インタビュー
2020/03/10

常に危機感を持ち、時代を超えて変化し続ける姿勢/丸紅株式会社|FUTURE of WORK

常に危機感を持ち、時代を超えて変化し続ける姿勢(丸紅)
丸紅株式会社様_ロゴ

丸紅株式会社
人事部長
鹿島 浩二 様

日本を代表する五大総合商社の一つである、丸紅株式会社。2018年に創業160周年の節目を迎える。2017年度は史上最高益を達成し、2018年度も史上最高益を再び更新する見通し。老舗企業でありながらも躍進を遂げる同社の取り組みや今後の人事について伺うべく、株式会社ビズリーチ取締役の多田洋祐が、丸紅株式会社人事部長である鹿島浩二氏にお話を伺いました。

本記事は、株式会社ビズリーチの創業10年を記念して運営していたWebメディア「FUTURE of WORK」(2019年5月~2020年3月)に掲載された記事を転載したものです。所属・役職等は取材時点のものとなります。

危機感があったからこそ、160年の歴史を築くことができた

危機感があったからこそ、160年の歴史を築くことができた

─過去10年における時代の変化をどのようにお考えでしょう。

鹿島様(以下、鹿島):私は丸紅に入社以来、ほぼ一貫して人事に向き合ってきました。現在のビジネス環境は、過去10年の変化と比べてみても、「今までの延長線ではない、大きな変化の波が起こっている」というのが実感です。たとえば、デジタルの進化や、ミレニアム世代の台頭、GAFA(※)をはじめとしたビッグプレーヤーたちの出現について、ここまでの勢いになるとは予測できませんでした。この変化に比べれば、それまでの変化は些細なことだったと思います。

この大きな変化は、丸紅の経営陣も実感しています。2017年度は史上最高益を達成しているものの、社長は「このままだと、5年後、10年後はどうなるかわからない」と危機感を抱いています。

多田:好調のなかでも危機感を感じているということでしょうか。

鹿島:そうです。むしろ歴代の経営者が常に危機感を持っていたからこそ、160年間成長し続けてこられたのだと、私は思っています。時代の変化を感じとるだけではなく、丸紅自体も変化しなければなりません。

多田:ビズリーチも長きにわたって世の中に価値のあるサービスを提供する会社でありたいと考えています。

ビズリーチは採用領域で企業と個人を直接つなぐプラットフォームを作り、企業とビジネスパーソンの選択肢と可能性を広げることにまい進してきました。これまで、日本の中途採用には個人に直接アプローチするツールがありませんでした。

先ほど鹿島さんがおっしゃったように、世の中は大きく変化しています。企業の存続には、企業経営のあり方、ひいては採用のあり方を変えていかなければいけません。ビズリーチが提唱する「ダイレクトリクルーティング」によって、企業が欲しい人材を能動的、かつ主体的に採用し、企業経営が前進すれば良いなと考えて事業を運営しています。

鹿島:今お話を伺っていて思ったのですが、この10年を見ると、社員のキャリアの捉え方が変化していますね。特に若い人たちのキャリア観の変化が顕著で、自分のキャリアは1つの会社だけでは形成できない可能性がある、と考える人も増えてきました。これからは「自分は何ができるのか、何がしたいのか」を考えることが非常に重要です。

(※)グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)の4社のこと。

タテの進化とヨコの拡張で、新しいソリューションを生み出す

タテの進化とヨコの拡張で、新しいソリューションを生み出す

─危機感を持たれている丸紅のなかで、どのような改革に取り組まれているのでしょうか。

鹿島:2018年4月から「既存の枠組みを超える」をスローガンに掲げ、さまざまな改革を始めました。

今までは電力なら電力のなかだけ、自動車なら自動車のなかだけで人財育成やローテーションが完結することが多かったのですが、今後は、そのタテ割りを超えて、電力と自動車をヨコに組み合わせることで新しいものを生み出すなど、さらに挑戦していかなければなりません。

そのため、丸紅グループのあるべき姿として2018年6月に「Global crossvalue platform」を制定しました。これは事業間や社内外、さらには国境など、あらゆる壁を突き破るタテの進化とヨコの拡張により、社会・顧客に向けてソリューションを創出することを意味します。

実行していく体制として、2018年4月に「CDIO/デジタル・イノベーション部」を新設しました。今までタテ割りで進めていた事業にヨコ串を刺すような組織です。この部はもともと管理部門でしたが、2019年4月から営業本部を構えました。アドバイスする立場から、実際にビジネスを推進する組織に発展しました。

多田:根底から改革に乗り出されたわけですね。

鹿島:そうです。具体的な施策としては「人財」「仕掛け」「時間」の3つのカテゴリーに分け、いくつもプロジェクトをスタートさせました。

代表的なものに「ビジネスプランコンテスト」があります。これは社員に自分の担当外のビジネスについて企画提案してもらい、新しいビジネスを生み出すプロジェクトです。計160件の応募があり、4件が事業化に向けて進んでいます。これからの時代を生きていくため、全社が一丸となって行うイノベーションの取り組みです。

新しいことをやろうとすると、新卒採用では育たない人財も必要になってきます。そのような人財を採用する1つのリソースとして、ビズリーチさんには期待をしています。

多田:まさに、ビジネスモデルの多角化などもあり、新卒採用だけでは新しいビジネスを創造しづらくなってきています。一方で、中途採用は「採用したら終わり」ではありません。育成や中途入社者を受け入れる風土がとても重要だと考えています。たとえば、社内の制度を変えることで、中途で入社してもフェアに評価されるようになってチャンスが生まれ、その結果活躍しやすくなります。

