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2018/12/25
今月のプロ・リクルーター(第8回)
株式会社スタメン 喜多様
「攻めの採用で名古屋発ベンチャーを世界に」
本連載では、ダイレクトリクルーティングを積極的に取り入れ、「プロ・リクルーター」として活躍、実績を挙げている企業の経営者や人事担当者を表彰させていただき、人事業務に対するポリシーや取り組みを伺います。

第8回は、「一人でも多くの人に、感動を届け、幸せを広める。」を企業理念に掲げる株式会社スタメンで、執行役員コーポレート部長を務める喜多亮介様です。


<プロフィール>
喜多 亮介様

株式会社スタメン 執行役員コーポレート部長
大学卒業後、大手自動車メーカーの人事部で賃金・社会保険等の制度企画・管理業務を担当。その後、経済産業省経済産業政策局に出向して、社会保障に関する政策立案などに携わる。出向の期間満了に伴い、自動車メーカーへの帰任を経て、2017年2月に株式会社スタメンに入社。現在は、執行役員コーポレート部長として経理・法務・人事等、管理業務全般を担当し、採用にも携わっている。
 
【受賞理由】 2016年に設立された、名古屋発のベンチャー企業・株式会社スタメン。企業や組織の生産性向上などを目的に、エンゲージメント経営の実践をITツールとコンサルティングで支援するサービス「TUNAG」の提供を行っています。

喜多様は、創業間もないスタメンに入社し、人事等のコーポレート部門を部長としてけん引しながら、あらゆる採用手法を使い分け、5人、15人、40人と毎年順調に事業をともに行う仲間が集まってきています。

採用プロセスでは、スタメンが掲げる5つの行動指針「Star Way」への共感度を実際のエピソードを尋ねながら確かめます。また、入社後は自社サービス「TUNAG」を使ってビジョン浸透に努めたり、経営陣との定期的な面談の場を設けるなどのフォローも行ったりと、採用前後でカルチャーマッチングを大切にしています。

事業をともに進める仲間集めが特に会社の成長に直結しやすい、ベンチャー企業の特性をしっかりと理解されたうえで、採用担当者だけでなく役員・社員を含めた全員が当事者意識を持って採用活動に取り組めるようなしくみ作りも進められています。

大企業から、やりたいことが実現できる創業7カ月のベンチャー企業に転職

私のキャリアは、大手自動車メーカーの人事からスタートしました。人事といっても、大きな会社だったため部門が細かく分かれており、私は給与や賞与に関する制度の制定、就業規則の管理などを行っていました。その後、経済産業省に出向して社会保障に関する政策立案にも参加するなど貴重な経験を積んでいたのですが、2016年、結婚を機に「これからの自分のキャリア」を再考するタイミングを迎えます。

これからの人生、やりたいことをやりきろうと思った時、人事だけでなく経理・法務などもあわせた会社の組織・しくみ作り全般に携わりたいという思いが浮かんできました。そしてその思いは自分が興味のある「人」に関する挑戦の中で実現していきたい、そう考えて外を見始めました。

そんな中、求人媒体を通じて出会ったのがスタメンです。当時は、まだ創業2カ月ほど。社員も少なく、主力サービスの「TUNAG」も開発中の状態でした。人数が少ないので、部署などもまだなかったですが、面接を受けるなかで自分がやりたいことが実現できる環境だと思ったため、転職を決意しました。

従業員数8万人以上の大企業から、創業間もないベンチャー企業への転職でしたが、不思議と不安はなく、わくわくしていたものです。愛知はベンチャーが少ないといわれる地域ですが、そこで一旗揚げる面白さや、他の都市にはない愛知の魅力を発信していくことにも面白味を感じていました。

ダイレクトリクルーティングで採用力を強化、リファーラル採用のしくみも整備中

  私は、人事・経理・法務・総務といったコーポレート部門の管理全般を担当するので、もちろん採用にも携わることになります。採用は未経験でしたが、自身の転職活動を通じて採用活動が多様化していることを感じていました。役員と相談しながら、都度最適な採用体制を整えてきた結果、設立1年目は5名ほどだった社員が、2017年は15名、2018年現在では40名と、順調なペースで増えています。

採用媒体・人材紹介などさまざまな手法を試していますが、なかでもダイレクトリクルーティングでは大きな成果が出ています。従来の「広告を掲載して待つ」「人材紹介会社からの紹介を待つ」といった待ちの姿勢だけでは、スピーディーに採用が進みませんでした。そのタイミングで、導入したのがダイレクトリクルーティングです。

