採用課題
2020/08/27

高年収の人ほど〇〇軸を重視? スカウトに重要な「4つの転職軸」を解説

高年収の人ほど〇〇軸を重視? スカウトに重要な「4つの転職軸」を解説

転職を希望する理由や、転職先企業を選ぶ際の判断基準となる「転職軸」。求職者向けのさまざまなWebサイトで「転職を成功させるためには、『転職軸』を持つことが重要である」と書かれています。
また、転職軸が重要なのは求職者だけではありません。採用する企業側にとっても、自社の採用活動を進めるうえで押さえておくべきポイントです。求職者の転職軸を的確にとらえ、それぞれの転職軸に合わせたアプローチやフォローをすることで、効率的かつ効果的な採用ができます。

本記事では、「4つの転職軸」の詳細や転職軸別の効果的なアプローチ方法を説明します。さらに後半では、ビズリーチ会員へのアンケート結果から、年収帯別や年代別の転職軸の構成比、選考プロセスにおける転職軸ごとの「魅力に感じたポイント」や「転職活動時の不安」をご紹介します。

この記事のポイント
  • 転職軸は、「人軸」「仕事軸」「会社軸」「待遇軸」の4つに大別される
  • ビズリーチ会員は、高年収の人ほど「会社軸」を重視する傾向が高まる
  • 「自分に期待することやスカウト理由が明確なアプローチ」は、どの転職軸にも共通して、重要な動機付け(アトラクト)となる
  • 転職活動時の不安は、転職軸によって異なる。候補者の転職軸をしっかり見極め、本音を引き出し、不安を払拭することが重要
  • 1. 「転職軸」とは

    「転職軸」とは、求職者が転職する目的や転職先企業を選択する際に重視する条件の種類です。転職軸は人によって異なり、求職者自身が自己分析などを通じ、明確にしていくものです。しかしながら「なぜ、現職を辞めたいと思うのか」「なぜ、次は〇〇職を目指すのか」などの理由が、自分自身で整理・言語化できていない人も少なくありません。

    優秀な人材の採用競争が激化するなか、「今すぐ転職したい」とまでは考えていない転職潜在層や、社員の人脈を介した紹介・推薦によるリファーラル採用によるアプローチで「現時点で転職を考えていない」人と接点を持つ機会もあるのではないでしょうか。このような、転職活動が本格化していない人たちは、転職軸が明確になっていないケースが十分にあり得ます。

    候補者との会話のなかで、その人のビジョンや本心をくみ取り、ときには候補者自身も気付いていない転職軸を見つけ出していくことが、採用担当者には求められるのです。

    図1.転職潜在層とは

    転職潜在層とは



    図2.転職希望者の現状(正規雇用労働者における転職希望者の内訳)

    転職希望者の現状(正規雇用労働者における転職希望者の内訳)

    出典:厚生労働省職業安定局「中途採用に係る現状等について」(令和元年9月27日 厚生労働省職業安定局)

    関連情報(https://bizreach.biz/media/7734)

    2. 4つの「転職軸」――人軸・仕事軸・会社軸・待遇軸

    転職軸は大きく、「人軸」「仕事軸」「会社軸」「待遇軸」の4つに分類されます。転職軸は必ずしも「1人1軸」とは限りません。しかし、複数の軸を持っている人でも、優先順位はあるはずです。明確ではない場合は絶対に譲れないMUST条件が何なのかを、面談や面接での会話から導き出しましょう。

    自社が候補者の希望する条件、つまりWANT条件をかなえられる環境だとしても、MUST条件を提供できない場合、入社しても、やがて不満につながってしまう恐れがあります。逆にMUST条件が提供できるのであれば、入社後にWANTが実現できる未来を、企業と候補者がともに目指すことができるでしょう。

    候補者の転職軸を見極めたうえで、自社で「今、提供できること」や「将来、目指すこと」が話せると、相互理解が深まるだけでなく、企業の魅力付けにもつながります。

    ここからは転職軸別に「重視する項目の例」と、「効果的なアプローチの例」を挙げます。

    2-1. 人軸

    「社長や社員など一緒に働く人たち」を重視
    重視する項目(例) ・職場の雰囲気(志向性) 
    ・社長のキャラクター 
    ・ロールモデルとなる社員
    効果的なアプローチ(例) ・スカウト文に、リクルーターや社長の経歴、配属部署のメンバー構成など、「人」に関する情報を盛り込む
    ・志向が合いそうな社員を、面談・面接で引き合わせる

