採用課題
公開日: 2021/10/20  

【イベントレポート】日本の情報革命を起こし続ける、ソフトバンクの人材戦略

【イベントレポート】日本の情報革命を起こし続ける、ソフトバンクの人材戦略

2021年9月9日、株式会社ビズリーチは「日本の情報革命を起こし続ける、ソフトバンクの人材戦略」と題したWebセミナーを開催しました。

ソフトバンク株式会社 コーポレート統括 人事本部 採用・人材開発統括部 統括部長の足立 竜治様にご登壇いただき、採用の考え方や、採用チームの取り組み事例についてお話しいただきました。モデレーターは、株式会社ビズリーチ取締役副社長・酒井哲也が務めました。

■登壇者プロフィール

足立竜治様

足立 竜治 氏
ソフトバンク株式会社
コーポレート統括 人事本部 採用・人材開発統括部 統括部長

1997年日本国際通信株式会社入社(現ソフトバンク)。法人営業、ソリューションエンジニアの業務に従事した後、2007年に人事部門へ。
2012年から人事企画部長としてソフトバンクの人事企画全般、新規事業提案制度の立ち上げ、2013年からグローバル人事部長として、グローバル人事全般を担当。
2015年からソフトバンクロボティクス株式会社 人事部長を兼務。2016年からは組織人事部長として、主に技術部門向けのHRBPをリード。
2018年から組織人事統括部長として、組織人事全体を統括。
2021年より人材開発、および採用責任者として、ソフトバンクユニバーシティなど人材開発領域の各種施策や、ソフトバンクらしい「攻め」の採用戦略を牽引する。

■モデレータープロフィール

酒井さん

酒井 哲也
株式会社ビズリーチ
取締役副社長 ビズリーチ事業部 事業部長

2003年、慶應義塾大学商学部卒業後、株式会社日本スポーツビジョンに入社。
その後、株式会社リクルートキャリアで営業、事業開発を経て、中途採用領域の営業部門長などを務める。
2015年11月、株式会社ビズリーチに入社し、ビズリーチ事業本部長、リクルーティングプラットフォーム統括本部長などを歴任。
2020年2月、現職に就任。

1. ソフトバンクの事業と採用について

足立  「ソフトバンク」と聞くと「携帯電話の会社」とイメージする方が多いと思います。しかし現在は、ヤフー株式会社やLINE株式会社などを含め300社を超えるグループ企業があり、圧倒的なお客様チャネルを抱えています。

2021年4月には持続的な成長の実現に向け、役員体制を刷新。「Beyond Carrier」という成長戦略の下、コアとなる通信事業と並行して、新領域も拡大する成長戦略を描いています。

ソフトバンクの成長戦略

1-1. ソフトバンクのキャリア採用

ソフトバンクでは、中途採用を2017年度より再スタートしています。

事業の成長を加速させるにあたり、通信事業だけではなく、新領域における複数の成長事業を具体化できる人材が必要です。

キャリア採用数増の背景

募集ポジションは、エンジニア、ビジネス、クリエーティブ、コーポレートを含めて計200にわたり、募集総数は約700名。うち70%がエンジニアです。国内のIT人材は今後も40~80万人規模で不足することが予想されており、他社と同様に当社でもエンジニアの採用を強化することが重要と考えています。

2. 採用チームの取り組み事例

では具体的にどのような採用をしているのかを説明していきます。

2-1. キャリア採用体制

キャリア採用の体制は、母集団形成や選考、スカウト、候補者フォローなどを行う12名のリクルーターと、選考管理・日程調整などのオペレーション業務を行う10名のコーディネーター(うち派遣社員7名)で構成されています(2021年9月時点)。

リクルーターには、人事の専門だけではなく、営業やマーケティング、エンジニアなどさまざまなバックグラウンドを持つ人材が集まっています。多様な人材を採用するうえで、多様なリクルーター人材の存在が大事だと考えています。

採用規模や採用チーム体制は大きいものの、実際には、「募集ポジションが多すぎる」「事業変化が早すぎる」「リクルーターの経験不足」など、さまざまな悩みがあるので、課題に応じた対策を進めています。

2-2. 募集ポジションを分類することでセグメント別に対応

母集団形成では、まずは募集ポジションを分類するところから始めます。

具体的には、母集団の対象人数が多いか少ないか、応募喚起率が高いか低いかで、4象限に分類してマッピングしています。

対象人数が多いのは「転職市場にいる層」(顕在層)、対象人数が少ないのは「転職市場に出てくる前か、出てきた瞬間に採用されている層」「転職市場にいない層」(潜在層)です。

母集団・応募喚起率によるセグメント

母集団・応募喚起率によるセグメント

そして、これらのゾーンごとにチャネルを分け、採用施策を考えています。

母集団・応募喚起率によるセグメント

ソフトバンクの採用ポジションの場合

3. ソフトバンクのキャリア採用戦略

キャリア採用戦略では、

  • RPO(リクルートメント・プロセス・アウトソーシング)の活用の最大化
  • 自社採用力の強化
  • 採用ブランディング
  • 候補者ファースト
  • 入社後フォロー
  • 社内トレーニング

