地元以外の人材に広くアプローチ。
等身大の自社を語れば振り向いてくれる候補者がいる
セキネシール工業株式会社
メーカー母集団形成/母集団の質/地方の採用
51-500名
ビズリーチ導入の背景と効果
- ビズリーチを選んだ理由
- 第三創業期を迎え新たな事業創出を行うためには、地元だけでなく全国の候補者にアプローチできる採用の必要性を感じたため
- 導入前の課題
- ・求人媒体、ハローワーク、人材紹介会社経由などで採用活動を行っていたが、地元以外の候補者からの応募がなかなか集まらなかった
- 導入後の効果
- ・全国の候補者にアプローチでき、プロフェッショナル人材の採用ができた
・入社に至らなかった候補者とも、業界の情報交換を行うなど有意義なコミュニケーションが取れた
・的確に魅力を伝えることで候補者に振り向いてもらえる手応えを感じ、ビズリーチの運用で得た知見をあらゆる採用手法に生かせている
「第三創業期」を迎え、組織や採用の改革に着手
当社は埼玉県比企郡小川町に本社を置く材料メーカーです。設立は1962年ですが、江戸時代に和紙の紙すきを家業として始め、以来160年以上事業を継続しています。主力製品のガスケットは、部品と部品の間に挟むことで流体や空気を漏れないようにするシール材で、主に自動車産業をはじめとした内燃機関(エンジン)の材料として使われています。高度経済成長期は熱心な研究開発と営業活動により、非常に大きな売り上げを上げていました。しかし、平成以降は主力製品が製品ライフサイクルにおける衰退期を迎え、社員数も売り上げもピーク時の3分の1ほどになっているのが現状です。また、今後は内燃機関(エンジン)の市場も縮小することが見込まれるため、ガスケットに限らない新しい製品の開発を進めていくことが最重要課題となっています。
そこで、「変化」をキーワードに「第三創業期」を盛り上げようという思いで、大きく3つの新組織案を提案し、社長の決裁のもと改革を行いました。まず、営業と開発という攻めの部隊が同じ方向を向いて新しい素材を開発し、お客様の課題を解決することを目的に、両部門の統合を実施。そして、社内のデジタル化を推進するIT推進室と、採用・育成・組織開発に注力するため人事課を新たに設立しました。
人事課の設立を機に、設備保全、営業、研究開発のポジションの採用を強化しようとしていたのですが、採用手法も見直すことにしました。これまで、求人媒体やハローワーク、人材紹介会社経由で採用を行っていましたが、埼玉県の郊外にある会社のため、募集をしても地元以外から人がなかなか集まらないという課題があったからです。
さまざまな手法を検討するなかで目を付けたものの一つが、ビズリーチでした。転職を考えるプロフェッショナル人材の方が多数登録しており、その人材に直接企業がアプローチできるサービスなので、「実際、どのような経歴やスキルをお持ちの方がいらっしゃるのかを確認してみたい」という興味も強くありました。また、これまではずっと「応募を待つ採用」だったので、当社側から候補者の方に声を掛けてみたらどのような反応が得られるかも気になったのです。さらに、首都圏で働く方や関東以外で働く方も含めて全国の候補者の方に出会えることにも魅力を感じ、導入を決めました。
等身大の言葉で課題とビジョンを伝え、全国の候補者にアプローチ
採用活動を行うにあたり、「まずは当社のことを知っていただきたい。そして、1人でも多くの求職者と面談をしたい」という思いがありました。そして、候補者の方に送るスカウト文は、当社のことを初めて認知していただく機会になるかもしれません。そのため、ビズリーチの担当者にもアドバイスをもらいながら、こだわって作成しました。
スカウト文の作成では、これまでの歴史はもちろん、等身大の当社を知っていただくため、現在の課題については洗いざらい書くことを意識しました。あわせて、今後のビジョンや目指したい姿もお伝えしたり、中小企業だからこそ、裁量権を持って、かつスピーディーに事業を推進していけるという魅力を盛り込んだりしました。
面談や面接では、候補者の方がどのような想いでキャリアを歩んできたか、そして今後どうなりたいのかなどの理想を徹底的に伺いました。これは、候補者の方が当社で働くことがご本人の幸せにつながるのかを確認することで、ミスマッチをなくしたいと思ったからです。