鹿島:そうですね、さらには現場の採用ニーズの多様化に備えるのも人事の仕事です。たとえば今後、これまで採用してこなかったような資格を持っている人財が必要となる場合があるかもしれません。そういう人財を採用することも人事の仕事です。これからはどの企業も中途採用が活発になるのではないでしょうか。

多田:長きにわたって日本経済を支えている丸紅さんが変わろうとしています。160年の歴史がありながらも変革を起こそうとされている姿勢を拝見し、「ビズリーチはますますスピード感をもってまい進しなければならない」と思いました。

鹿島:これから先、新しい会社がわれわれのライバルとなって現れる可能性はあります。しかし、戦う姿勢をとるだけではなく、共存を考えるのも大事だと考えます。

丸紅では、社外人財交流プログラムに取り組んでいます。これで違う企業の文化や考え方、仕事の進め方が経験できます。現在、7~8社に20名弱が出向しています。

多田:ビズリーチでも同じように、市役所や銀行から出向していただき、当社の業務を経験してもらっています。

鹿島:キャリア観が変わってきているなかで、「いろいろな経験をしたい」「自分は今のままで良いのか確かめたい」といった理由で転職する人がいると思いますが、それを会社に在籍しながら経験できます。

多田:育成の観点でいうと、ビズリーチも「桜丘ユニバーシティ」という企業内大学を作っています。

これは、業界が必要とする次世代リーダーを社内で生み出し続けることをミッションとして、ビズリーチだけで通用する人材ではなく、社会に必要なリーダーを育成することを目指しています。新任マネージャーや新任リーダーに向けた階層別研修や、選ばれた20名が特別に取り組むコンテンツなどを研修として行っています。「採用したら終わり」ではなく、適切な育成と配置を含めて会社として人材を生かす取り組みを行っていきたいと考えています。

変化していく雇用システムと近未来の課題

変化していく雇用システムと近未来の課題

─未来において、これから求められる人材とはどのような人材だとお考えですか。

鹿島:丸紅では求める人財像を特に決めていません。時代の変化に応じてビジネスモデルも変わっていく会社ですから、しいていえば、「変化に対応できる人」「その時代に応じて必要な人」を採用しなければならないと考えています。

もしかすると必要な人財は、近い将来、雇用ではなく、契約で確保するようになるかもしれません。コンサルタント契約、業務委託契約のような、さまざまなプロフェッショナルが集まってプロジェクトを組織するとか。アメリカのように、その道のプロフェッショナルがいろいろな会社を渡り歩く、というスタイルになるかもしれませんね。

多田:今では社長もヘッドハンティングによって入社する時代ですからね。社員もプロジェクト単位でヘッドハンティングによるチームが組成されたりするようになるかもしれませんね。

鹿島:その一方で、新卒入社者を丸紅の文化を継承してくれるコアな人財として育てることも、引き続き必要だと思っています。

多田:新卒入社、中途入社にかかわらず、変わり続けるために学び続けなければいけませんね。まず、経営や人事は学び続ける文化を作る。そうすれば、時代に合わせた組織を作り続けられると思っています。

ビズリーチがさまざまな企業の人事の方とお付き合いする中で、多くの方から伺うのは、事業を経験した人が人事のトップに就任することが、今後は増えていくのではないか、ということです。これは、企業が変化し続ける必要が増すなかで、「事業で今、何が起こっているのか」を、肌で感じながら人事を動かしていく必要があるからです。

鹿島:丸紅は創業から160年がたちましたが、これから先も、時代の変化に応じて、変化をいとわない姿勢は貫くべきだと思います。

少し話は変わりますが、人生100年時代と言われる現在、私が関心を持つのはシニア人財の活用です。シニアは今の若い人たちと違って、1社でやってこられた方が多い。その実力や実績・経験は、当社グループ内はもちろん、もっと広く社会で生かすこともできると考えますし、それが個人の自己実現につながるとも思っています。シニア人材の活用はどうお考えですか。

多田:一般的には、中途採用においては、20代後半から30代半ばを採用したい、という声が多いのは事実です。しかし、ビズリーチは管理職やスペシャリティーの高い即戦力の方々を中心にご登録いただいているため、プラットフォーム上では40代や50代の転職はもちろんのこと、70歳を過ぎた方がネクストキャリアを決める、ということも起きています。実力があり、ご本人も意欲があれば、年代問わず活躍できる可能性は十分にあるということです。ただ、まだ受け入れ先が少ないのが現状です。

鹿島:もったいないですね。たとえば、地方の優良企業の後継者不足が日本全体の課題となっていますが、そのようなところで、当社の様な首都圏の大企業出身のシニアが活躍できる場があるのではないでしょうか。しかしながら、マッチングの仕組みがないので、そのような場所に人が流れる仕組みが求められていると思うのです。

多田:ビズリーチのサービスはインターネットを活用したプラットフォームです。全国の企業が所在地に関係なく、優秀なビジネスパーソンにお声がけいただくことが可能です。事実、47都道府県の企業にお使いいただいています。プラットフォーマーとして、地方やネクストキャリアなど、日本のHRにおける課題解決に向けて今後も取り組んでいきたいと思います。

丸紅鹿島様×ビズリーチ多田

鹿島 浩二 様 略歴

1989年、慶應義塾大学理工学部卒業後、丸紅株式会社に入社。入社後から現在に至るまで、一貫して人事業務に従事。2001年~2007年に米国・ニューヨーク、2013年~2015年に中国・北京と2度の海外駐在を経験。2015年~2017年は素材グループ企画部・副部長として、HRBP(HRビジネスパートナー)の役割を担う。2017年4月、本社人事部長就任。現在、「既存の枠組みを超える」をスローガンとして、イノベーション強化に向けた人事施策を打ち出している。

取材・文:大橋 博之
カメラマン:矢野 寿明
記事掲載:2019/5/9

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