インタビュー
2020/04/24

「内定承諾率9割」のカギ ~AI inside 流「正直な採用」とは~(第1回)

「内定承諾率9割」のカギ ~AI inside 流「正直な採用」とは~(第1回)

2015年8月に創業したAI inside 株式会社(以下、AI inside)。独自のAI技術で手書き文字の認識を可能にしたAI-OCRサービス「DX Suite」は、企業がこれまで手作業で行っていた紙での業務の大幅な効率化を支援。AI-OCR市場シェアNo.1(※1)を獲得しました。2019年12月には東証マザーズに上場を果たし、AI事業のトップランナーとして、OCRサービス以外のAIを活用したプロダクトも含めさらなる事業拡大を目指しています。その躍進の中心にあるのが「人」であり、「採用」。

「ひとり人事」として、2019年は年間1,000通の書類に目を通し、500件の面接を設定した同社の人事担当である上山美樹様。オファーをすると、9割以上の候補者が内定を承諾する(※2)という採用の秘けつについてお話をうかがいました。

※1:株式会社富士キメラ総研2019年3月発刊 「2019 人工知能ビジネス総調査」 AI-OCR市場占有率2017年度実績
※2:ビズリーチ・ダイレクト上での実績(対象期間 2019年8月~2020年3月)

プロフィール
上山 美樹 様 AI inside株式会社 管理部 人事担当
大学卒業後、SIer企業に約10年プログラマー・システムエンジニアとして勤務。その後、人事部へ異動し、採用や育成を経験。2017年8月にAI inside株式会社に入社し、採用・労務を中心とした人事業務に加え、元エンジニアの経験を生かし、社内のITシステムなど幅広く業務を担当。

目指す世界は「AI inside X」

AI-OCRサービス「DX Suite」の利用拡大により、成長率 971.56%を記録

「世界中の人・物にAIを届け、豊かな未来社会に貢献する」。このミッションのもと、AI inside は誰もが特別な意識をすることなくAIを使い、その恩恵を受けられる社会の実現を目指しています。

昨今、生産年齢人口が減少している日本において、生産性向上や業務の高付加価値化など、実現しなければならない課題は山積しています。そうした社会の課題解決に貢献すべく、当社は「生産性を高めるAIプラットフォーム」という思想に基づいたプロダクトを開発。そこで生まれたのが、主力サービスでもあるAI-OCRサービス「DX Suite」です。「DX Suite」は、自社独自開発の文字認識AIを搭載し、無限にパターンが存在する手書き文字の認識精度・データ化を劇的に改善しました。

2015年のサービス開始以降、多くのお客様にご利用いただき、2020年4月には契約件数2,000件を突破。当社の成長をけん引する大きな役割を果たしています。さらに2019年、過去3決算期の収益(売上高)に基づく成長率は971.56%を記録し、デロイトトーマツグループが発表した「2019年 日本テクノロジー Fast 50ランキング」で2位を受賞しました。

「AI-OCRの会社」ではなく、「AIの会社」であることを伝える(上山 美樹 様 AI inside株式会社)

「AI-OCRの会社」ではなく、「AIの会社」であることを伝えるために

「世界中の人・物にAIを届け、豊かな未来社会に貢献する」。このミッションのもと、AI inside は誰もが特別な意識をすることなくAIを使い、その恩恵を受けられる社会の実現を目指しています。

しかし、「DX Suite」の認知や利用が広まることは大変うれしいことである半面、「OCR事業をしている会社」というイメージが強くなってしまい、採用においてこれまでにはなかった新たな課題を感じるようになりました。

私たちが掲げているビジョンは「AI inside X」。「X (エックス)= さまざまな環境」でAIを使い、その恩恵を受けられる社会の実現を目指しています。AI-OCRはそれを実現する、第一歩にすぎません。会社概要の事業内容を「人工知能事業」としているのも、「AIがコア事業である」ことの意思表明です。

