採用課題
2019/07/19

人柄や論理的思考力、表現力がより深くわかる「プレゼンテーション面接」|特徴的な面接手法の概要と効果(第3回)

人柄や論理的思考力、表現力がより深くわかる「プレゼンテーション面接」|特徴的な面接手法の概要と効果(第3回)

多くの企業が難しいと悩む、リーダー候補・マネジメント人材の採用で役立つ「インシデントプロセス面接」を解説した特徴的な面接手法の概要と効果(第2回)に続いて、最後となる第3回では、候補者の人柄や論理的思考力、表現力をより深く推し量れる「プレゼンテーション面接」を取り上げます。

プレゼンテーション面接には、候補者の実力が現れやすい

「プレゼンテーション面接」とは文字通り、候補者にテーマを伝えて面接官の前でプレゼンテーションをしてもらい、その内容や立ち居ふるまいなどから総合的に評価する面接手法です。

一般的な面接では、面接官が主導権を握り、質疑応答を行います。ただ昨今、面接対策セミナーやハウツー本が充実し、マニュアル通りの受け答えに遭遇することもあるでしょう。企業は素の候補者を探る新たな面接手法を求めるようになり、その一つとして「プレゼンテーション面接」は普及しました。

プレゼンテーションの形式は自由。つまり、候補者は自分なりに工夫してプレゼンテーションを行わなければなりません。そのため、質疑応答ベースの面接の対策とは違って、十分な対策を取るのは難しく、候補者の実力が現れやすいとされています。

一般的な面接と比べて、長時間、主体的に話すことになるので、人柄や論理的思考力、表現力をより深く推し量れるのがメリットです。

「プレゼンテーション面接」は、民間企業だけでなく、公務員試験でも広く採用されているのも特徴です。その背景として挙げられるのは、多くの人事担当者が「めまぐるしく変化する社会情勢にも迅速かつ適切に対応できる能力」を候補者に求めているという点です。

このように「プレゼンテーション面接」は、「マニュアル型の人材より、変化のなかでも対応力、実行力を発揮できる人材を採用したい」というニーズに応える面接手法として広まっています。

具体的な「プレゼンテーション面接」の実施方法

まずは、候補者にテーマを伝えます。事前に伝えたうえで面接に臨んでもらうケースもあれば、面接当日に伝えるケースもあります。事前にテーマを伝える場合は、「PowerPoint」などのスライド資料を用意してくる候補者がいるため、スライドを投影できる環境の有無も伝えておきましょう。このような環境がない場合は、スライド資料を印刷して配布するかどうかも質問しておきます。

テーマは「自己PR」「これまでの職務経験で学んだこと」「この会社で挑戦したいこと」などが一般的です。企画職や提案営業といった、プレゼンテーションを行う機会が多い職種の採用なら、「顧客に自社製品を導入してもらうための提案内容をプレゼンテーションしてください」という具合に、実務内容に沿ったテーマを与えます。

プレゼンテーションを行う時間設定は、3~10分程度とさまざまです。そのあとに、面接官からの質問に答えてもらう時間を15分程度設けます。

「プレゼンテーション面接」での候補者の主な見極めポイントは、以下の通りです。

論理的思考力プレゼンテーション内容に論理的な矛盾がなく、客観的かつ具体的に考えを述べているか
表現力、人間性声の大きさや話すスピード、目線、身ぶり手ぶりなど、話し方に安定感や信頼性が感じられるか。相手に伝えることを意識しているか
企画力、企画の実現性提案内容に目新しいアイデアや気づきはあるか。現実的に実行できるかどうか。自社の事情をふまえたうえで、的確な提案をしているか
 

プレゼンテーションの目的は、「限られた時間のなかで情報をわかりやすく伝え、理解させ、動機づけさせること」です。

そのため、内容が論理的であるか、声が小さかったり、早口で聞き取りづらかったりしないか、また相手の目を見て話しているかどうかや、身ぶり手ぶりといった立ち居ふるまいなども重要なポイントとなりますが、プレゼンテーションの上手・下手だけで評価を決めないよう注意してください。

なぜなら、プレゼンテーションには「慣れ」が大きく影響するからです。特に中途採用では、過去の職務経験上、プレゼンテーション慣れしている候補者と、そうでない候補者で有利・不利が生じてしまいます。純粋にプレゼンテーションスキルを測りたい場合は例外ですが、上手・下手ばかりに気をとられないようにしましょう。

「プレゼンテーション面接」の事例

次に、実際の「プレゼンテーション面接」の事例をご紹介します。

(自社独自のデータを開示し)これらのデータをもとに、どのような商品を開発し、どのように展開していくべきか、1時間でビジネスプランを考えて、プレゼンテーションしてください。

募集ポジションで発生する具体的な課題の解決を上記の条件のもとでプレゼンテーションしてもらいます。候補者のこれまでの職務経験で得たスキルが、自社のフィールドでも通用するかどうか、応用できるかどうかを見極めるのに適しています。

こちらの課題は、ビジネス経験が豊富な人材の選考や、専門性の高い職種の選考に適した事例といえます。プレゼンテーションされる施策の企画力とその実現性が、評価の重点テーマになります。

ケーススタディーを扱う「インシデントプロセス面接」との違い

ケーススタディーを使った面接といえば、「特徴的な面接手法の概要と効果(第2回)」で解説した「インシデントプロセス面接」も同じです。2つの面接手法は何が異なるのでしょうか。

「インシデントプロセス面接」では、与えられた事例に関して、候補者が面接官に質問を繰り返し、情報収集しながら課題解決策を考えていきます。質問力、情報整理能力などによって、たどり着く課題解決策の質が大きく変わります。

一方「プレゼンテーション面接」では、最初に提示される情報以外に追加の情報はなく、候補者の経験や知識だけを頼りに課題解決策を考えます。情報が限定されるぶん、論理的思考力や企画力などが課題解決策の内容にはっきりと現れます。

まとめ

「プレゼンテーション面接」実施のメリットは以下の通りです。

  • マニュアル通りの受け答えができないので、候補者の実力を見極められる
  • プレゼンテーションを通して、論理的思考力、表現力、人間性、企画力、企画の実現性などをより深く見ることができる
  • テーマ設定をケーススタディーにすれば、より実務に近い観点で評価を行える

  • 貴社の状況や募集ポジションに合わせて利用してみてください。

    (文:HRレビュー編集部:高梨茂)

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