の6つの観点で取り組みを進めています。

3-1. RPOの活用の最大化

顕在層採用においては、一部の募集ポジションにてRPOを活用しています。選考業務以外を業務委託し、採用の効率化を図っています。ポジションの集約が重要なので、JD(ジョブディスクリプション)が似ているものはまとめ、書類の振り分けができる採用部門の担当者を立てています。合否基準の目線を合わせ、選考スピードを上げることで、立ち上げから半年で100名の採用を達成しました。

RPO

ポジションの集約

3-2. 自社採用力の強化

自社採用力を上げるために、転職市場に出てこない層へのアプローチや、一度タッチした人材の有効活用を進めています。具体的には、「ダイレクトスカウト」「リファラル社員紹介」「タレントプール」です。

ダイレクトスカウト

採用部門が求める要件を把握してスカウトを送るため、候補者とポジションがマッチしやすい特徴があります。カジュアルな面談を通じて接点を創出することで、伝えられる情報量を増やしています。

結果、応募から受諾に至る率が8%(2020年度の応募者)、入社1年後の定着率は93%になりました(2019年8月以降に入社した社員の1年後の定着率)。

リファラル社員紹介

働いている社員からの紹介のため、採用部門のニーズにマッチする人材を採用しやすくなります。社内の雰囲気や働く環境を正しく伝えやすくなり、応募から受諾に至る率は22%(2020年度の応募者)。1年後の定着率は100%という結果になりました(2019年8月以降に入社した社員の1年後の定着率)。

タレントプール

さまざまな採用チャネルで接点を持った人をプールし、必要なタイミングでアプローチできる仕組みを整えています。年に一回「ソフトバンクグループキャリアLIVE」というイベントを行っており、その参加者約2,800名もタレントプールの対象としています。

3-3. 採用ブランディング

採用に関する情報は当社が運営するWebサイトに集約し、オウンドメディアとして、エンジニアの社員のインタビューや、女性のキャリア支援をはじめとしたダイバーシティ推進のコンテンツを強化しています。

採用ブランディング

3-4. 候補者ファースト

候補者のニーズにあわせて選考を進められるよう、顕在層や潜在層ごとに取り組みを分けています。

顕在層向けには「1Day選考会」を実施。事前に会社や募集ポジションについて説明をする時間を設けたうえで、土日を使って1日で面接を終了する仕組みをとります。選考スピードで他社からアドバンテージをとれるほか、一度に複数の候補者を比較して優秀な人材を絞れることに加えて、複数名の内定が期待できます。

1Day選考会の概要

ソフトバンクでは選考のリードタイムは平均34日としており、応募から初回面接は19日、初回面接から内定受諾は14日で進めています。

潜在層向けには、「候補者とのフォロー面談」を実施しています。1次面接と2次面接の間にフォロー面談を入れ、疑問点の解消や不安の解消、次の選考ステップへの移行率を上げることが目的です。

フォロー面談のポイント

3-5. 入社後フォロー

入社後フォローでは、入社3カ月後にコンディションチェックとしてアンケートを実施。また、月に1回全社員にパルスサーベイを行います。

採用部門が何をすべきかオンボーディングマップを作成し、入社後面談を行うなど入社者が活躍して定着できる体制づくりを進めています。

3-6. 社内トレーニング

人事側のリクルーターのスキルアップに向けて、採用ノウハウをインプットする研修を行っています。

人材を募集する採用部門の面接官に向けては、面接にリクルーターが同席し、(最近はオンライン面接が主のため)オンラインでの画面の映り方や話し方についてフィードバックしたり、候補者からの感想をもらうなど、採用部門の面接官の「自己流」を防止して、質の向上に努めています。

そのほかの取り組みとしては、採用オペレーションの効率化に向けてRPAを導入。もともとソフトバンクでは4,000人分の業務のデジタル化を目指す「デジタルワーカー4000プロジェクト」を推進しています。

採用オペレーションにおいても、これまでやっていた手作業のメッセージ送信やデータの更新作業、エクセル入力などを自動化し、ヒューマンエラーの削減にもつながっています。

RPAを活用し業務効率化を実現

RPAを活用し業務効率化を実現

4. Q&A

セミナーの後半には、視聴者から多くの質問をいただき抜粋してお答えいただきました。

セミナー参加者からの質問

Q1. リクルーターの一人当たりの採用目標人数と役割を教えてください。(例:職種別、事業部別、採用窓口別など)