ところが、そのことが候補者の方に正しく伝わっていないと感じる機会が増え、課題感は採用を重ねるほど、確かなものになっていきました。

もちろん、面接などを通じて直接お話しすることで、候補者の方に当社のビジョンや事業をあらためて理解していただけるケースも多いのですが、私たちの意志が正しく伝わらなかったため、当社に興味を持っていただけなかった方も少なくないと感じています。「今のAI inside」だけではなく、「AI inside が目指す未来」をいかにして伝えていくか。それが、当社の採用における重大なミッションだと感じ始めました。

「ひとり人事」として、ゼロから組織を作ることに挑戦

人の成長をサポートしたい ――。エンジニアから人事への転身

私のキャリアのスタートは、SIer企業のエンジニアでした。もともとはプログラマーだったのですが、担当した大型プロジェクトで、新しい技術を社内に広めていかなくてはならない任務を受けたのをきっかけに、「社内の技術教育」に関わるようになりました。やがて、教育の方が主業務になり、入社7年目に人事部に異動することに。そこで初めて採用業務も含めた「人事」を経験しました。

そして、いつの間にか人事領域の面白さにすっかりはまるようになりました。自分の仕事が会社の成長につながっている、そう実感できるようになったのが大きいかもしれません。そこから次第に「ゼロから組織を作ってみたい」という気持ちが高まり、思い切って転職を決意。環境がまだ整っていないベンチャー企業で、人事として人と会社の成長をサポートしたいと考え、2017年8月、当時社員数が20名ほどだったAI inside に入社しました。

入社当時、1次面接には必ず社長の渡久地が出て、事業内容やビジョンを説明していました。その採用プロセスで入社した社員たちが、現在当社の中心メンバーとなっているので、「採用は経営の中心にあること」や、「人材採用がマネージャーの仕事である」という考え方がしっかり根付いています。入社から2020年1月まで、人事担当は私1人でしたが、経営陣や現場に支えられていたので、人事としてはとても恵まれた環境で採用を進められていました。

「ひとり人事」として、ゼロから組織を作ることに挑戦(上山 美樹 様 AI inside株式会社)

1年間で、1,000通以上の書類に目を通し約500名の面接を設定

2019年は1,000通以上の書類に目を通し、約500名の面接を設定しました。大変でなかったといえばうそになりますが、私の日々の業務が組織や事業の成長につながっている実感があり、楽しさの方が勝っていましたね。

「ひとり人事」のコツは、「基本的にはすぐにやる。ひとりでできることは、あとでじっくりやる」ことでしょう。当社の場合、現場が「採用に関する定例ミーティングをしたいです」と言ってくれるほど、社内が協力的であるため心理的負荷は非常に少ないように感じますね。また、現場が「こういう人がいたら、もっとこうなる」など、理想を具体的に共有してくれるので、人事としても「それを実現させたい」という気持ちをかき立てられます。また、「とにかく、いつまでに、この人数は絶対に採用してほしい」というような無理を強いるオーダーがこないことも、採用成功を支えてくれた一つの要因かもしれません。

現在は、組織の成長に合わせて人事担当が1名増員され、「ひとり人事」ではなくなりました。業務を分担できるようになったことはもちろんですが、人事や組織の課題や未来を共有したり、ともに悩んだりできるようになったことが何よりうれしいですね。

内定承諾率9割。「相思相愛」になる候補者との向き合い方とは

内定承諾率9割。「相思相愛」になる候補者との向き合い方(上山 美樹 様 AI inside株式会社)

「できること」「できないこと」を正直に答える

当社は、社名に「AI」というキーワードが入っていますが、この「わかりやすさ」は、AIに関心のある方との接点を築く大きなきっかけの一つとなっています。現時点ではまだ業務でAIに携わっていない方々からも、「AIに興味がある」「新しいことに挑戦してみたい」「成長領域に携わりたい」といった思いで当社にご応募いただくケースが増え、想定外の強みとなっていることは間違いないでしょう。

