地方の中小製缶メーカーが工場長採用。
ポイントは採用要件の確立と熱意を伝えること

(左)代表取締役/石川 浩章様
(右)採用担当/石川 貴也様

側島製罐株式会社

 メーカー
 母集団形成/母集団の質/地方の採用
 1-50名
(左)代表取締役/石川 浩章様
(右)採用担当/石川 貴也様
明治39年に設立された一般缶の製造会社。乾物や海苔、お菓子、線香、ワックスなどを入れる缶を製造している。小ロットからでも顧客のオーダーに応え続けてきた歴史があり、形や大きさを問わず幅広い缶を作れることが特徴。100年以上OEMメーカーとして事業を行ってきたが、10年ほど前からは缶業界の大ロット前提の壁を打ち破る自社企画の缶の提案、なかでもカラフルなCanday缶などが人気を博している。現在は新たにミッションの再定義に取り組みつつ、歴史を踏襲しても時代に合った価値ある「コト」の創出に向けて奮闘している。

ビズリーチ導入の背景と効果

ビズリーチを選んだ理由
工場長を採用するにあたり、可能性を広げるためにも、できるだけ多くの候補者にアプローチしたいと思ったため
導入前の課題
・これまでの採用活動は、欠員を補充するために行うものという考えであり、その考えから脱却する必要があった

・人材紹介会社経由での採用活動を行っていたが、要件定義が十分でなかったことや課題・熱意を伝えきれていなかったこともあり、なかなか採用に至らなかった
導入後の効果
・採用要件を具体的にできたことで、求める候補者像が明確になり、候補者とのコミュニケーションがスムーズになった

・自社の課題をさらけ出し、思いを伝えたところ、多くの候補者から返信が届き、工場長採用につながる縁も得られた

「ハローワークを活用した欠員補充」という考えだった、これまでの採用活動

当社は、明治39年に設立された一般缶の製造会社です。一般缶とは、飲料缶や缶詰缶やドラム缶を除く比較的小型の金属缶のことです。当社は中堅ポジションとして、「小ロットには対応できない」と大手企業から断られたお客様からのオーダーに応え続けてきた歴史もあり、形や大きさを問わず幅広い缶を作れることが強みです。

昔は「作れば売れる」時代でしたが、国内市場の縮小、中国缶の台頭、さらには原材料の高騰などが重なり、取り巻く環境は厳しいものになっています。そこで、10年ほど前から新しいチャレンジも始めています。以前はメーカーからオーダーしていただいた缶のみを作っていましたが、自分たちでアイデアを考えて缶を作り販売する、自社企画製品の販売にも取り組み始めています。その代表例がカラフルなCanday缶で、主に菓子店のクッキー缶として、最近はアイドルや漫画好きな人がグッズを収納する用途としてご購入をしてくださっています。このCanday缶のような新たな挑戦を受け入れる風土やフラットな雰囲気が社内にあることを、私自身非常に誇らしく思っています。

当社には、勤続65年以上の80代の社員がいるなど、メンバーの多くが長く在籍し、活躍してくれています。そのため、これまでは欠員が出た場合のみハローワークなどを中心として無料媒体を活用して中途採用を行ってきました。ただ、工場長を新たに採用する必要が出てきたため、そのポジションに適した新たな採用手法を検討しなければいけませんでした。そこで、ちょうど家業に戻ってきた息子に採用活動を一任することにしたのです。

要件定義を練り直せたことで、求める候補者が明確になった

工場長を採用するにあたり、当初は人材紹介会社に相談していました。私が「こんな人を採用したい」と伝えると担当の方がくみ取って要件に合う方を探してくれる点は非常に心強かったです。一方で、あらゆる条件を考慮して、人材紹介会社より「側島製罐に合いそう」とみなされた方のご紹介を受けるわけですが、なかなか採用に至らず苦戦していました。「もっと可能性を広げるためにも、人材紹介会社側のフィルターなしに、より多くの候補者の方に『直接』アプローチをしてみたい」と思うようになりました。そこでビズリーチを導入したのです。

これまでの採用活動のなかで、工場長の求人における必須要件と歓迎要件は定めていたものの、まだまだ要件定義が曖昧で浅かったことが個人的な反省点として見えてきていたタイミングでもありました。そこで、ビズリーチの導入に合わせて要件定義を深掘りしたいと思っていました。

たとえば、もともとは「メーカーの工場で働いた経験がある方」という漠然とした要件から、どんな部署でどんな業務に携わった経験があるかを深掘りし、「生産技術に携わったことのある方」や、「品質管理の経験がある方」と具体化しました。また、「管理職の経験がある方」という要件も持っていたのですが、大手メーカーの管理職は優秀な部下に適切な指示を出す役割が求められる一方で、中小企業である当社では工場長自ら現場に入り込み、メンバーを指導する役割を求めています。そう考えると、「日本のシステムを、言語が通じないメンバーに粘り強くインストールした経験のある、海外工場の立ち上げ経験のあるような方」こそ、当社でご活躍いただける方ではないかと思いました。このようなかたちで、採用要件を練り直していったのです。その練り直しができたきっかけの一つが、ビズリーチの候補者の方と面談をさせていただくことでした。候補者と会話をさせていただくなかで、このような新しい気付きを得られたこともあり、その度に採用要件を練り直すべきだと発見することができました。トライ&エラーを繰り返し、求人の要件定義のブラッシュアップは採用活動中には3回ほど行いました。

