採用課題
2020/10/29

「この会社・組織で働きたい」と感じた企業の対応の1位は? 動機付けのポイントを解説

「この会社・組織で働きたい」と感じた企業の対応の1位は? 動機付けのポイントを解説

「内定承諾」までにかかる期間の平均日数は? 選考プロセスの実態をリサーチの記事では、年代や年収帯別に、選考プロセスの実態をみました。
では、実際に転職活動を行った会員たちは、どのような経験をしているのでしょう。「この会社・組織で働きたい」、逆に「この会社・組織で働きたくない」と感じた企業や企業担当者の対応について、アンケートを実施。具体的な体験エピソードも交えながらご紹介します。

この記事のポイント
  • 「この会社・組織で働きたい」と感じた企業や企業担当者の対応のなかで、最も多かったのは、どの年代・年収帯でも共通して「自分に期待することやスカウト理由が明確だった」となった。
  • 2位は「会社や組織の現状などを本音で話してくれた」となった。たとえネガティブな情報であっても、包み隠さず話すことが「誠実さ」や「自分をスカウトした理由」として、ポジティブに受け止められていると考えられる。
  • 一方、「この会社・組織で働きたくない」と感じた企業や企業担当者の対応の1位は、「自分へ期待することやスカウト理由が伝わらなかった」となり、スカウト理由の明確さが印象の明暗を分ける結果となった。
  • 動機付けにつながるコミュニケーションをするためには「自社へのフィットを伝えること」「信頼形成を意識した丁寧な自己開示」「WHYを語る」の3つを心掛けるとよい。
  • 1. 企業の魅力=ポジティブな情報、だけではない

    1-1. 「この会社・組織で働きたい」と感じた企業や企業担当者の対応(全体)

    ビズリーチ会員を対象に、ビズリーチを通じて行った転職活動のなかで「この会社・組織で働きたい」と感じた企業や企業担当者の対応について、あてはまるものを3つまで選んでもらったところ、最も多かったのは「自分に期待することやスカウト理由が明確だった」となり、2位の「会社や組織の現状などを本音で話してくれた」に9ポイント以上の差をつけました。

    図1.「この会社・組織で働きたい」と感じた企業や企業担当者の対応(全体)


    Q9 ビズリーチを通じて行った転職活動のなかで、「この会社・組織で働きたい」と感じた企業や企業担当者の対応があれば、あてはまるものを3つまでお選びください。(実際のご入社の有無に関わらず、お答えください)
    ※「『この会社・組織で働きたい』と思う対応を受けたことはない」と回答した人を除外して、集計

    1-2. 「この会社・組織で働きたい」と感じた企業や企業担当者の対応(年代別)

    さらに、年代別にみても「自分に期待することやスカウト理由が明確だった」が20代~60代いずれの年代においても1位となっており、アトラクト(動機付け)において重要であることがわかります。また、同様に、全ての年代で共通して3位圏内に入ったのが「会社や組織の現状などを本音で話してくれた」です。

    図2.「この会社・組織で働きたい」と感じた企業や企業担当者の対応(年代別)
    ※上位3つを抜粋

    「この会社・組織で働きたい」と感じた企業や企業担当者の対応(年代別)

    Q9 ビズリーチを通じて行った転職活動のなかで、「この会社・組織で働きたい」と感じた企業や企業担当者の対応があれば、あてはまるものを3つまでお選びください。(実際のご入社の有無に関わらず、お答えください)
    ※「『この会社・組織で働きたい』と思う対応を受けたことはない」と回答した人を除外して、集計

    「自社への興味や入社意欲を高めるために、効果的な情報」というと、「良い点」や「強み」などのポジティブな情報をイメージしてしまう人もいるでしょう。もちろんそれらの情報は、いわゆる「自社の魅力」であり、重要です。しかし、「この会社・組織で働きたい」という動機を形成するには、ときに力不足なこともありうるのです。