    2-2. 仕事軸

    「自分自身のキャリアアップ」を重視
    重視する項目(例) ・キャリアパス
    ・裁量権
    ・専門知識や技術の習得
    効果的なアプローチ(例) ・候補者が興味を持ちそうなプロジェクトや取引先企業の事例を紹介する
    ・最先端の開発環境やITツールなどの導入状況を伝える

    2-3. 会社軸

    「会社のビジョン・事業の方向性」を重視
    効果的なアプローチ(例) ・業績、成長性
    ・取引実績
    ・ブランド力
    効果的なアプローチ(例) ・企業の成長が伝わる記事など、第三者からも評価・注目されていることがわかる情報を伝える
    ・「第二期創業メンバー」「IPOに向けた最終募集」など、「入社してほしい理由」を「企業の成長フェーズ」に合わせて伝える

    2-4. 待遇軸

    「待遇面や就労条件」を重視
    重視する項目(例) ・給与
    ・人事評価制度
    ・オフィス環境
    効果的なアプローチ(例) ・選考の早い段階で、給与条件を提示する
    ・育児休業取得率など、各種福利厚生制度の「利用実態」を伝える



    関連情報(https://bizreach.biz/download/evp/?trcd=1HRRV0000292_PC_)

    3. 年収帯別・年代別にみた「転職軸」の違い

    次にビズリーチ会員を対象としたアンケートの結果から、年収帯別・年代別の傾向の違いをみましょう。

    3-1. 年収が高くなるにしたがい「会社軸」を重視

    全体結果をみると、最も多いのは「待遇軸(26.9%)」となり、僅差で「人軸(26.5%)」、その後に「仕事軸(23.6%)」「会社軸(23.0%)」が続きました。

    年収帯別でみると、【500万円未満】では「待遇軸」が最も多く、36.4%となりました。しかし、500万円以上からは30%を下回り、【1,500万円以上】では19.4%となりました。

    一方、年収が高くなるにしたがい増加したのは「会社軸」です。年収帯が1,000万円台の層では、「会社軸」が3割前後となりました。

    図3.4つの転職軸(年収帯別)

    年収が高くなるにしたがい「会社軸」を重視

    Q18 あなたが転職先企業を決める際に重視するのはどの要素でしょうか。1位をお選びください。(単一選択)

    ※アンケート内では【 】の転職軸名は非表示で提示

    関連情報(https://bizreach.biz/download/soshikizu/?trcd=1HRRV0000306_PC_)


    3-2. 若年層は「仕事軸」、高年層は「人軸」「会社軸」

    若年層ほど、「仕事軸」が多く、【20代】では4割に迫ります。一方、年代が上がるにつれ、「人軸」と「会社軸」は増え、【60代】においてはどちらも3割を超えました。

    「待遇軸」は【60代】においてやや少ない傾向がみられましたが、それ以外の年代ではほぼ同水準の割合を保ち、他の転職軸に比べて年代による傾向の違いはみられませんでした。

    図4.4つの転職軸(年代別)

    若年層は「仕事軸」、高年層は「人軸」「会社軸」

    Q18 あなたが転職先企業を決める際に重視するのはどの要素でしょうか。1位をお選びください。(単一選択)

    ※アンケート内では【 】の転職軸名は非表示で提示

    関連情報(https://bizreach.biz/download/30-40bizrechreport/?trcd=1HRRV0000282_PC_)

    4. どの転職軸にも共通する「この会社・組織で働きたい」と感じた対応とは

    ビズリーチを通じて行った転職活動のなかで、「この会社・組織で働きたい」と感じた企業や企業担当者の対応について選んでもらったところ、4つの転職軸全てにおいて最も高かったのは「自分に期待することやスカウト理由が明確だった」となりました。