A. エンジニアを担当するチームと、それ以外のビジネス領域担当のチームに分けており、一人当たり、年間50~60名を目標にしています。

各種チャネルを用いた母集団形成~面談だけでなく、採用マーケティングやリファラルの推進などの施策も各リクルーターが行っています。

セミナー参加者からの質問

Q2. 「カジュアルな面談」はどのように実施しているのでしょうか。工夫されていることがあれば教えてください。

A. 各リクルーターがビズリーチなどを活用して候補者にスカウトを送り、面談を設定して会社紹介をしています。

普段の働き方を丁寧に伝え、自己開示することを大切にしています。また、カジュアルな面談後にもフォローの連絡をして、候補者との接点を多く設けています。

セミナー参加者からの質問

Q3. 面接官それぞれの個人感覚や差を防ぐ目的で、目線合わせのための具体的なアドバイスや解決策はあるでしょうか。

A. 面接官の中には「面接する側」であるという意識を持っている人がいるので、「アトラクトする側」であるという意識を持ってもらうのが重要です。

そこを意識して面接官トレーニングを行い、目線合わせができていると思っています。

セミナー参加者からの質問

Q4. 足立様はエンジニア採用をご担当ですが、ご自身はエンジニア出身でしょうか。エンジニアの経験がない人事として、注意すべきことなどはありますか。

A. 人事に来るまでに、7カ月だけですがエンジニア経験があるので、少しはエンジニアの気持ちがわかると思っています。

人事の前はHRBPをしていましたが、エンジニアにおいてもビジネスにおいても、どれだけ採用部門の本業理解を深められるかが重要だと考えています。「勉強会をしてください」「業務の詳細を教えてください」と現場に働きかければ教えてくれる。ジョブディスクリプションでは見えない情報をいかに自分から取りに行くか、理解しようと努力するかが大事だと思います。

セミナー参加者からの質問

Q5. リファラル採用を社内浸透させるために工夫されている点を教えてください。

A. 社員紹介によって採用が決定した際にはその社員にインセンティブを出していますが、金額が大事ではないと思っています。

マスにプロモーションを打つことも必要ですが、採用部門のトップにきちんと説明し、そこから現場に落とし込んでもらうことが大切でしょう。当社の場合、リファラル採用による入社率は、管理職以上が紹介した場合は4割以上と高く、一般社員からの紹介とは数値として大きな差が出ています。データをもとに、管理職からの紹介によるリファラル採用も強化しています。

セミナー参加者からの質問

Q6. SNSを採用にどのように活用されていますか。

A. 情報発信という意味ではSNS、自社メディアを中心に、採用HPや新着求人に誘導するように広報しています。

チャネルはすべて有効活用したいと考えています。

セミナー参加者からの質問

Q7. 採用効率を高めるためのRPAの導入について具体的に教えてください。

A. RPA導入は、採用業務の領域だけではなく全社的に行っている取り組みです。

人事も営業もプロダクト部門も、RPAを活用して業務効率化を図っています。4,000人分の業務のデジタル化を目指しており、それによって創出された時間で新たな技術開発などに取り組んでいます。

導入にあたっては、RPAでできることを担当者が理解したうえで、どの業務に活用すれば最も効率的か、優先順位をつけて導入を進めていきました。採用業務の領域では、選考後の後処理とオファーレター作成を自動化しています。

セミナー参加者からの質問

Q8. タレントプールの管理方法、活用方法(定期フォローのタイミング等)の工夫がありましたら教えてください。

A. 募集ポジションが200あるので、「AというポジションでマッチしなくてもBかCでマッチするのでは」とリクルーターが相互連携し、マッチできるポジションを紹介し合っています。

今目指しているのは、過去に受けていただいた方をタレントプール化し、「このタイミングであれば、あの候補者にぜひご入社いただきたい」という情報をデータベース上で管理すること。しかるべきタイミングでアプローチできる仕組みづくりに取り組んでいます。

セミナー参加者からの質問

Q9. オンボーディングマップでは具体的に何に取り組んでいますか。

A. これからオンボーディングを強化していきたいと考えています。

現在は「選考段階」「立ち上がり期」「自立期」とフェーズを分け、立ち上がり期では、入社初日にオリエンテーションやメンターとの顔合わせ、ウェルカムランチなどを、新型コロナウイルス感染症の状況を考慮しながら行っています。部門側もオンボーディングマップを参考にしながら1on1を定期的に行い、人事側も入社後3カ月でサポートのための面談を実施。やるべきポイントをマップに落とし込み、見える化しています。

リモートワークが中心の今だからこそ大事にしていることは、必要最低限の出社のなかでできる限り顔を合わせて、新たに入社した社員から不安な点を直接聞けるように受け入れ側の体制を作ること。アナログかもしれませんが、立ち上がり期においては、顔を合わせて関係を構築していくのが大事だと思っています。

最後に、視聴者の皆様へメッセージをいただきました。

足立竜治様足立 竜治 氏

Q&Aでは視聴者からいただく質問の数の多さに非常に驚きました。ここまで関心を持っていただき、最後まで聞いていただいたことに感謝しかありません。

多少なりとも皆様の採用活動の参考になったら何よりです。今回は貴重な機会をいただきありがとうございました。

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