    社外からは高い評価をいただいているが、実は〇〇に課題があり、至急解決したいと思っており、あなたをスカウトしました

    成長に伴い組織が大きくなってしまい、入社時期によってエンゲージメントに差がある。この状況を打破したく、あなたの経験を生かして、組織を変革してほしい

    単体では「ネガティブ」とも捉えられる情報も、上記の例のようにスカウト理由とセットで伝えることで、納得感も増し、双方の理解が深まります。また、包み隠さずに「本音」を話すことは、信頼関係を築くうえで大切なプロセスの一つでしょう。

    1-3. 「この会社・組織で働きたい」と感じた企業や企業担当者の対応(年収帯別)

    年収帯別においても、1位は全て「自分に期待することやスカウト理由が明確だった」となりました。【1,500万円以上】では33.3%と、他の年収帯よりもさらに高い傾向がみられました。

    図3.「この会社・組織で働きたい」と感じた企業や企業担当者の対応(年収帯別)

    「この会社・組織で働きたい」と感じた企業や企業担当者の対応(年収帯別)

    データでわかる即戦力人材の転職意識・仕事観

    2. 「なぜ」が伝わらないスカウト・交渉は、ネガティブな印象を与える

    2-1. 「この会社・組織で働きたくない」と感じた企業や企業担当者の対応(全体)

    続いて、「この会社・組織で働きたくない」と感じた企業や企業担当者の対応について、あてはまるものを3つまで選んでもらったところ、最も多かったのは「自分へ期待することやスカウト理由が伝わらなかった(16.6%)」となり、「この会社・組織で働きたい」と感じた企業や企業担当者の対応と、相対する結果となりました。「なぜあなたをスカウトしたのか」という理由の明確さが、印象の明暗を分けるといえるでしょう。

    次に、多かったのは「提示された給与やポジション等の条件が、希望と異なっていた(12.8%)」、そして僅差で「入社後の自分の業務内容や役割が不明確だった(12.4%)」が続きました。

    図4.「この会社・組織で働きたくない」と感じた企業や企業担当者の対応(全体)


    「この会社・組織で働きたくない」と感じた企業や企業担当者の対応(全体)

    Q10 ビズリーチを通じて行った転職活動のなかで、「この会社・組織で働きたくない」と感じた企業や企業担当者の対応があれば、あてはまるものを3つまでお選びください。(実際のご入社の有無に関わらず、お答えください)
    ※「『この会社・組織で働きたくない』と思う対応を受けたことはない」と回答した人を除外して、集計

    関連情報(https://bizreach.biz/media/member_survey1)

    2-2. 「この会社・組織で働きたくない」と感じた企業や企業担当者の対応(年代別)

    さらに、年代別にみても「自分へ期待することやスカウト理由が伝わらなかった」が20代~60代いずれの年代においても1位となりました。

    しかし、2位は年代で異なり、【20~30代】は「提示された給与やポジション等の条件が、希望と異なっていた」、【40~60代】は「入社後の自分の業務内容や役割が不明確だった」となりました。

    図5.「この会社・組織で働きたくない」と感じた企業や企業担当者の対応(年代別)
    ※上位3つを抜粋

    「この会社・組織で働きたくない」と感じた企業や企業担当者の対応(年代別)

    Q10 ビズリーチを通じて行った転職活動のなかで、「この会社・組織で働きたくない」と感じた企業や企業担当者の対応があれば、あてはまるものを3つまでお選びください。(実際のご入社の有無に関わらず、お答えください)
    ※「『この会社・組織で働きたくない』と思う対応を受けたことはない」と回答した人を除外して、集計

    マーケターを希望しているが、営業にも向いている人だ。営業部も人がいなくて困っているので、まず入社後半年間は営業職を経験してもらって、その後マーケティングに進んでもらうキャリアパスを提案しよう