採用活動において重要なのは、課題をさらけ出して熱意を伝えること

要件定義以外に、採用において重要だと気付けたのは、「企業側が課題をさらけ出す」ことと、「自信を持って自分の思いや自社の魅力を伝えること」です。たとえば、ビズリーチのスカウト文には、後継ぎとして一念発起して戻ってきた私のキャリアや、働いてくれているメンバーに恩返ししたいという思い、より高い価値創出に向けた熱意を書きつつ、一方で自分自身の力不足や課題感をさらけ出すことで、社員やお客様、そして社会の幸せを実現するために力を貸してほしいといった内容を記載しました。その結果、なんとスカウトを送付した半数近くの方から返信をいただきました。なかには、「こんなに熱いメールを受け取ったのは初めてです」や「話だけでも一度聞かせてください。がんばるあなたを応援したいです」とおっしゃってくださる方も多く、大変驚きました。

今思い返すと、人材紹介会社経由で採用活動を行っていたときには、弊社が直接コミュニケーションできないこともあり、こちらから十分に課題や思いを伝え切れなかったため、なかなか思いに共感してくださる方に巡り会えなかったのかもしれません。しかし、ビズリーチ会員のなかには「今すぐ転職したいわけではないが、今の環境よりも自身の能力を生かして社会に貢献したい、世の中をもっと良くすることがしたい」という方が非常に多いことに気付きました。企業側が年収や役職などの求人に関する情報だけでなく、明確なミッションや熱意を直接伝えることで、候補者の方にも思いが届きやすくなるのではないかと思います。

採用プロセスを振り返ると、スカウトの返信率は良かったですが、決してスムーズに工場長の採用が決まったわけではありませんでした。約半年の採用活動の期間でのべ150人以上の方とお会いさせていただきましたが、ある程度面接が進んだ段階で、年収などに起因するご家族の反対、転居が困難という理由からお断りされることもありました。採用まであと一歩のところで辞退されたことも何度もあり、本当に心が折れそうになりました。そんなときに支えてくださったのが、「絶対、御社の思いに共感して来てくれる方がいます。私が保証します」というビズリーチの担当者からの力強い言葉でした。ビズリーチの担当者が心の支えとして伴走し、そして自分以上に当社の明るい未来を願い、励ましてくれることで私も奮起でき、諦めずにビズリーチのデータベースから候補者との面談を重ね、採用活動を継続することができました。

今後も、企業のビジョンに共感してくれる仲間を増やす活動を

今回採用が決まった工場長は、ビズリーチの会員の方ではありませんでした。転職意思がなかった候補者の方と面談を行い、その方からのご紹介でした。もし当社側が「転職意思のある方としか面談はしない」という可能性を狭めたスタンスで採用活動をしていたら、巡り合うことのできなかったご縁でした。私は今回初めて採用業務に本格的に携わりましたが、この「まずは会ってみる」という可能性を追求し続ける姿勢を貫き通したことで、今回の結果につながったと思っています。また、採用の基礎をイチから教えていただき、可能な限り多くの候補者と会うことの重要性を語りかけ続けてくれたビズリーチの担当者には心から感謝しています。

工場長として入社した方は、当社にはもったいないくらい優れたキャリアをお持ちの方です。大手企業出身でありながら中小企業の現場に対するリスペクトもあり、一緒に会社をより良くしていっていただけることを強く期待しています。私自身、もともと製造業の経験がまったくなく、家業に戻ってまだ1年半でわからないことも多いので、彼に師事してイチから学びたいと考えています。また、これまで当社は研修や教育を幅広く行えておらず、工場の基本である「5S」や「カイゼン」も十分に浸透していないので、彼には製造現場のプロフェッショナルとしてのノウハウを指南していただきたいです。そして、こうした取り組みを通して社員のポテンシャル向上を図り、より良い製品開発体制ややりがいのある仕事づくりを推進することで、社員の幸せも一緒に追求していってほしいと考えています。さらに、私たちは下請けの缶メーカーとしてお客様に甘えるばかりでなく、自力で自らの価値を創造していかなければならないフェーズにも来ています。ですので、工場長には自身のプロフェッショナル意識をメンバーにも伝播(でんぱ)させ、プロとして挑戦し続ける組織づくりにも取り組んでほしいですね。

工場長の採用は終わりましたが、今後は営業部門や管理部門など他部門も含めて、社内外からさまざまな領域のプロフェッショナルを増やしていきたいと考えています。そのようなプロフェッショナル人材を外部から採用する際には、絶対にビズリーチを活用させていただきたいです。当社のビジョンに共感してくれる仲間を増やしていき、事業の価値を高めて、今以上に世の中に役立てる会社になっていきたいと思います。

【所属・役職等は制作時点のものとなります】

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