一方で、海外ではAI事業を行う企業が多くあり、AIをコア事業としていることを前提に、候補者の方が「やりたい」と思うことをどれだけ実現できる会社であるかを説明することが求められています。AI事業を新規事業の一つとして注力する企業が増えているなか、当社のようにコア事業として取り組み、実績を出している企業は日本ではまだそう多くありません。加えて、当社には外国籍のエンジニアも複数在籍し、互いに切磋琢磨し成長できる土壌があります。そうした実際の姿を、より多くの候補者にいかに正しく伝えられるかが重要なのだと感じています。

そこで私がまず選考過程で必ず確認するのは、「何がきっかけで転職しようと考えたのか」「どのような理由でAI inside を選んだのか」。そして当社は、それに対して「当社でできること、できないこと」をリアルに伝えます。そのうえで候補者の方の希望を聞き、条件面を含めて、人事として最大限の努力はしますが、決して「無理」はしません。

「できないこと」はなかなか伝えづらいものです。しかし、どんなに当社が「仲間になってほしい」と思うような方だったとしても、どちらかが何か無理をしてしまっては、たとえ入社に至ったとしても、結局は、お互いに不幸になってしまいます。だからこそ、お互いが後悔しないよう、当社はとことん本音でお話しするようにしています。


先入観を持たず、「客観的な自己評価」ができる人材かを見極める

候補者の方のスキルや特性を見るうえで大切にしているのは、まず私自身が先入観をできるだけ持たないことです。例えば、相手の言葉をできるだけフラットに聞けるよう、学歴や社歴は意識的に見ないようにしています。そのうえで、職務経歴書の確認や面接でお話しする際は、客観的に事実が整理されているかを重視。自分の力でできたこと、周囲と協力してできたこと、環境や運がよかったこと。その事実を本人が冷静に見極め、自己評価ができている人は信頼ができますし、言葉一つ一つに「濃さ」を感じます。

また、社内では「『いい人』を採用しよう」という共通言語があります。この「いい人」の定義はまだ言語化できていないのですが、先ほどお話しした「客観的な自己評価」ができていて、「他責でない方」がまず条件に挙げられるでしょう。リファーラル採用で入社された方は、この条件を満たしているケースが多く、カルチャーもフィットしやすい傾向にありますね。

リファーラル採用に関しては今後強化していきたい施策の一つで、現在「仕組み化」を進めている段階です。これはメンバー層だけでなく、経営層も積極的に取り組んでいます。例えば、社長の渡久地は先日2年間ものアプローチの末、デザイナーとエンジニアの採用に成功しました。経営層が自ら動き、手本を見せてくれるので、人事をはじめ、社員一丸となって「私たちも採用を頑張ろう」という気持ちになれるのです。

「働きやすさ」を提供できる、柔軟な人事を目指して

「働きやすさ」を提供できる、柔軟な人事を目指して(上山 美樹 様 AI inside株式会社)

「この会社が取り組んでいること、社員、プロダクトのすべてを好きになれそう」。それが、私がAI inside に入社を決めた理由の一つでした。現在では、採用や育成だけではなく、労務や総務など幅広い業務に関わることが増え、人事としてのキャリアの幅はグッと広がっています。また、社会保険労務士(社労士)の方をはじめとする専門家の力を借りながら、会社や現場、社員のことを一番に考えた働きやすい職場を目指して、新たな就業規則や人事制度作りにも取り組んでいるところです。

私は「自分のいる環境を心から愛すること」をモットーにしてきましたが、AI inside でも同じような気持ちで働ける社員が増えてくれたらこれ以上うれしいことはないでしょう。また今後は、社員だけでなく、採用選考でお会いした方やお客様など、AI inside に関わるすべての人が「AI inside と出会えてよかった」と何かプラスに感じられる。そんな経験を提供できるような会社にしていくことを目標にしていきたいですね。

関連情報(https://bizreach.biz/media/aiinside2)

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関連情報(https://bizreach.biz/media/aiinside3)

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