こうした活動を行うなかで、結果として四国や九州など全国にお住まいの方とも面談の機会が持てるなど、全国の候補者の方にアプローチできました。さらに、「地方の少数精鋭の企業が、プライドを持ってお仕事に取り組まれている点に感銘を受けました」とうれしい返信をいただくこともありました。
採用予定のなかったポジションを用意して、プロフェッショナル人材を迎え入れた
採用成果についてですが、実はビズリーチ経由で採用したある方は、当初採用予定のなかったポジションの方でした。非常に魅力的なご経歴をお持ちだったので、情報交換だけでもさせていただきたいということで一度電話面談をしてみると、「ぜひ工場を見学させてください」と希望されたのです。実際にご来社いただき、さまざまなお話をしていくなかで、「ぜひ当社の仲間になって力を貸してほしい」という気持ちが募ったため、経営陣と連携してすぐに新しいポジションを用意し、その方を迎え入れることにしました。
他にも、今回は入社に至らなかった候補者の方が、面談などを通して当社の課題をさらけ出すなかで、豊富な業界経験をもとにアドバイスをくださったり、「この最新技術を御社で使えるのではないか」と情報を共有してくださったりする方と出会えたりと、採用活動を通して非常に有意義な学びが得られたと感じています。プロフェッショナル人材の方には、「これまでの自身の経験を生かして人の役に立ちたい、社会に貢献したい」という志を持っている方が多いからこそ、このような機会をいただけたのだと思います。
地方や中小企業ゆえに「興味を持ってくれるわけがない」と諦めない
今回ビズリーチを活用した採用活動を通して、「地方の中小企業であっても、的確に自社の魅力を打ち出せれば、そのメッセージが響いて応募してくださる方は必ずいる」と気付きました。これまで私は大手企業やベンチャー企業に勤めていたため、応募が集まりやすかったそれらの企業との比較をしてしまい、応募が来るかどうか不安でした。しかし、老舗の中小企業だからこそ、事業の歴史・ストーリーを持っていることが強みになり、それが応募につながるものだと実感しました。地方や中小企業ゆえに「うちに興味を持ってくれるわけがない」と最初から諦めてしまうのはもったいないです。過小評価も背伸びもせず、等身大の課題を伝えたうえで、「こうした課題を解決できる人を探している」「一緒に会社を変革してほしい」といったメッセージを、候補者の方に直接届けることが大事なのだと思います。こうした、ビズリーチによる採用活動を通して得た気付きは、他の採用手法で採用活動を行う際にも応用しており、順調に採用が進んでいます。
新しく当社に加わったメンバーは、早速社内を巻き込みながら活躍しています。たとえば、設備保全のポジションで採用した人材は、社員数4,000人以上の大手企業で役員から期待されるほど活躍していたものの、大きな裁量権を持って仕事ができる点や自ら働きかけることで会社を変革できるプロセスに携われる点に魅力を感じ、当社への転職を決めてくれました。彼は、入社間もない頃から「これをやりましょう」と周りの社員に呼び掛け、新しいプロジェクトを推進し、社内を盛り上げてくれています。パワフルな彼の姿を見て、仕事のモチベーションが上がっているベテラン社員も多くいます。
こうした空気感が醸成できた一因に、社内を巻き込んで採用活動を進めたことがあります。今回から、候補者の上司となる課長にも参加してもらうプロセスを作り、採用活動に携わってもらうことで、彼らが「自分が採用した」という強い責任感を持って、メンバーの活躍を支えるようになりました。
今、当社は第三創業期、変化のときを迎えています。これからも変化を楽しめる方を仲間に迎えて、新製品の素材開発と拡販を強化していきたいです。また、地域を盛り上げられる企業になることも目標としたいと考えています。
当社のある小川町は、かつては埼玉県内有数の栄えた町であり、駅前はいつもにぎわっていました。しかし、今では町の光景が様変わりし、県内2番目の消滅可能性都市として名前が挙がるほどになってしまっています。もう一度、町に活気を取り戻すためにも、当社の事業をさらに成長させ、経営ビジョンにも含まれている「周囲から愛され注目され敬服される小さな大会社」を目指したいです。そして、当社で働くメンバーに対しては、変化を楽しむことで仕事のやりがいや生きがいを感じてもらえるような環境を用意できたらと思います。
【所属・役職等は制作時点のものとなります】