ビズリーチ・ダイレクトを利用した際には、社長はじめ役員陣みんなが実際にツールを操作して自ら候補者を探すなど、人事任せではなく一丸となって採用に取り組んでくれました。結果的に、優秀な人材の採用につながり、そのメンバーが核となり、事業が拡大し、採用もさらに加速するという流れをつくることができました。

「採用したい人物像をまず明確にして、そういった方を見つけ出し、どのように当社の魅力をアピールすれば入社を考えてもらえるか」というプロセスを自分たちの頭で考えてしっかり取り組んでいくことで、自社の採用力を強化できたことが一番の収穫でした。

特に、最近ではリファーラル採用の強化を進めています。これまでは特にしくみもなく、ときどき社員が知人や前職の同僚、セミナーや勉強会で出会った方に声をかけるといったものでした。これから会社がさらに成長していくためには、社員全員が会社の魅力をより伝えられるようにしていくことが必要だと考え、リファーラル採用の強化に踏み出しました。

まず2018年の下半期からは、社員に協力を仰ぐ前にまずは私たちが採用に積極的な姿勢を見せようと、役員陣に紹介数の目標を課したり、会社の紹介も行いつつ社員と交流を深めてもらうパーティーをオフィスで開き、そこに候補となる方を連れてきてくれた社員にはインセンティブを与えたりするなど、少しずつしくみを整備していっている最中です。

採用プロセスの前後で「カルチャーマッチング」を重視

  採用・面接のプロセスで重視しているのは、「カルチャーマッチング」です。スタメンには、「Star Way」という5つの行動指針があります。内容は、「約束を守り、最後までやりきる」「当事者意識を持って、自らが率先する」といったシンプルなものですが、こうした行動指針について共感してもらえるか、それぞれの行動指針に関連する自分自身の経験やエピソードがあるかについて、面接では聞いています。

「スタメンらしい人」とはどんな人なのかは、これからしっかり明文化していくのですが、採用に携わってきた私の所感では、素直で真面目な方、チームプレーを重視する方が当社に合う気がします。これまでは野球だとキャッチャー、バンドだとベースを担当していたような、縁の下の力持ち的なタイプが多かったという事実もありますが、今後はピッチャーだったり、ギタリストだったり、多様性に富んだチームにしていきたいです。

当社には、大企業からの転職を考えたご応募も多いです。そうした方からは面接の場で、実際にそのルートを歩んだ私に対して「規模の大きく異なる企業へ転職してみてどうですか」と聞かれることもあります。ただ、しくみや前例が何もないなかで自分から道を切り開いていかなければいけないベンチャー企業の気質が、合う人もいれば合わない人もいるでしょう。

だからこそ、「面接時にこちらの質問を待つだけでなく、気になったことがあれば積極的に聞いてくる方か」といったところは見ていますし、入社後は、当社のサービスである「TUNAG」を使ってビジョンや行動指針を浸透させたり、役員との面談の機会も定期的に設けたりと、カルチャーマッチングにつながる施策は採用前後で行っています。

人事は「攻め」の役割。今後は全社員一丸での仲間集めを目指す

  採用活動に携わって思うのは、採用は「攻め」の役割を担えるということです。私が統括している管理部門の他の業務は、しくみやルールなどを整備する「守り」の部分が大きいのですが、採用担当は、「一緒に事業を行う仲間を集めて、会社を成長させる」ことに貢献する「攻め」の部門だといえるでしょう。当社は、まだまだ小さな企業です。より多くのお客様へサービスを提供するためには、拠点と仲間を増やし続けなければなりません。

会社を大きくさせるために仲間を集めることが、当社のようなベンチャー企業における人事の役割なのです。実際に、採用した社員たちが協力して仕事に取り組むことで、大きな成果を出してくれるシーンを見ると、とてもうれしく思います。

「自分たちの仲間を集める」という意味では、採用担当や役員だけに限らず、全社員に採用活動にかかわってもらえることが理想です。リファーラル採用を加速させるためにも、これまでの採用活動を通して見えてきた「スタメンらしい人」を言語化しなければいけません。

「これがスタメンです」「こんな人を求めています」と当社のカルチャーを打ち出しながら、仲間を集めて、「TUNAG」をエンゲージメント経営のパイオニア的存在のサービスに成長させていきたいですし、名古屋発ベンチャーとして世界に通用する企業になることを目指しています。そして私自身も、社会人としても父親としても、子どもに尊敬されるような「素敵な大人」になるために、まだまだ成長していきたいです。


右から 株式会社スタメン 執行役員コーポレート部長 喜多 亮介様、株式会社ビズリーチ キャリアカンパニー リクルーティングプラットフォーム統括本部 広域推進部 部長 山本 憲明

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