021年)│矢野経済研究所

アウトソーシングの市場が成長を続けている背景には、働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)に対応するためにアウトソーシングの導入を検討する企業が増えていることが考えられます。

政府は将来的な労働力人口の減少に備えて、働き手の環境や事情に応じて多様な働き方を選択できる社会の実現を目指す「働き方改革」や、デジタル技術を活用してビジネスモデルを変革する「DX」を推進。同時に「時間外労働の上限規制」や「年次有給休暇の確実な取得」「男性の育児休暇の取得促進」などの改革も並行しています。企業全体の生産性の向上が課題といえます。

このような背景から、社内で抱えている業務負荷を社外に出そうという動きが活発化し、アウトソーシングの導入が注目されていると考えられます。

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4. アウトソーシングのメリット

アウトソーシングのメリット

アウトソーシングを取り入れることによって企業が得られるメリットを紹介します。

4-1. 経営資源の有効活用

ノンコア業務(非主力業務)のアウトソーシングをすることで、人材を中心とした経営資源をコア業務(主力業務)に集められます。経営資源の集中によって、企業の強みや価値を高めるコア業務の発展につながり、企業の競争力を高めることが可能です。

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4-2. 業務の品質向上

アウトソーシングをする際の委託先企業は、その分野のエキスパートで機材・システムなど業務の遂行に必要な環境も整っています。社内で対応するよりも短時間かつ高精度に業務を完遂できるほか、業務の品質向上につながります。

4-3. 属人化の防止

属人化とは特定業務の遂行が特定社員に偏ることで、業務内容をその社員でなければ理解できなくなってしまう状態を指します。

マニュアルを作成してアウトソーシングをすることで、作業の見える化が実現し、属人化の防止につながります。アウトソーシングをする際の発注と納品、進ちょく確認といった管理業務も併せてマニュアル化することで、業務の可視化をさらに進められます。

4-4. 人件費・固定費の抑制

アウトソーシングでは人件費を変動費化することが可能です。変動費化によって「繁忙期と閑散機」「景気のいい時期と悪い時」など、状況に合わせて委託量を調整できます。アウトソーシングをした業務については採用コストや研修コストも抑制できます。

業務のアウトソーシングによって該当業務に伴うシステムや設備コストが削減できるのも大きなメリットといえるでしょう。

4-5. 組織再編

企業が成長して部署やルールが増えてくると、組織の肥大化が懸念されます。組織の肥大化とは「一つの業務を実行するのに多くの社員の承認を得なければならない」といった状態です。組織が肥大化することで「作業効率の低下」「不要なルールが社員の意欲を奪う」といった問題が生じます。

そのような場合に作業効率の悪い業務のアウトソーシングをすることで、プロセスのスリム化や組織再編を図ることが可能です。

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5. アウトソーシングのデメリット

アウトソーシングのデメリット

アウトソーシングにはメリットと同時にデメリットが生じる可能性もあります。

5-1. ノウハウが蓄積されない

アウトソーシングをした業務は社内にノウハウが蓄積されません。それがノンコア業務であったとしても、ノウハウが蓄積されていないと業務体系の見直しや業務のブラッシュアップ(洗練化)を図ることが難しくなったり、実行までのスピードが低下したりするでしょう。

仮に委託先企業の倒産やアウトソーシング事業からの撤退が発生した場合、自社にノウハウがなければ業務が滞るリスクもあります。

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5-2. 情報漏えいのリスクがある

委託先企業において企業機密や顧客情報など、重要情報が漏えいするリスクがあります。コストだけでなく、セキュリティ体制も重視して委託先を選ばなければなりません。

5-3. ガバナンス弱体化のリスクがある

アウトソーシングでは業務の進め方が委託先企業に委ねられるため、業務内容を細かく把握しにくくなります。業務工程に目が届かなくなることで、品質管理やデータなどの分析が適切に遂行されない状況に陥ると、ガバナンスが弱体化する懸念があります。ガバナンス弱体化を防止するためには、スムーズに意思疎通できる企業に委託することが重要です。

5-4. コスト削減につながらない場合がある

アウトソーシングをするためには社内で業務プロセスの整理やマニュアル化をし、委託先企業とのルールの取り決めを行います。この工程にもコストがかかることを認識しておきましょう。

委託後も「進行確認」「成果物のチェック」といった一定のコストが発生します。目先のコスト削減だけにとらわれてしまうと、納期が守れなかったり、品質が安定しなかったりといった問題が生じるかもしれません。その問題を解決するために委託企業の社員が対応する必要が出てくれば、結果的にコスト削減にならない恐れがあります。

委託企業は委託しようとする業務が社内でどのような役割を持っているかを再確認し、全体最適(※)の視点を持ったうえで、役割に沿った成果を出せる委託先企業に委託する必要があります。

※全体最適とは、企業や組織、またはシステム全体が最適化された状態を示す経営用語の一つ。

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6. アウトソーシング市場の今後

アウトソーシング市場の今後

委託先企業のなかには付加価値のあるアウトソーシングサービスを提供する企業があります。ここではその具体例を紹介します。

6-1. RPA(Robotic Process Automation)

RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション」のことで、従来は人の手で行っていたPC業務の自動化を指します。「Excel」における「集計作業の自動化」や「インターネット上の情報を自動取得」などが一例です。アウトソーシング業務をRPAによって自動化することで、さらなる効率化を実現します。

コスト削減が目的の場合に特に有効です。

6-2. 福利厚生アウトソーシング

専門企業に福利厚生制度のアウトソーシングをすることです。

自社の制度よりも充実した福利厚生を提供しやすく、一定のコストでより幅広いニーズに応じることが可能です。また、制度を利用する社員にとっても上司や社内の部署に申請する必要がなくなるため利用しやすくなるメリットがあります。

6-3. RPO(Recruitment Process Outsourcing)

RPOとは「リクルートメント・プロセス・アウトソーシング」の略称で、採用業務をアウトソース(外部へ委託)することを指します。

「採用の専門家」をアウトソースすることで「人事部自体が人手不足で、スキルを持った採用担当者がいない」「採用業務の精度を高めるために、内定辞退や早期退職を防止するノウハウが必要」といった課題の解決を図ります。

時代の変化により採用活動の場でオンライン説明会やオンライン面接の需要が増加していることも、RPOが注目されている要因と考えられます。

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7. アウトソーシング導入の手順

アウトソーシング導入の手順

アウトソーシングを導入する際の手順は次の通りです。

7-1. 事前準備

アウトソーシングをする業務の内容を明確化します。例えば、タスクのリストアップ、納期の設定などです。併せて「情報漏えい」や「ガバナンス弱体化」など、アウトソーシングで生じる可能性のあるリスクについても検討します。

7-2. 委託先企業の選定

自社のアウトソーシングの目的を踏まえて、コストと品質のバランスはもちろん、実績やセキュリティ面などを総合的に判断しながら、委託先企業を選定します。選定する際の具体的なポイントは後述します。

7-3. 委託先企業との契約

委託先企業が決まったら契約を結びます。業務量や業務内容に柔軟性がある契約だと、状況に応じてコストを調節できます。契約時に作業の説明と作業ルールも丁寧に取り決めましょう。

7-4. アウトソーシング開始

アウトソーシング開始後すぐはエラーやトラブルの発生が見込まれます。アウトソーシングが軌道に乗るまでの期間は、これらのイレギュラー対応があるものと考えておきましょう。軌道に乗った後は、業務の進ちょく管理や成果物の確認などが主な対応業務です。

なお、費用対効果を検討する際は、開始直後のイレギュラー対応を含めて算出します。

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8. アウトソーシングにおける委託先を選ぶポイント

アウトソーシングにおける委託先を選ぶポイント

アウトソーシングの目的は、業務の効率化、組織体系の適正化、コストの削減などさまざまです。

委託先を選ぶ際は自社における目的や得たい効果を念頭に、総合的に判断することが重要です。例えば「専門的な業務の品質向上」が第一の目的ならば、コスト抑制にこだわり過ぎないようにすることで、最適な委託先が見つかるかもしれません。

目的や得たい効果を明確にし、次のようなポイントに留意して委託先の企業を選びます。

8-1. コストと品質

コストと品質のバランスは重要な要素です。

見積もりを取り、具体的なコストを確認したうえで、コストに見合う品質や成果が得られるか判定します。選定時のコストの見極めでは、総合的な視点が重要です。先述の通り、アウトソーシングには「ノウハウが蓄積されない」「ガバナンス弱体化の懸念」といったデメリットがあるからです。それを考慮したうえで、長期的なコストを計算します。

コストを見極める際には「アウトソーシングは投資」という視点を持つことも重要です。仮に予想よりコストが多くかかっても、高い専門性や技術力のある企業に委託することで、品質改善や納期短縮など多くのリターンが得られるならば、アウトソーシングの価値があると判断できます。

8-2. 実績

委託先企業の実績を確認します。専門性の高い業務の場合は、求める水準に達しているかを特に注意して見極めます。打ち合わせのときに、業務効率化や業務内容のブラッシュアップなどの提案がある企業は、品質も期待できるでしょう。

8-3. セキュリティ面

委託先企業におけるセキュリティ対策や社内ルールなどの基本方針を定めた、セキュリティポリシーの提示を求めます。特に、個人情報や機密情報などを共有する場合は、セキュリティ面の確認をしっかり行いましょう。

8-4. 企業規模や業務範囲

委託先企業の規模や、業務範囲を確認します。委託企業の成長に伴い委託量が増加したり、委託分野が増えたりした場合でも対応できる規模であれば、その後も長くアウトソーシングできます。

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9. アウトソーシングを取り入れた業務改善を検討しよう

アウトソーシングを取り入れた業務改善を検討しよう

アウトソーシングの活用により、コア業務に社内の人材を集約して自社の競争力を高めたり、組織再編に役立てたりすることが可能です。採用業務のようにノウハウが求められる業務や、RPAといった付加価値の高い業務を対象とする委託先企業もあります。自社業務に何らかの課題を感じている場合は、アウトソーシングを取り入れて改善する可能性を検討してみてはいかがでしょうか。

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