    スキルは満たしているが、まだ若いから、入社後の昇給制度を説明したら、募集要件に掲載した給与より少し下げても、納得してもらえるのではないか

    候補者が「若い」ということで、上記のような「希望とは異なる条件」を提示・交渉してしまっているケースも、あるのかもしれません。

    もちろん、本人が気づいていない適性やチャンスを企業側が見抜き「あなたの希望条件とは異なりますが…」という声掛けから始まる出会いもあります。しかし、希望と異なる条件を提示する際には、いつも以上に「候補者にとってのメリット」を伝えたうえでの「スカウト理由」が必要です。

    ・なぜ、希望条件と異なるとはわかっていながらも、声を掛けたのか
    ・候補者にとってもどのようなメリットがあると考えて、スカウトをしたのか

    その誠実な思いを、丁寧に伝える必要があるでしょう。

    【40~60代】の2位であった「入社後の自分の業務内容や役割が不明確だった」も、候補者への伝え方や、その情報が不十分であると、「企業側の都合だけ」でスカウトをしているような印象をもたれてしまいます。十分に注意しましょう。

    関連情報(https://bizreach.biz/download/damemensestukan1-10/?trcd=1HRRV0000281_PC_)

    2-3. 「この会社・組織で働きたくない」と感じた企業や企業担当者の対応(年収帯別)

    年収帯別においても、1位は全て「自分へ期待することやスカウト理由が伝わらなかった」となり、2位以下は順位やスコアに多少の違いはあるものの、顕著な差はみられませんでした。

    図6.「この会社・組織で働きたくない」と感じた企業や企業担当者の対応(年収帯別)


    「この会社・組織で働きたくない」と感じた企業や企業担当者の対応(年収帯別)

    Q10 ビズリーチを通じて行った転職活動のなかで、「この会社・組織で働きたくない」と感じた企業や企業担当者の対応があれば、あてはまるものを3つまでお選びください。(実際のご入社の有無に関わらず、お答えください)
    ※「『この会社・組織で働きたくない』と思う対応を受けたことはない」と回答した人を除外して、集計

    3. 「この会社・組織で働きたくない」と感じた具体的なエピソードを紹介

    企業担当者にとっては、何十回、何百回と送っているスカウト・行っている面接のなかのたった「1回」の出来事ですが、候補者にとってはその「1回」が鮮明に記憶に残り、その後の企業イメージを左右することにもなります。

    以下に「この会社・組織で働きたくない」と感じた企業や企業担当者の対応のなかで、「その他」の自由回答欄に書かれた具体的なエピソードの一部をご紹介します。

    例に挙がったエピソードのような対応をしてしまったことはないか、他の面接官についてはどうか、防止策や改善策はないか、ぜひ「自社でも起こりうる出来事」として、読んでみてください。

    「その他」に書かれた自由回答の例
    ※回答については、文意を損なわない程度に、編集部で一部修正を加えております。

    企業からのスカウトに対し、比較的短期間で返信をしたが、「募集人員を満たした」と断りのメールが来た(33歳/男性/600万~750万円未満)

    プラチナスカウトをいただいた会社のWebサイトにアクセスしたところ、福利厚生が不透明だった(35歳/男性/500万~600万円未満)

    最終面接の方が面接中に電話を受けるなど対応が悪く、残念だった(37歳/女性/750万~1,000万円未満)

    面接中、パソコンで面接内容を入力していて目を見て話した回数が少なくて不快だった(46歳/女性/500万円未満)

    事前の適性検査なるテストが多々あり、内容が漢字の読み書きや足し算引き算などであった。入社してもパソコンを使わない会社なのか、何のために受けるのか、その時点でやる気をなくした(46歳/男性/600万~750万円未満)

    書類選考の不採用通知に「応募を却下します」と書かれていた。日本語がおかしいし、失礼だ(47歳/女性/750万~1,000万円未満)

    社長名でスカウトされたが、面接に社長が出てこなかった(47歳/男性/1,000万~1,250万円未満)