    「なぜ自分をスカウトするのか」「自分がたくさんの会員のなかから選ばれた理由」が明確であるほど、企業の熱意や本気度が伝わり、共感や魅力付けにつながるのかもしれません。

    関連情報(https://bizreach.biz/download/persona/?trcd=1HRRV0000268_PC_)


    次いで、2位は転職軸で異なる結果に。【人軸】【会社軸】【待遇軸】の3つでは「会社や組織の現状などを本音で話してくれた」となりました。自社を魅力的に語るだけでなく、組織が抱える課題を包み隠さず伝えることも、誠実さとして評価されるポイントのようです。

    一方、【仕事軸】の2位は「自分がキャリアアップ・成長できそうな業務内容や事業内容だった」となり、1位との差はわずか0.2ポイントでした。転職軸が「仕事軸」の人に対しては、その人のスキルや経験を評価するだけではなく、入社後自社がどのようなスキルアップ・経験の場を提供し、その人のキャリアビジョンの実現に貢献できるかも含めて「あなたをスカウトした理由」として伝えるとよいでしょう。

    図5.「この会社・組織で働きたい」と感じた対応(転職軸別)

    4つの転職軸全てにおいて最も高かったのは「自分に期待することやスカウト理由が明確だった」となりました

    Q9 ビズリーチを通じて行った転職活動のなかで、「この会社・組織で働きたい」と感じた企業や企業担当者の対応があれば、あてはまるものをお選びください。(単一選択) ※実際のご入社の有無にかかわらず、お答えください。

    関連情報(https://bizreach.biz/download/4yakuwari/?trcd=1HRRV0000312_PC_)

    5. 転職軸で異なる、転職活動時の不安

    転職活動をする際に、不安に思うことを選んでもらったところ、転職軸ごとに特徴が表れました。

    図6.転職活動をする際、不安に思うこと(転職軸別)※上位3つを抜粋
    転職軸で異なる、転職活動時の不安

    Q19 あなたが転職活動をする際に、不安に思うことがあれば、あてはまるものを全てお選びください。(複数選択)

    【人軸】の1位は「次の職場で、自分のこれまでの経験・スキルが通用するか(57.5%)」となりました。多くの経験を積んできた人でも、会社ごとで異なるルールや組織風土が自分に合うか、新たな環境で能力を発揮できるかは不安なようです。さらに、中途入社の場合、まず仕事やその成果を通じて、社内の人間関係や信頼関係を構築しようと試みる人も少なくありません。「次の職場で、自分のこれまでの経験・スキルが通用すること」が、中途入社者にとっては「社内の人たちといかにうまくコミュニケーションをとっていけるか」のカギであるといえる結果でしょう。

    関連情報(https://bizreach.biz/media/saiyo-newnormal4)

    【仕事軸】【会社軸】は「転職市場において、自分の市場価値がどれほどなのか」が1位となりました。自分自身のキャリアアップや、会社のビジョン・事業の方向性を重視するこの2つの転職軸においてはスカウトや各種イベント・施策などにおいて「客観的かつ俯瞰した視点で、候補者の経験・スキルを評価すること」が、コミュニケーションのきっかけになるかもしれません。

    そして【待遇軸】の1位は「年収や待遇などが下がらないか」となり、2位の「転職市場において、自分の市場価値がどれほどなのか」に10ポイント以上の差をつけました。【待遇軸】は、転職の目的や期待することが具体的に表現しやすい転職軸です。選考の初期の段階でお互いに本音で話し合い、待遇などの条件を明確に提示することが、効率的な採用活動につながるでしょう。

    関連情報(https://bizreach.biz/media/14923)

    アンケート概要
    ■調査方法:インターネットによるアンケート(会員向けメールマガジンで回答を依頼)
    ■調査期間:2020年7月15日~2020年7月21日
    ■調査対象:「ビズリーチ」(https://www.bizreach.jp/)の会員
    ■有効回答数:7,654名
    ※小数点以下第2位を四捨五入して処理しています。そのため、各数値を足した際に、合計が100%にならない場合や、小計が合致しない場合があります。


    執筆:瀬戸 香菜子(HRreview編集部)、編集:HRreview編集部

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