    提示の年収上限やポジションは良かったが、実際に担当者と話すと「マネージャーになれるか保証できない」「年収は採用されてから決まる」などと言われた(49歳/男性/750万~1,000万円未満)

    最終面接(社長)まで通過したのに、理由が明確にされず突然白紙に戻された(50歳/女性/750万~1,000万円未満)

    希望職種と全く違う職種を紹介され、それに対する明確な理由も示されなかった(53歳/男性/750万~1,000万円未満)

    会社の方向性や具体的な課題が表面的な情報だった(56歳/男性/1,500万円以上)

    ウェブ面接で、先方の面接官のうち、1人の通信環境が悪かったのに一切フォローがなく面接が進められた(57歳/男性/750万~1,000万円未満)

    採用マニュアルに沿って会社・業務紹介を行っていた印象を強く受けた(67歳/男性/1,000万~1,250万円未満)

    関連情報(https://bizreach.biz/download/membersurvey/?trcd=1HRRV0000383_PC_)

    4. 動機付けにつながるコミュニケーション 3つのポイント

    最後に、「動機付け」につながるコミュニケーションのポイントについて、オンラインで動機付けをするための5つの対策|人材採用のニューノーマル vol.3で紹介した内容をもとに、オンライン・オフライン、全てに共通する、3つのポイントを説明します。

    関連情報(https://bizreach.biz/media/saiyo-newnormal3)

    4-1. 「褒める」以上に、自社への「フィット」を伝える

    候補者は、スカウトや面談・面接を通じ「入社後に自分がうまくやっていけそうか、活躍できるか」を、あらかじめ判断する傾向があります。つまり、これまでの自分の経歴を称賛されるだけでは、「入社後のイメージ」が湧かないため、動機付けにはつながりづらいのです。

    そのため、「あなたなら、きっとうちの会社で活躍しますよ」と、自社への「フィットの高さ」をしっかりと伝え、スカウト理由に結びつけることが、大切です。

    4-2. 候補者との信頼形成を意識した丁寧な「自己開示」

    候補者との信頼を形成するのに有効となるのが「面接官の自己開示」です。ここで大切なのが、自分と相手の開示の程度が釣り合っているかという点。面接官が候補者に対し、質問ばかりしていると、次第に面接官に対する好意度やコミュニケーションの心地よさが低くなってしまい、「自分だけが丸裸にされた」と感じてしまいます。

    玉ねぎの皮を外側から1枚ずつむいていけば、最後に芯へたどり着くように、採用活動における自己開示も丁寧に順を追って伝えていくことが大切です。徐々に相手との距離を詰めていき信頼を築くことが、「動機付け」につながるでしょう。

    4-3. WHYを語ろう

    「うちの会社は、こんなに成長している」「入社すると、こんなことができる」これらは企業の「魅力」ではありますが、候補者にとっては「会社・仕事(WHAT)を説明している」にすぎません。

    「WHAT」の説明に、「WHY」を加えてみましょう。「なぜ」のある会話は、話が広がります。「なぜ、事業が成長しているのか」「なぜ、スカウトしたのか」「なぜ、この仕事が面白いのか」――理由や背景を明かさない表面的な説明は、相手の気持ちに疑問を残してしまいます。

    ぜひ、スカウトや面接を見直す際の参考にしてみてください。

    人材採用のニューノーマル

    アンケート概要
    ■調査方法:インターネットによるアンケート(会員向けメールマガジンで回答を依頼)
    ■調査期間:2020年7月15日~2020年7月21日
    ■調査対象:「ビズリーチ」(https://www.bizreach.jp/)の会員
    ■有効回答数:7,654名
    ※小数点以下第2位を四捨五入して処理しています。そのため、各数値を足した際に、合計が100%にならない場合や、小計が合致しない場合があります。

    執筆・編集:瀬戸 香菜子(HRreview編集部)

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